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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編4 第四章 レイアーナ視点 イルラ ミシェル

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47/194

47 アレト帰還計画3

アレト帰還計画の最終話になります。


加筆と修正しました。

(22.4. 25)


加筆修正しました

(23.3.18)

「本来ならば補助核の使用は学園で学ぶ課題だ。しかし、今は緊急事態だ。補助核が使えなければ多くの思念波を集めることも出来ぬ。ゆえにそなたは予習だと思って取り組め。補助核に集めた思念波はこの空間を脱出する際には全て空になっているだろうから学園で困ることもないだろう」


 シュリーアが一度目を閉じ考え込む様子を見せる。やがてゆっくりと目を開け、


『分かりました。それが学園でも有利に働くことでしょう。やってみます』


 力強く答えた。その決意に満ちた顔は必死さを表してもいたが、この計画には妹の助力がどうしても必要なのだ。危うさには目をつむるしかない。


「補助核に思念波を送るには、主核を思念波で満たし、さらにその中の受容体を分割せねばならない」


 シュリーアがかすかに眉を寄せて聞く。


『受容体を分割など出来るのですか?』

「出来る。だがそれを行うことが出来るのは、そのサークレットを持つ者だけだ。思念体で移動することができ、かつ思念波を収集、放出が自在に出来る者でなけれ持つことを許されていない。能力(ちから)のある者でなければ、補助核から放出される思念波をコントロールすることが出来ないのだ。そなたがサークレットを持つ者であるということ、それには大きな意味があるのだ」


 シュリーアが自らの光が輝く場所に目をやる。そこには主核のみが輝いている。


『わたくしのサークレットの輝きは一つ。なのに御姉様には複数の輝きがあるのを不思議に思っていました』

「そうだ。これは補助核が働いている(しるし)でもあるのだ」

『つまり、受容体を分割し、補助核にそれを配置できれば、御姉様のように思念体になっても複数の輝きを放つということでしょうか?』

「そうだ。それこそがサークレットの意味でもある。多くの思念波を保有することで、より大きな能力(ちから)ふるうことが出来るのだ。そして、そなたがサークレットを使いこなせれば二度とあのような事は起きない」


 シュリーアがふと辛そうな表情を浮かべたが、すぐに表情を隠すと、ほおに手を当て考え込んでいる。


「これはまだ推量の域を出ないが。今回のクーデターは、そなたがサークレットを手に入れたばかりでまだ使いこなせていないことを利用し、仕掛けられたふしがある。思念波の暴走も恐らく仕組まれたものだ」


 どこまでをあちらが想定していたのかは分からない。だが我らを足止めし、その混乱に乗じておそらく本国でも何か仕掛けているであろう。

だが、いずれにしてもそれは帰還後に対処すべき問題だ。


 話を聞いたシュリーアは、目を見開き片手で口元を覆ったまま、わなわなと身体を震わせている。やがて静かな口調で言った。


『わたくしは罠にまっていた、ということですね。……あの時、御姉様は命を狙われておいででした。御姉様を亡き者とするために、わたくしが利用された、と』


 シュリーアの目に強い光が宿る。


『許さない……。わたくしを嵌め、御姉様の命を狙い、わたくしの大切な者の命を奪い。エミューリアを混乱におとしいれるこの所業、必ずむくいて差し上げます』


 シュリーアの思念波が大きく揺らめくと主核に吸収されていく。ふう、と息を整えると、固く手を握りしめ力強く答えた。


『御姉様。わたくしこのミッション、必ずや成功させて見せます』


 ふむ。我が妹はしんが強い。これならば強い味方になるだろう。悪くないな。ふ、と口元が緩みかけ、引き締める。


『そなたの働きに期待している。必ずや成功させるのだ。私は再び地球に降下し、新たなイルラを手に入れる』


 シュリーアが胸と額に手を触れ、うつむくと臣下の礼を取る。


『ご無事のお帰り、御待ちしております。わたくしも誠心誠意、期待にお答えいたします』

「そなたの活躍に期待している。なるべく多くの質の良い思念波を集めよ」

『かしこまりました』








 ISSに向かった。到着後、速やかに思念波を採取し、地球を目指す。


『御姉様。気をつけて行ってらっしゃいませ。御姉様に風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします』

『うむ、シュリーアも励め。そなたに風の守りがあらんことを祈る』


 ISSの窓は閉ざされている。黒髪の男がいた部屋からは、静かな思念波が流れ出ている。どうやら眠っているようだ。黒髪の男の実験棟から最も離れた棟より明かりが漏れている。


 あの実験棟には二人の男がいる。我らと同じように肌の色が白く、そして彫りの深い顔立ちの男達が生活しているのを確認していた。


 ISSでは規則正しく日々の営みが行われている。日々変わらぬ一日を送り続けられていることが無性に尊く思えた。


 ── 我らの日常を取り戻す為にも、多くのイルラを得ねば。


 また地球へと降下していく。目指すのはアメリカ大陸西部、特徴的な巨大な像のある大都市ニューヨーク。


 ── さて、次のイルラとなる人物はどのような者か……。


 いつも通りに思念体を圧縮すると、一気に下降した。















シュリーアは学園に行く直前にサークレットを与えられてました。サークレットの扱いや役割については学園で学ぶ予定でした。


初読の方、ここまで読んでいただきありがとうございます。まだまだ先の長い話ですので、引き続きお付き合いいただければと思います。


再読の方、この作品を愛していただき本当にありがとうございます! 感謝感激です。頑張って改稿終わらせます。


それではまたお会いいたしましょう。

皆様に、風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] シュリーアとレイアーナはひとまずことを得た。 だがシュリーアの心には余計レイアーナのこともあり火がついてしまった。 そしてこの後どうなっていくのか気になりますฅ(´꒳`໘̳)ꪆ。
[良い点] レイアーナさん、いよいよミシェルさんオススメのアメリカで新たなイルラ探しですね! どんなイルラと出会えるんだろう(*'ω'*)ワクワク
[良い点] 高貴な身であるということが改めて分かりました。ただ、確かにシュリーアさんの真面目さや切迫感からは危うさを感じますね。心配です。それだけに、読んでいる分には、面白かったです。
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