117 発掘に行こう 再び
すみません、また少し遅くなりましたが、投稿します。
発掘現場に新しいメンバーが加わりました。
加筆修整しました(05.11.1)
レイアーナさんはディエゴともまた三日後に会う約束をしていた。
ジョンソン、ディエゴ、悠然、ミシェルさん。それにシュリーアさんの協力者が二人と、あとその協力者が一人。この中で思念石が満ちるまで思念波を貯めていたのはジョンソンだけだと思う。そう思うと何気に私としーちゃんって優秀じゃない? ジョンソンの思念石よりも私たちの思念石は小さいけれど、その分二個の思念石を持ってる!
── 他に、複数の思念石を持っている人はいないのかな? ……あれ?
映像が見えてこない。
── え、これってどういうこと? 他に、使っている人がいないっていうこと?
もう一度探そうとしたところで、何か音が鳴っているのに気付いた。
ピピピ……ピピピ ……
何の音だろう、としばらくぼうっと聞いていたら、唐突に目覚まし時計の音だと分かった。大変! 起きなきゃ。慌てて体を起こそうとすると、やっぱり少し重いような気がする。でも動けないというほどでもないので、ゆっくりと体を起こして目覚ましを止めた。……なんだかいつもとは違い、ぼーっとしている。何となく体がだるいような……。
とりあえずゆっくりと視線だけ動かして、右手の方を見る。そこには寝る前と変わらずちゃんと御守り袋があった。何の気なく御守り袋を手に取ると、ふうっと思念石から思念波が出てきて、体内に補給されていくのが分かった。それとともに重だるさがすーっと消えていく。体が軽くなったな、と思ったら思念波が止まった。ほっとして思念石を確認すると、
── あれ?
何だか思念石が軽い気がする。何となく中に隙間があるような。試しに夢の中でレイアーナさんがしていたのを思い出しながら、思念石を探って見た。
「……あ」
最初から持っている思念石が四分の一ほどしか満たされていない。新しく作った方も確認してみると、こちらは半分よりも少し多いかなという程度だった。こっちは新しいからまだそれほどたまってなくても不思議じゃないけれど、元から持っている思念石にたまっている量が少な過ぎる。
── これって昨日の夢の間に使っちゃった、ってことだよね……。
思っていたよりも夢を見ている間に思念波を消耗していたみたい。これは、頑張って今日集めないと! ぎゅっと御守り袋を握りしめて、ついでに今溢れた思念波を吸収させる。
その時、ふと思いついた。
── ジョンソンが自分の思念波を広げていたみたいに、私も思念波を広げてみたら、思念波がたくさんあるところから引っ張って来れないかな?
もそもそと着替えながらいろいろ考えていたら、いつもより遅くなってしまった。慌てて用意をして下に降り、洗面所に飛び込んだ。
父さんに車に乗せてもらい、また発掘現場に来た。説明会の時に用意されていたものは綺麗に片付けられて、元から何もなかったみたいに地面だけが顔を出している。古墳の入口に張ってあったテントもなくなっていた。そして、びっくりしたのは古墳の入口に扉がつけられていたことだ。立ち入り禁止の看板はそのまま置いてある。
父さんとおじさんたちは、今日もう一度中に入って遺留品がないかを確認するらしい。松永さんも父さんたちと一緒に行動するのか、穴の中に姿が見えない。代わりに松永さんと同じくらいの年に見える女の人が穴の中で作業をしていた。小麦色の肌に、黒髪のショートヘアの活発そうなお姉さんは、松永さんと同じ父さんの研究室に所属している学生で、「さやかさん」というそうだ。
さやかさんは、先週末までサークルの活動に参加していたので発掘に来れなかったそうだ。お宝大発見のニュースをテレビで見て、「私も本物が見たかったー!」って、ものすごく悔しそうにしながら、うらめしそうな視線を松永さんに送っていた。私としーちゃんにも食い入るようにその時の様子を聞いてきて、さやかさんも古代ロマン大好きなんだなー、とちょっと親近感を持った。しーちゃんが、
「さやかさんって、なんかれーちゃんと同じニオイがする!」
と言うと父さんが、
「いやいや、うちの怜奈の方が何千倍もかわいいに決ってるだろう」
と本気で言っていて、さやかさんがドン引きしていた。
「すみません、変な親で」
と後でこっそり謝ったらさやかさんは、
「怜奈ちゃん、大変ねー」
とくすくす笑って言った。松永さんが私たちのことをさやかさんにも頼んでくれて、何か見つかったらまたお手伝いをさせてもらえることになった。
「二人とも筋がいいんだよ」
と紹介してくれたので、しーちゃんが、
「だって、ぜーんぶお宝だもん、当然でしょう」
と胸を張って言ったので、さやかさんも笑いながら、
「あら、頼もしい助っ人ね」
と言ってくれた。ちなみにしーちゃんはそれを聞いてますます胸を反らしていた。さやかさんは松永さんが馬型埴輪を掘り出した話を聞いて、
「私もでかいのを掘り当てるから見てて!」
と鼻息を荒くして穴の中へ降りて行った。さやかさんがお手伝いをさせてくれるのを待ちながら、私はしーちゃんと話していた。
昨日の夜の約束を母さんが守ってくれて、今日は午後からスマホを買いに行く。母さんが迎えに来てくれたら今日のお手伝いは終了だ。
「そっかー。んじゃ、今日は午後からは別行動なんだね」
しーちゃんが顎に拳を当てながら言う。何か考えている証拠だ。私は昨日の話をする前に、しーちゃんが話してくれるのを待った。しばらくすると、しーちゃんが顎をくいっと動かして合図をしてきたので、木陰に移動する。するとしーちゃんが、
「れーちゃん。あたし、今日は結構重大な報告があるんだ」
と切り出した。
今回はここまで。次回をお楽しみに。
「続きが読みたい病」にかかってくれると嬉しいです。
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それではまたお会いしましょう。
皆様に風の守りがあらんことをお祈りいたします。




