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幼馴染とただ今同居中!  作者: ゆずる
2章 夏キャンプ編
17/29

17話

「友香さん、先ほどはごめんなさい。」


落ち着いた理沙が深々と頭をさげた。


「い、いえ、これぐらい冷やせば大丈夫です。」


ブンブンと首をふる。


矢島は友香との関係をきちんと話してくれた。


「俺は、お前に嫌われてると思っていた。てっきり青木翔太が好きなんだと…。」


「…ヤキモチ妬いて欲しかったの。」


理沙ぼそっとつぶやいた。


「青木くんは確かにファンよ。だからお話できてすごく嬉しかった。…だけど、ファンと恋は別だもの。私が青木くんの話をして、学に妬いてもらいたいのに『よかったな』っていつもと変わらない笑顔。挙げ句の果てには、『今晩は他の女性と泊まる。』って勝手に部屋を出ちゃって…。」


周りの3人は固唾を飲んで事の有様を見守る。


「…理沙…。」


「学、私、あなたが好き!学が私を好きじゃなくてもあきらめない!だから…!」


理沙が言い終わらないうちに、矢島は理沙を抱きしめる。


「…学!?」


「俺も、お前が好きだ!」

矢島はギュッと手に力をいれる。


「本当は今から、理沙に告白しにいこうと思ってた。友香ちゃんに怒られて目が覚めたんだ。」


矢島はちらっと友香と視線をあわせる。

友香は笑顔をむける。


「ずっと、理沙だけを見てた。だけど理沙の視線の先には青木翔太がいた。『学に妬いてほしかった』だって?…俺はいつも妬いていたさ!…狂いそうなほどに。理沙の心を独り占めしたかった。」


矢島は優しく理沙に微笑みかける。


「だけど…俺は臆病で。笑うことで気持ちを誤魔化して…。理沙の幸せを願うなんて偽善者ぶって…。挙げ句の果てには、友香ちゃんに怒られてやっと告白する勇気が持てたんだ。」


理沙を見る。


「…理沙。こんな臆病な俺だけど、ずっと側にいてくれないかな?」


「…もちろんよ!」


理沙が矢島の胸に飛び込んだ。

2人はしばらく抱き合っていた。


誰も何もしゃべらなかった。

暖かい日差しか窓から入りこんでいる。






(…次は私の番ね。)

2人に勇気をもらい、有沢友香は心の中でつぶやいた。





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