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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
第十章 地の力 爆散!

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180 水の精霊、出現

ソルの呼びかけにこたえたのは……?

 水色の光の中に、少し大きな光が二つあり、その二つが周りの光を取り込み始める。


「あ、なんか光ってる?」


 しーちゃんにも見えたみたいだ。


『ファンタスティック! あの光が微精霊なんだね。僕にも見えるようになったみたいだ!』

「光、いくつ見えてるんですか?」

『二個あるね』

「あたしも二個見えるよ! ……え、もしかしてれーちゃん?」

「うん。私にはもっとたくさん見えてるよ。その二つの光が大きくなっていて、周りの小さな光を取り込んでいってるの」

『フフフ、レナ。それだけじゃないよ。海はどう?』

「え? 海? ……!」


 そこには今まで見たことのない光景があった。


 金色に光る『地の力』を取り囲むように、青紫色の小さな光がまたたいていた。


「これって……」


 その光は、まるで地の力がこれ以上広がらないようにおさえているようにも見える。


「れーちゃん、何が見えるの?」

「あのね、……」


 私が海の様子を説明すると、二人とも一斉に海をのぞき込む。けれども、やっぱり見えてないみたいだ。

しーちゃんは首をかしげているし、ミシェルさんは一心に海を見つめたまま。  


「ソル、これって海の精霊なの?」

『海だけじゃないよ。川にも湖にだっているさ』

『ワオ! ということは、レナには水のフェ(妖精)が見えてるってことだね! ここに青紫色の光が広がっているのかぁ。くうぅー、見てたみたいなー!』


 ── うらやましそうに言われても、どうしたら見えるのかなんて分からないよ……。


『レナ、向こう側をよく見て』


 ソルが渦の反対側を指差す。その先、明石海峡大橋が横切るその手前、海が少し盛り上がっているように見える。それが少しずつ渦に近づいてきている……?


「あれ? 何か動いてるよね?」

『ちょっと待ってて』


 すぐにミシェルさんが運転台に向かうと、何か確認している。けれどもすぐにもどってきて、


「んー、レーダーには何の反応も出てないね」


 ── そう言いながら、なぜだろう。ミシェルさんがワクワクしてるよっ!


 ミシェルさんのうす青い瞳が、キラキラしている。ぜったい太陽のせいじゃないよ!


 その時、キラリと何かが光った。


「え? ね、今のって!」


 しーちゃんが船のへりをガッとつかんで身を乗り出している。


「ちょっと、しーちゃん危ないよ!」

「だって! 今の見た? うそ、本物? ……あ、」

「しーちゃん!」


 しーちゃんが夢中になってさらに身を乗り出してしまい、バランスをくずした。とっさに手を伸ばすけれど、届かない!


 ── だめっ、落ちちゃう! 


 ミシェルさんが駆け寄ってきているけれど、間に合わない。


 しーちゃんの頭が下向きになり、足が船から離れそうになったその時、


「うわっ」


 突然突風が吹きつけて船が大きく揺れた。あわてて私とミシェルさんが手すりにつかまってやり過ごしているうちに、その勢いでしーちゃんがくるりと反対方向にひっくり返り、しりもちをついた。


「いったーい。何、今の?」


 しかめつらのしーちゃんを見て、私とミシェルさんは大きく息をついた。


「良かったー。落ちちゃうところだったんだよ?」

『シイナ、だめだよ。本当に危なかったんだから。落ちたら君の両親になんて言えばいいんだい?』


 ── 本当に落ちなくて良かった……。


『ふ、ふ、ふ。俺に感謝しろよ、シイナ!』


 その時、渦の近くでエラそうに胸を張りながらソルが言った。


「ソルが助けてくれたの?」

『へへーん、俺強くなったって言ったろ? それくらいの風ならどうってことないよ』

「どうせならもう少し優しく助けてよね。あいたた」

「しーちゃん、大丈夫?」

「うん、大丈夫だけど痛い」

『それくらいで済んで良かっただろ? なんなら落としてやるけど?』

「ソル、それはだめだよ」

『ちぇー、わかってるよ』


 その時、チャプンという波の音とともに、クスクスと笑う小さな声がした。


「え? 何か聞こえた?」


 しーちゃんがあわてて起き上がり、キョロキョロと渦の方を探す。すると、すぐ近くでまたチャプンと音がした。


 急いで音の先を見ると、海の上に薄紫色の何かが見えた、ような気がする。


「あ、今のさっきのコだよ!」

「しーちゃん、見えたの?」

「うん、さっきチラッとね。薄紫色の透明な羽が見えたんだよ! ソルみたいなね」

『どこどこ?』


 今度はミシェルさんがのぞき込む。


「ちょっとー、ミシェルさん落ちないでよね」

『シイナには言われたくないないよ!』

「ひどくない?」

「何言ってるの。さっきソルに助けてもらったばかりでしょ」

「ナンノコトカナー」

『あんまり騒いでると出てこなくなっちゃうよ。彼女の種族はとっても大人しいからね』


 途端にミシェルさんとしーちゃんが口を押さえた。吹き出しそうになるのをこらえていると、少し離れたところで波の音といっしょに小さな精霊が飛び出し、また海の中へと沈んでいった。


 口を押さえたまましーちゃんとミシェルさんが大興奮している。


「#$%^&?」

『%÷≠≈∆!』 


 ── 見た見た?

 ──『すごいよ、薄紫色の羽と身体だ!』


 聞こえてきたのは謎の言葉だったけど、思念波のおかげで何を言ってるのかわかる。


 ── すごい。水の精霊だ。前のソルと色が違うのは種族の違いなのかな。それに、髪が長い? 


 さらに海を見つめていると、もう少し離れたところでまた顔を出したのが見えた。全体に薄紫色で、髪が波といっしょに揺れている。ソルの方を見ているみたいだ。


『レナ、壁を消して。彼女も準備できたみたいだ』 

「え? どういうこと?」

風の精霊に続き、水の精霊が現れました。

ミシェルとしーちゃんが興奮するの、しかたないですよね?

続きをお楽しみに!


この物語のコラボ小説もよろしくお願いします!


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最新話では、104話あたりのハルヴェストの丘に、箱庭のメンバーが遊びに来ています。本編とはまた違い、しーちゃんがどう見ていたのか楽しんでいただければと思います。こちらに箱庭メンバーは出てきませんがちゃんとリンクしていますよー。


それでは、また2週間後にお会いしましょう!


皆様に、風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
しーちゃん危なっwww でも精霊達も登場してくるしまあ大興奮でしょうがw 続きも楽しみです!!
新登場水の精霊!これは大興奮ですよね(#^.^#) 地の力の暴走を抑えようとする精霊たちが神秘的で素敵でした! そして船から落ちかけるしーちゃん、あぶないよー(;^_^A ソルが助けてくれてホッとし…
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