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ep.00:プロローグ

「はぁ……またダメだったか…」


ため息をつきながら手元の紙を見る。


そこにはコンピュータで出力された事務的な言葉と”不採用”の文字。


これで20社目の不採用。


大卒、専門卒でも就職が難しいと言われている就職氷河期…やはり高卒程度では就職は無理かな……。


かと言って進学は余計に無理だし…経済的な問題で……。


両親は俺が小さい頃に亡くなって祖父に引き取られたが、その祖父も去年他界した。


とりあえずはバイト代や遺産でなんとかなったが、大学まで行く金はない。


「はぁ…最悪、バイトしながら就活かな……」


できればそうしたくはないが、このままだとその可能性が一番高い。


どうしよう……って、


「やべっ、今日バイトだった」


ちらりと横目で見た時計はそろそろ家を出ないとバイトに遅刻する時間だった。


慌てて支度をしてバイト先まで急ぐ。




――――――――――*****――――――――――




「それじゃ、お先に失礼します」


「お疲れさま」


バイトも終わったし、夕飯の材料でも買いに行くか。


「今日は何にしようかな…」


とスーパーへ向かっている途中


「ん?」


路地裏の方から何かを感じる……いや、テキトーな勘なんだけど…。


ただ、何かを感じるのは確かだ。


こういう時の俺の勘はよく当たる。


「…………」


俺の足は自然と路地裏に向かっていた。


普段ならこういうのは避けるんだけど、今日に限って何故か興味がわいた。


何も考えずにただ自分の勘のみで路地裏を進んでいく。


街灯の光も届かないので、いつも持ち歩いているペンライトを照らしながら歩く。


しばらく歩くと終着点に到着した。


まあ、ただの行き止まりなんだが。


「…何もない」


軽く辺りを照らしてみたけど、ただの行き止まり…何もない…。


「…気のせいだったのか?……」


でも、確かに何かを感じたんだけど……。


「……帰るか」


とりあえず帰ることにした。


気にはなるけど、これ以上ここにいても仕方がない。


そう思って来た道をもどろうと足を踏み出した瞬間、


「…へ?」


足元に渦のような穴が出現した。


足元なので当然、俺の体は重力に逆らうことなく穴に落ちていった。


「ちょおおおおおおおっ!?」


訳がわからないといった俺の叫びと共に……。






こうして、この日この世界から如月 楓(きさらぎ かえで)の存在は消えた。

初めまして、-rein-と申します。


小説を書くのは初めてで投稿も初めてなので、色々と至らない点が多々あると思いますがよろしくお願いします。

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