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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編5 第五章 異変

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55/194

55 別にけちじゃないと思う

なかなか話が進まない…。 


修整しました。05.4.25


 母さんの車で博物館に向かった。駐車場が混むかもしれないので、開館前に着く予定だ。その前にしーちゃんの家に寄って、しーちゃんとおばさんを乗せる。一気に車の中がにぎやかになった。


「おっはよー、れーちゃん。いい説明会日和だね!」


 相変わらずテンションが高い。でも、楽しみなのは私も同じだ。


「おはよう。今日はイベントたっぷりだからね。いっぱい楽しもうね!」


 私としーちゃんが後部座席、助手席におばさんが乗った。 母さんは久しぶりに会ったおばさんとうれしそうに話している。そのすきにさっとしーちゃんの手を握り、思念波で伝えた。


『しーちゃん、いよいよ今日だね』


 しーちゃんがぎゅっと握り返してきた。それから、


『分かってる』


 と力強くうなずいてくれる。私も頷き返す。

 私たちにとって、とても大切な一日が始まる。


 駐車場は開館前に着いたこともあって空いていた。車を降りるとまだ午前中だというのにむわっとした蒸し暑さで、思わず、う、と足を出すのをためらってしまう。


「うぇっ、やばいよこれ」


 しーちゃんも同じように感じたみたい。すかさずおばさんがたしなめる。


「詩雛、変な声出さない」


 母さんたちはすずしい顔で日傘を差している。ちょっとずるいと思ってしまった。と、母さんがすたすたと近付いて来て、私の頭にぽすっと麦わら帽子を被せる。それだけでちょっと暑さがましになった。母さんナイス。


「母さんありがとう」

「どういたしまして」


 しーちゃんもスポーティな帽子をいつの間にか被っている。博物館の入口に向かうと、もう既に何組みか並んでいたのでその後ろに並ぶ。入口のところにお知らせ看板が出ている。「白鳥山古墳発掘調査現地説明会」と大きく書かれたその下に、開始時間と場所を示す地図が。それを見るだけでちょっとわくわくしてきた。父さんもきっとテンション上がってるんだろうな。


 しーちゃんが看板を見つけてぴょんと一回飛び上がり、それからくるりと私の方へ向き直ると、


「ね、ね、れーちゃん。刀とか王冠の展示ってしてるかなっ」


 とわくわくを隠せない口調で言う。それを聞いた母さんが、


「いいわねぇ。みんなはじかに見ているんでしょう?」


 うらやましそうに言う。おばさんがうふふと笑って、


「そうね。確かにすごかったわ」

 

 と茶目っ気たっぷりに言ったので、くすっと笑ってしまった。母さんがうらやましいーと言いながら口をとがらせる。みんなで笑っているうちに開館の時間になった。


 今回の発掘調査で見つかったものの一部が特設展示されているということなので、早速行ってみた。


「ああっ、冠がないーっ!」


 しーちゃんの大きな叫び声が響き、おばさんがさっと引っ張り寄せて、しーっ! と怒っている。特設の展示スペースは思ったよりも狭くて、ショーケース一つ分に刀の一部と玉が数種類、埴輪はにわの一部が展示されているだけだ。……少なっ!

 その場で固まっていると母さんが、


「主な出土品は現在調査中のため、一部の展示となっております。なお、現地説明会にて出土品の一部を公開しています、って書いてあるわね」


 側に書いてあった説明を読んでくれた。なるほど。

 しーちゃんが、えー、つっまんないー、とぶつぶつ言ってるけど、それはいつものように放置しておいた。でも、そうだよね。発掘って、展示するためじゃなく研究のためにしてるんだから、まずは調査してそこからわかったものの一部を展示してるって、小鳥遊のおじさんに以前聞いたことがある。実は展示しているのはほんの一部で、博物館にはもーっとたくさんのものが保管されてるんだって。


 まだぶつぶつ言っているしーちゃんに、


「説明会で展示するからこっちは少ないんじゃない?後のお楽しみだよ、きっと」


 と言ってなぐさめると、


「調査だの研究だの後回しにして、ばーんとお宝を先に出せばいいじゃない。けちだ、けち」


 さらにぶつぶつ言っていた。仕方なく、


「母さん。私しーちゃんと見て回ってくるから入口で待ってて」


 と声をかけるとしーちゃんを引っ張りながら移動した。おばさんが、


「怜奈ちゃん、詩雛をお願いね。十五分前に入口で待ってるから」


 と言うのでわかりました、と言い置きずるずる引きずって行く。常設展の真ん中辺りにある、椅子をいくつか並べて置いてあるスペースに移動するとしーちゃんを座らせた。


「しーちゃん、説明会までの間に情報交換して作戦を立てよう」


 まだけちだけち、とぶつぶつ言っていたしーちゃんは、はっと意識を切り替えて私を見る。よし、話題転換成功。

 

「しーちゃんは夢を見た? ……私、夢の中でミシェルさんを見たよ」

改稿頑張ります。半年以上かかって終わらないとは(汗)


更新まだー、という方は是非コラボをお楽しみください。

二週間に一度のゆっくり更新ですが、一章が完結し、今週は人物紹介を掲載しています。しーちゃん主人公なので、しーちゃんのイラストが掲載中。二章でれーちゃんが登場します。お楽しみに。


「しーちゃんが行く!~絶望の箱庭~鳥籠の姫君~のワールドエンドミスティアカデミーにお邪魔しました!」

はこちらから。人物紹介ページに飛びます。


https://ncode.syosetu.com/n0156hr/25/


それでは、またお会いしましょう。

皆様に、風の恵みがともにあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] しーちゃんとれいちゃんはかぁさん達と展示会へ! まあでも展示会で見れるであろう知ってるものがなかったら確かにちょっとつまんないと思ってしまうかもですね笑 そして二人は作戦を立てることに。 ど…
[良い点] 説明会、みんなテンションが上がりますね! でも展示品は別の場所に……。しーちゃんブツブツモードですね(^_^;) れーちゃんはさすがにしーちゃんの扱いがうまい! 続きも楽しみにしています!…
[良い点] 凄まじい昨今の熱気もあって、登場人物たちの感覚がよく伝わってきて、話に入りやすかったです。また、子供らしいしーちゃんの反応と、れーちゃんの理解力との対比がとても面白かったです。この2人はい…
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