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はじまり
【せーんろはつづくよ どこまでも】
「今日も来てるんですか?」
「はい」
七瀬恥 は困惑していた
窓の向こう側の少女に
「いつからでしたっけ」
「1ヶ月前からですよ...」
窓の向こう側の少女は白無垢姿
ふんわりとした化粧
紅 紅 紅....
「ストーカーされてるんですか?可哀想に」
「可哀想って思うんなら助けてくださいよ!」
『嫌ですよ』と新羅ナイは笑う
彼女は小説家
どんな小説かは秘密
しがない小説家
「恥さんも仕事なさったらどうです」
「仕事したら敗けですから」
....いい歳してニートかよ
「あなたもニートみたいなもんじゃないですか。全然小説売れてない」
「う、うるさーい!一緒にすんな!」
....一緒か?
「それより彼女どうするんです」
窓の向こう側を見るとそこには誰もいない
「...あれ?」
【のをこえ やまこえ たにこえて】
ココハドコ?
キミハダレ?
「照眞真」
テルママコト?
【はるかなまちまで ぼくたちの】
「恥さん?」
「....はっ!」
ユメ?
「また来てますよ、真ちゃん」
...マコト?
「えぇ、照眞真ちゃん」
【たのしいたびのゆめ つないでる】