表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
古墳に入ったら異世界の姫様の協力者にされちゃったので、精霊を仲間にして日本を救います!─ We are enlisters. Save the princesses of Emulia. ─   作者: まりんあくあ
地球編 第六章 協力者達

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/194

100 協力者 シエナさん

祝100話!

ここまで読んで下さってありがとうございます!


お互いの記憶を確認しあいます。


加筆修整しました(05.9.7)

 うーん、せっかくのイケメンカップルの話題が日本のボカロって……。まあ、似たもの同士で良かった。そういうことにしておこう。


 なるほど。思念石や受容体を使って記憶を送り合いっこできるのは便利かも。ちらりとしーちゃんを見ると、腕を組んで胸を張ったまま、どうよ、という感じで待っている。


「ね、すごいでしょ?」

「うん、これ便利だね」

「でしょでしょ。ほら、れーちゃんも早く!」


 そう言ってぐいと差し出してきたしーちゃんの思念石に、私は昨日見た夢の記憶を流しこんだ。


  時計を確認すると、八時までにはまだもう少し時間がある。少し過ぎてから降りても大丈夫だよね? しーちゃんを見ると、私が送った記憶を目を閉じて確認している。私も今のうちに……。もう一度軽く目を閉じると、記憶の続きを追うことにした。


 



  最初に見えたのは、ゆるくウェーブを描く少し長めのブロンドの髪の女性だった。風にふわりと動くその髪は少し赤みがかかっていて、とても綺麗だった。


『うわ、すっごく綺麗な髪!』


 しーちゃんも同じように感じたみたい。その女性(ひと)はスタイルも良く、長い手足がすらっとしなやかに伸びていて歩いている姿勢まできれいに見える。大きめのショルダーバッグを肩から下げ、古めかしい建物から出てきた。同じような年齢っぽい人が何人も出入りしているから、ここは大学かもしれない。


  その人は中庭のようなところをすたすたと歩き、木陰のベンチに腰をおろすと、スマホを取り出して耳に当てた。その様子を上空で見ていたシュリーアさんはタイミングを見計らっていたようで、ベンチの前に降り立つとその女性に『シエナ』と呼び掛けた。


  シエナさんが顔を上げて柔らかく微笑ほほえむ。うわぁ。シエナさんの瞳がびっくりするくらい綺麗きれいで思わず見とれてしまった。


『すごい。星がとんでるっ!』


  しーちゃんも同じことを考えていた。シエナさんの瞳は明るい茶色で、その瞳の中にキラキラと光って見える部分があった。すごい。こんな瞳があるんだ……。


  シエナさんはスマホに話しかけているふりをしながらシュリーアさんと会話している。とってもキュートな人で、口元を引き上げて笑うと、笑顔がとても華やかになる。見とれているうちに、シュリーアさんが思念波を回収するためにシエナさんに手を伸ばす。シエナさんの思念石はタイガーアイのペンダントトップだった。


  回収後、シエナさんは軽い思念波酔いを起こしていたけれど、それほどひどい状態ではなかったみたいで、次の約束をするとベンチから立ち上がり建物に戻っていった。

  シエナさんの記憶はここまでだった。



  その次に見えたのが、再びヤーンさんとルークさんだった。……へー、ルークさんはヤーンさんの協力者なんだね。協力者が協力者を作ることも出来るんだ……。


『ほほう。ということは、あたしも協力者を作れるのかな? なら、母さんに受容体をつければあたしの思い通りに母さんを動かせるかも!』


  しーちゃんが良からぬことを考えている。そこで受容体を作ったり、くっつけているところを見ようとしたみたいだけれど、残念ながらその記憶は見られなかったみたい。悔しそうに、チッと舌打ちすると、 


『肝心なところ見られないじゃん。使えねー』


 とぶつくさ言っていた。しーちゃんが文句を言ったり、何かを考えている間は映像も止まっているので、私はさらりとその辺りを流して次の記憶を探す。……とりあえずしーちゃんが協力者を作るのは難しそうだ。良かった。


 記憶を見ながらつい考え事をしていたら、しーちゃんが突然、


『え、待って。あたしひょっとして、れーちゃんの協力者なの? あたし、シュリーアさんとれーちゃんの両方に協力しないといけないんじゃあ……』


  とちょっとパニックを起こしかけていたけれど、ちょうどそのときシュリーアさんが、


『ヤーンのパートナーにはわたくしの強制力が働きます。わたくしが不都合だと思うことがあれば、躊躇(ちゅうちょ)なくパートナーの記憶は消去させていただきます。パートナーが回収した思念波は、あなたの思念石が吸収を行います。ですので、わたくしが吸収する前に、必ずパートナーの思念波を回収しておいてください。パートナーの思念波は、ヤーンの思念石を通してわたくしが回収することになります』


  とシュリーアさんがヤーンさんに告げている場面の映像が流れて、しーちゃんはおばさんに受容体を付ける計画をしぶしぶあきらめてくれた。


『どっちにしても受容体が作れなきゃ無理か。れーちゃん教えてくれないかな』


 ── うーん。しーちゃんの考えがわかるのっていいような悪いような。


 どっちにしても教える気はないし、勝手に増やしていいとも思えないから黙っていよう。


  その後はさっき見た場面につながっていて、しーちゃんの記憶は終わった。ゆっくりと目を開けると、しーちゃんが目を閉じたまま百面相をしていた。思わずぷっと吹きそうになって、あわてて口を押さえた。

 少し遅れてしーちゃんも目を開けた。そして目を開けるなり口をとんがらせて文句を言い出した。


「れーちゃんの記憶、つっまんないー。サイイドさんと悠然(ようらん)さんが協力者だってことしかほとんど情報ないんだもん」

「え? だって、どんな人が協力者なのかな、と思って見ていたんだからよくわかったでしょう?」


  するとしーちゃんがちっちっちっと言いながら人差し指を出して振る。なんですか、そのもったいぶった態度は!



ブクマがまた一人増えて9人になりました。応援ありがとうございます。

誤字報告をいただき、修正しました。ありがとうございました。


100話めまで更新することが出来ました。読者の皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。まだまだ続きます。引き続き応援よろしくお願いいたします(*- -)(*_ _)ペコリ

改稿再読の皆様、いつも本当にありがとうございます。ようやく三分の二終わりました。もう少し! 頑張ります!


面白いな、続きが気になる、と思っていただけたら下の方にある⭐️をぽちっと押したり、いいね、ブクマしたり、X(旧Twitter)のRT、リポストで宣伝いただけたりするととても嬉しいです。


それではまたお会いしましょう。

皆様に風の守りが共にあらんことを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] しーちゃんもれいちゃんの思念石からの見た映像を見る。 危険じゃないからこの行動も楽しいのかも知れませんね! って事でまた続きを楽しませていただきますね(*´ω`*)
[良い点] しーちゃんのちょっと邪な企みが微笑ましくてとても良かったです。彼女らしくて逐一楽しかったです。最後の勿体ぶった幕引きもまた彼女らしいですね。シエナさんの目がどんなだかはなかなか興味を引かれ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ