28 大災害を調べよう
3日ぶりの投稿です。←3円て書いてた…(爆)
お待たせしました。
自由研究の続きです。タイトル予告と変わりました。
加筆修正しました。22.12.25
メモ帳を見ながら報告する。
「えっと、とりあえず、夏休みの宿題を一緒にしようということになりました」
「そう。それで?」
ちらりとしーちゃんを見ると、顔を腕に乗せてあさっての方向を向いたままだ。背中がよろしくーと言っている。ひどい。丸投げ? あきらめて続ける。
「それで、しーちゃんの提案で、その、自由研究を一緒にすることになりました」
おばさんがの眉がぴくりと動く。その顔にちょっとびくびくしていると、
「それで?」
おばさんが先を促す。ちょっとおばさんの声が低くなって迫力が増した? 気、気のせいだと思おう。続けて二階で相談したことを説明した。
「いろいろと調べてみたんですけど、難しい言葉が多くて」
「……でしょうね。ふう、怜奈ちゃんがいて良かったわ。詩雛一人なら、いきなり実験だ! って盛り上がって、庭でまたやらかしそうだもの」
そう言ってしーちゃんの方をじとりと見る。すると、
「ふっ。甘いね、母さん」
しーちゃんがくるりと振り返ってこちらを向き、不敵な笑いを浮かべる。
「いくら私でもわからないと、動きたくても動けないっ。大丈夫。いつでも実験は大歓迎っ。やるときはやる女だよ、あたしは」
おばさんが目からビームが出そうな視線をしーちゃんに向ける。これは、やばい。話を続けよう。
「それで、地面が隆起したり埋没したりして起こる大災害って何かを調べてました。検索して書いてあったことをメモしてみたんですけど……」
メモ帳を見せる。おばさんはメモ帳を取り上げてさっと目を走らせる。
「二人ともここに書いてある内容分かるの?」
私もしーちゃんも首を振る。とりあえず見つけたことをメモしてみただけだ。
「でしょうね。じゃあ、少し手伝いましょうか」
そう言うとおばさんはリビングの隅に置いてあったパソコンに向かい、操作を始めた。何度かカチカチ音がして、それから私達が呼ばれた。
「とりあえずこのサイトで調べてみなさい」
画面上には「ヤッホーキッズ」のサイトが開いてあった。このサイトなら、学校で調べものをするときによく使うので知っている。漢字にふりがながついていて読みやすいし、子どもでもわかりやすいサイトを優先的に表示してくれる。
私達が食い入るように画面の文字を追っていると、ふふっとおばさんが笑う。
「前に怜奈ちゃんのお母さんに教えてもらったの。あなた達が調べようと思ってるのは、天候に左右されないで起こる自然災害よね?」
しーちゃんが頷く。
「そう。それも大災害になるやつ」
「つまり広範囲に影響を与える可能性のある災害ね。で、その予防法を知りたいの? それとも影響力を知りたいの?」
しーちゃんが答える。
「最終的には予防法が見つかるといいけど、先ずはその災害でどれくらいの被害が出るかが知りたい」
おばさんが聞く。
「あなた達はどんな災害を考えたの?」
「地震」
「津波」
「火山の噴火とか」
私達が口々に答えると、
「それじゃ、まずは火山ね」
そう言って「日本の火山」と入力して検索すると、一枚のマップが表示された。日本地図の上に赤い点で火山の位置に印がついている。
「あれ?」
あることに気付く。近畿地方には一つも点がなかった。この辺って火山がないんだ。知らなかった。
「ん? この辺って火山ないの?」
しーちゃんも気付いたみたいだ。
「そう。山はたくさんあるけれど、火山はこの辺りにはないわね」
しーちゃんがふむふむと言いながら画面を覗きこんで、
「じゃあ、火山噴火の心配はないってことか。ねえ母さん、この地図二部印刷してよ」
おばさんに頼んだ。おばさんは印刷の操作をして椅子から立ち上がると言った。
「次は自分達で調べてみなさい」
しーちゃんが椅子に座り、ワードを打ち込んでいく。
「じゃあ次は、つ・な・み・っと」
私達は難しい言葉はおばさんに意味を聞きながら、パソコンで調べ学習を進めていった。
その後も何枚か画像を印刷してもらったり、メモに書き込んだりしていると、おじさんから来てもいいよ、と連絡が来た。
その途端、しーちゃんが何もかもほっぽりだして家から飛び出そうとしたので、おばさんに首根っこをひっつかまれて連れ戻されるマンガみたいな現場を見た。
「ちゃんと、片付けないと連れて行きません!」
きっちり叱られて、しゅんとするしーちゃん。次の瞬間にはケロっとして、
「さあ、ちゃっちゃと片付けて行くよっ!」
と猛然と片付けを始めた。
しーちゃんらしいけど、私もほっとかれるところだったよ。まあ、たぶん途中で気づいてダッシュで戻ってきてくれるだろうけれど。根は優しいしーちゃんなのだ。
後片付けをすませ、おやつのアイスを食べてから、車で博物館まで送ってもらうことになった。
車から降りた途端に、
「あっつ」
と思わず口からこぼれた。むわっとした湿気の混じった生ぬるい空気と、午後のきつい日射しに慌てて帽子を被っていると、しーちゃんがふっふっふっと言いながら近付いて来た。
「れーちゃん、いよいよお宝に会えるよっ。テレビも来ていたことだし、これは期待大だよねっ」
ものすごく楽しそうだ。
「あなた達、行くわよ」
おばさんが車から降りてきて声をかける。途端にしーちゃんが嫌な顔をする。
「げっ、母さんも来るの?」
体ごと引いている。そんなしーちゃんのことはさらりと無視して、おばさんが私ににっこりと笑いかける。
「せっかくの機会ですからね。お父さんも誘ってくれたことだし」
父さんのばかー、としーちゃんがあさっての方に向かって叫んだ。すかさずおばさんにぱしんと軽く頭をはたかれている。うん、いつもの光景だね。
余計なことを言わなければいいのに、と以前に言ったことがあるけれど、これが私のコミュニケーションだ、と自信たっぷりに言い返された。
意味がわからないけど、それがしーちゃんだ。
お付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _)m
何とPVが5万超えました。ありがとうございますっ(泣)
たくさんの方に愛していただけて本当に嬉しいです。
牛歩の歩みで申し訳ないのですが、頑張って改稿終わらせます!
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皆様に、風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。




