第一話 欲
生暖かい目で見ていただければ幸いです。
これは世界を嫌った兄妹の物語_……。
この世界では異能力を持つ者が稀に生まれる。俺ら兄妹はその稀に生まれるうちの二人だった。
「にー。何考えてる…?」
妹が俺の顔に近づき言う。
「んー?ちょっと考え事。」
「そう?」
「そうだよ。」
俺は妹、渚の頭を撫でる。
「そいえばあの誘い、断る?どうする?」
渚は、不安そうに聞く。
「拒否するに決まってるだろ。だいた…」
ピンポン
俺の言葉を遮ってインターホンが鳴り響く。
「また彼奴らか。しつこいな。」
「私も行く。」
渚もいい加減イラついてきたらしい。少しムッと頬を膨らます。
「大丈夫か?」
少しの間を空けて渚は、
「大丈夫……にーがいる…から………」
と言う。こいつは、俺以外と話すのを拒む。…いや、話せないんだ。
「無理するなよ。」
「…了解……した。」
少しうつむきながらか細い声で言った。
「大丈夫、兄さんが渚を守るからな。」
「わかってる…。」
嬉しそうに渚の口元が歪んだ。いわゆる笑顔だ。
ガチャ
ドアを開ける。違和感を感じた。
「初めまして。わたくし、異能専門学園1年の竜崎琴音申します。」
違和感の正体は、すぐに分かった。いつも来ている奴らとは違うこと、俺らを歓迎するといつもしつこい学園の生徒だったことだった。
「いつもしつこい奴らはどうした?怖気ずいて逃げたのか。」
彼奴らが来たとき、俺は少し力を使って言った。『今度来たときは、本気で殺る。いいな』と、飽きないなと心の中で嘲笑う。
「にー…この人。」
俺にしがみつきかすかに震える渚の頭を撫でる。
「噂どうり仲の良いのですね。渚さん、そして……
史上最強の異能者、神宮寺白さん。」
刹那、殺気を感じた。すぐに渚を抱え、反応する。
「おい、竜崎…。渚に当たったらどうするつもりだ……!」
柄にも無く叫ぶ怒る。渚は、他の異能者とは違う。力が異様に弱いのだ。でも渚は…
「申し訳ありません。お願いします。学園に来てください。貴方には、力がある。他の異能者とは違う力が。」
頭を下げて竜崎は、悔しそうな顔で言う。
「で?俺は、興味が無い。面倒なんだよ。」
「なっ…!!」
刹那、竜崎の首を絞める。
「ぐ…ぁ…」
「楽にいかせて…」
「にー‼︎…学園…行こ…?大丈夫、私も…行くから。」
渚が珍しく声を上げ言う。震えは、どんどん増していく。思わず俺は、手の力を弱める。竜崎は、地面に落ちる。
「行くって学園にか…?」
渚はうなづく。
「良いのか?」
「うん…でも、にーと離れるのは嫌。」
竜崎は、安心したのか笑顔になっていた。
「では、学園の手続きは、わたくしがやらせていただきます。そしてご無礼、誠に申し訳ありません。」
「いや、俺も取り乱して少し本気を出した。悪い。」
謝罪を言い、渚に謝罪の代わりに頭を撫でた。
「明日から行く。」
俺は、渚を連れて部屋に戻る。
直後渚は倒れた。
「渚⁉︎」
一気に不安が込み上げた。だが、渚は寝息を立てて寝ていた。疲れたのだろう。
「おやすみ」
そのまま俺も寝た。
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『よう』
「お前は誰だ」
『俺はお前だ。』
「何を…」
『殺したかっただろう?竜崎琴音を。欲深くなれよ。』
「お前は誰だ?」
『俺は………お前の欲だ。』
『まぁ、まだまだ時間はある。また来るよ俺。』
そう言って男は去った。
~続く~
次回はもっと頑張ります。




