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古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第九章 予兆

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153 怜奈は精霊に憑かれる?

お盆休み。しーちゃんと離れた怜奈ですが、予想外のことが起こったようです。

 しーちゃんの秘策ってなんだったんだろう。聞きそびれたままお盆休みが始まった。


 いとこたちと遊んでいる間にあっという間に日が過ぎていく。毎日海やプールで遊んではひたすら思念波を集める。人が多いところで誰もが盛り上がっているから、びっくりするくらい簡単に集められる。調子に乗って集めていたら、一気に集めすぎて周りが急に静かになってしまった。その場にいた人たちがざわついて思いっきり冷や汗をかいたけれど、誰にも私が原因だとはバレなかったので、セーフ。


 それからは取り込みすぎないように気をつけて回収するようにした。イメージはお鍋のアクとりだ。盛り上がっている思念波の上の方だけをさーっと網ですくい取っていく。それだとほとんど誰にも気づかれずに集められたので、すきを見て何度も回収することができた。おかげでどんどん貯められる。順調順調。


 だけど予想外のことも起きていた。思念波を集めていると、そのたびにチラチラと古墳の森で見た水色の小さい光が見えるようになったことだ。森で見た時はけっこう集まって見えていたけれど、プールでは少しだけ。海だともう少したくさんの光が飛びっているのが見えた。そして……、ぱくり。


 ── あ、また……。


 小さな光の粒をうれしそうに食べている一際ひときわ大きな光のかたまりが。思念波を集めるたびにどこからか現れては一つ二つ食べていくのだ。そして、私が見ているのを知っているかのように、その場でクルクルと回ってみせる。


 ── どう考えても()()()、あの時の子、だよね?


 古墳のところから付いてきたとしか思えないその光は、ずっと光っているわけではなく、いつの間にか消えてしまう。私が思念波を集めるたびにどこからか現れては、ぱくりとやっているのだ。今では野球ボールくらいの大きさにまで成長している。そんな大きな光なのに、私以外の誰にも見えていない。キラキラと水色の光が丸く輝いて浮いているのに、誰も気にしていないのだ。


 ── これって、見えてる私が変なんだろうね……。


 三日に一度、レイアーナさんが来て思念波を渡す。二回目の回収の時にとうとうバレてしまった。


『ところで、レナ。あれはなんだ?』


 明日は帰宅のため、最後の海を楽しんでいた時に回収の時間になった。少し離れた岩場で貝やヤドカリを探している時にレイアーナさんは現れた。もちろん、時間を見て私が皆から見える場所で少し離れていられるこの岩場に来たんだけど。時々一人の時間を楽しんでいることを知ってくれているから、目の届く範囲にいればある程度は放置してくれるんだよね。


 レイアーナさんが来る前に少しでも集めておこうと思って網を広げて回収。この海水浴場で何度もしているうちに、あの水色の光増えちゃった。時々網に触ろうとする子もいる。あの子たちが網に触れると思念波が強化されちゃうんだよね。初めて触られた時はめちゃくちゃびっくりした。急に網の力が強くなって、思っていた以上に吸収しちゃったんだよね……。あの時はバレなくて本当に良かったよ……。


 なので、その次からは網を広げる時に『精霊さんたち、お願いだから触らないでね』と念を込めて広げるようにしてみた。すると、ほとんどの光が少し距離を取ってくれるようになった……んだけど、ときどき好奇心の強い子がいるみたいで、そーっと近づいて来て触ろうとする子がいるんだよね。マズイ! って思ったときに、()()()が現れたんだ。


 触ろうとした子に近づいて行くと、その光を取り込んだ。それからは網を広げるたびに、どこかから現れてイタズラしそうな光を見つけては自分の中に取り込んでくれるようになった。回収が終わると、その場でクルクルッと回って消えていく。その時に、


『ありがとう、助かったよ』


 と声をかけてあげると一際ひときわ大きく光って消えていくようになっていた。


 そして、今。回収しているタイミングでレイアーナさんが現れたので、()()()はまだ消えていなかった。消えるタイミングを失ったその光は、すーっと私の近くに寄ってきてふわふわと浮いている。


『たぶん、あの子です。爆散の時にいた』


 レイアーナさんがため息をいて額を押さえる。


すでかれていたか……。この分では……』

『え? なんですか?』

『言わぬ! ……と言いたいが、ここまで成長しておればそうなるのも時間の問題か。まったく、そなたはどうしてこうも規格外なのだ? あのときから六日、それでこの大きさにまでなるとはな。……どうしてこうなったのかつまびらかに説明せよ』


 鋭い瞳を向けるレイアーナさんに、冷や汗をかきながらこの六日間のことを説明した。レイアーナさんは腕を組んでしばらく何かを考えているようだった。その間に精霊さんを帰そうと思ったら、


『待て、そのままでよい』


 そう言って、


『こちらへ来い』


 精霊さんに呼びかけた。するとふるふる、と震えてすいと私の側に寄ってくる。まるで『いやだ』と言ってるみたい。その様子がかわいくて思わずくすりと笑ってしまう。


『……やはりな。その精霊はそなた憑きになっているようだ。そなたが思念波を使う程成長していくだろう。いずれ会話し、意思疎通できるようになる』

『え? この子が話せるようになるんですか?』


 


連載再開に合わせ、ゆっくり更新にも関わらず見つけて読んでいただきありがとうございます!

しばらくは二週間ごとの更新になりそうです。他の連載作も読んでくれたら嬉しいです!


コラボの宣伝です。なんと、最新話ではこちら本編の発掘二日目、姫様たちと出会ったしーちゃんの物語となっています。ぜひ読み比べてみてくださいね!


https://ncode.syosetu.com/n0156hr/


もう一つの連載作品はヒューマンドラマです。ファンタジーではなくアイドル歌手とロック歌手が音楽フェスを開催する物語。かなりシリアスですが、興味のある方はぜひ読んでみてください。

「流星群になろうぜっ!」


https://ncode.syosetu.com/n3775ih/


それではまたお会いしましょう。皆様に風の恵みが共にあらんことをお祈りいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] レイちゃんは精霊に憑かれてしまいましたね。 でもこれは悪い感じではなさそう。 期待です。
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