第4-2話 第149号新聞作成会議
アンケートの採用が決まった。しかし、未だ決まっていないこともあった。それは、部活紹介である。
学校新聞では、大会などに出場した部活を「部活紹介」として紹介していたのだ。僕はこれについても不満があった。この形式で行うと、必然的に大会などで勝っている部活が掲載が有利になると考えているからだ。大会に出ない部活、そもそも大会にすら出られない部活・同窓会なども存在していた。それらが載らないで本当に「部活紹介」でいいのかと。―そう、この形態を変えたいと思ったのである。そこで、僕はこう切りだした。
「部活紹介についてですが、この部活を紹介したいというのはありますか?」
やはり、しーんとした状態だった。やっぱり今まで通りでないと、ダメなのかなと思った。
結局、僕はこう切り出すことにした。
「何か大会に出た、あるいは出る部活はありますか?」
すると2年生の赤間くんが、
「バスケットボール部だったら、もしかしたら出るかも…」
「もしかしたら、とは?」
と聞き返したら、
「今度の日曜日の大会で準優勝以上をすれば、関東大会に出られます。」
と返してきた。しかし、まだ確定していない部活について書くこともできない。なので、
「確定しないと、書けないかな…」
と返すしかなかった。
その後話し合いを進めた結果、個人戦で活躍している部活でもいいのではないかという結論になった。
まず、三年連続で競歩の関東大会を出て、今年全国大会に出場が決定した、水木勝巳が所属する陸上部について書くことになった。と、いっても基本的に水木くんの内容でいいじゃないかという結論に至った。この水木くんに取材をするのは、どのクラスにしようかという話になった。その時、まだ決まっていなかった僕のクラス―三年四組に同じ陸上部の菊池圭介くんにいた。なので、菊池くんに頼んで、決定した。
あと二クラス決めなければならない。他に関東大会とか出ている部活がないかと聞くと、テニス部が挙がった。話を聞くと、シングルとダブルスで結構いい成績を出しているらしい。中でもダブルスでは、茂備高校史上初の二年連続関東大会出場となった。他に決め手がなかったものだから、テニス部のネタを入れることにした。担当はテニス部に所属していた、二年六組になった。
他はどうしようか。他に大会等に出場する部活がないかと再び聞くと、今度は美術部の名が挙がった。美術部は、全国高等学校総合文化祭に向けて作品を作っており、県代表を選定するときに、候補として選ばれたという。ちょっと趣旨が違うと思ったが、部活紹介としてはいいかなと思ったので、採用することにした。
これでとりあえず、全クラス配当が決まった。原稿の締め切りはいつにすべきかを田山先生に尋ねたところ、校閲なども考え、余裕をもってとりあえず来週ごろがいいのではないかとのことだった。また、僕にはアンケートを考え、データを収集しなければならなかった。そのこともついでに言うつもりで、
「…では、七月八日の金曜日まででどうでしょうか。アンケートについては今週中に考え、配布するので、もう一回集まってもらうかもしれません。」
と言った。
これでとりあえず編集委員会は閉幕し、担当も決まったので、一安心した。後はアンケートの内容を決めて、集計等を行えば大丈夫だと思った。
でも、担当に当てた人たちがちゃんとやってくれるかが、心配にだった。とりあえず様子を見るしかないだろうと思った。