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6話


メンバーは、俊明の高校時代の友達3人。花のバイトの知り合い2人。4×4の合コンがスタートした。



だが、男子に慣れていない友香は、あまり話せず、質問されてもうなずくことしかできなかった。



お開きになった時、1人の男の子が声をかけてきた。


「有沢さん。アドレス交換しない?」


彼は、メンバーの中で1番紳士のような人だった。


「は、はいぃぃ!」


緊張して声が裏返る友香をくすくす笑っている。


こうして、吉田賢治とメル友になったのだった。





※※



家に着いたときは、22時をまわっていた。


花と俊明の部屋は友香より上の階だったので、エレベーターの中でお別れをした。



扉を開けると、リビングに翔太がいた。


「……ただいまー。」


「……。」


いつも、挨拶なんてしないのだが、今日は急に出かけてしまった。だから、怒ってるのだろう。


「夕飯、食べた?」

「…。」


あからさまに無視をしてくる。


友香は小さなため息をついて、自分の部屋へ向かおうとした。



すると、

「誰と飲んでたんだよ。」

テレビに視線を移したまま、翔太が言った。



「え?8人ぐらい。」

「男いたのか?」


なんで、そんなこと聞かれるのか分からない。


「…いたけど。」

「…」


また、翔太は黙ってしまった。


(なんなのよ、まったく。)


友香はわけが分からなく、自分の部屋に行くのだった。





※※


翌日。

朝起きると、いつもの時間に翔太は出てこない。


「翔太?朝だよ!」


ノックをしても、返事がないので、おもいっきって開けてみた。


ーー中はもぬけの殻。



(あいつ!先に行ったの?)


玄関をみれば、なるほど、翔太がいつも履いているスニーカーが消えていた。



今まで朝食は文句を言いながらもきちんと食べていた翔太だったので、友香は何も言わずに出て行った翔太に悲しくなった。


始めて1人で朝食を食べて家を出た。



授業中、友香はなんで夜あんなに翔太がイライラしているねか、考えていた。


ちゃんと夜、友達と夕飯食べると連絡したのだ。


冷蔵庫に昨日の残り物もあったし。


なぜ、あんなに怒ってるのか。


しばらく考えた友香は一つの結論に達した。



(私が鍋買ってこなかったから、機嫌が悪いのね。)


昨日の朝、鍋のお金を翔太から貰ったのに、合コンに参加したことで、すっかり忘れていた。


(放課後買いに行って、夕飯は鍋にするか。)



そう考えた時、メールが鳴った。


相手は昨日合コンした吉田賢治だ。


《有沢さん。こんにちは(^O^)/

今日、放課後どこかに行かない?》



《今日はせっかくですけど、買い物の用事があって。》



《俺も付き添ったらだめ?何買うの?》



《え?でも鍋買いに行くんですけど。》


《鍋って。笑

有沢さん、おもしろいね。俺も行きたい。》



そんなこんなで、放課後を買いに吉田と一緒に行くことになった。







※※※

吉田は爽やかな紳士で、友香に男を意識させなかった。


スラっとした長身で、ゆっくりとした喋り方が友香を落ち着かせる。


まさか男の人と2人きりで始めて出かける始めての場所がデ○デオなんて、友香もびっくりだ。



無事鍋を買い、次は夕飯の材料を買いに行かなければならない。


吉田は悪い顔せず、付き合ってくれた。


「ふーん、友香ちゃん。ルームシェアしてるんだー。」


「はい、そうなんです。」


「相手の幼馴染の男の子って、こーゆーの全部友香にさせちゃうの?」


「まー、基本暴君なんで。」


「最低だね。女の子には優しくしなきゃ。」



本当に吉田はいい人だ。

荷物もほとんど持ってくれ、家まで運んでくれた。


「ありがとうございます。助かりました。あ、あの、何か飲んで行かれますか?」


家の中へ誘導する。


「えー。幼馴染の子に会ったら気まずいなー。」


「いえ、あいつは、練習でいつもこの時間には帰ってきませんから。あ、どうぞ。」


「じゃー、ちょっとだけ、お邪魔しまーす。」



2人が家の中に入ったのを、凄く冷たい目で見つめている人物がいた。



有沢友香、ピンチ到来!?



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