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短編集 冬花火

ハイヒール

作者: 春風 月葉

 僕のシンデレラは小柄で背丈が低い。

 僕のシンデレラは灰の代わりにニット帽を被っている。

 隣を歩くシンデレラはいつもより少し背が高い。

 魔法の靴のおかげだ。

 なぜその靴を履いてまで背伸びするのかを彼女に聞いてみた。

 彼女はくすくすと笑って、靴の魔法がなければ、あなたの顔が見れないでしょう?

 その笑みは本当に可愛らしかった。

 私が彼女の立場でも、彼女の顔を見るために魔法にかかることを望んだかもしれない。

 家に入ると彼女の魔法は消えてしまう。

 同じソファで隣に座れば、もう背伸びの必要ないからだ。

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