序章0話 「プロローグ」
初投稿です!
数年感温めていた世界なので描ききりたいと思います。
不定期に更新していきます。
「おはよう■■■。いい天気だね」
どこからか声が聞こえる。
それは、愁いを帯びた声。
それは、追想にふけている声。
それは、期待に胸を膨らませている声。
そのどれもが当てはまり、どれもが違う。そんな不思議な声。
「また会いたい――――という願いも、あいつらは叶えてくれないらしい」
声は止むことはなく語り続ける。
「私は諦めないよ。いつまでも待ち続けるさ、その方法を思いついたんだ」
先程とはまた違う声色で語りかけてくる声。
どうやら実際に語りかけられているわけではないようだ。
「――誰ですか?」
そんなこちらのつぶやきに反応は帰ってこない。
辺りには暗黒が広がっていてここがどこかは分からない。しかし耳を澄ますと草木のさざめきが聞こえてくる。
そんな異様な状況でもまだ声は語りかけてきた。
「もしも覚えていたら私を探してくれ。きっとそこには―—――」
突然、それまで語りかけていた声は遠のき、視界は明るく開け――――
「おはようございます……?大丈夫ですか……?」
――――これまでとは違う優しい声で目を覚ました。
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