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幼馴染とただ今同居中!  作者: ゆずる
2章 夏キャンプ編
13/29

13話


2日目は海で自由に過ごす時間だ。


スタイルの良い女性は、ここぞとばかりに、ビキニを着て男性の目を釘付けにしている。


男性の中には『ありがと。神様。水着美女を見る機会を作ってくれて!』と涙を流している者もいる。



「んもー、友香は!なんで、そんなジャケット着てるの!」


「だ、だって…ッ!」


キャンプの前に、友香と花は水着を買いにいった。


友香は、ピンクに白のドットに胸元には黒の小さなリボンがついたビキニを買った。(花が買わせた。)



だが、それを一切隠すかのように、白いジャケットをスッポリかぶっていた。

下もセットでついている、スカートを身につけている。



「花ちゃんだって、Tシャツ着てるじゃない。」


花は、黒にレースのついた上下を買ったはずだった。


「私はさ…こいつがうるさいのよ…。」


「…そりゃ、そうさ!」


隣にいた俊明が当然だとばかりに頷く。


「花ちゃんの体を他の男子に晒したくなんかない。花ちゃんの大きなおっぱいを見るのは俺だけで十分…いたッ!」


花がおもいっきり俊明の頬をつねる。


「…友香のような純粋な子の前で18禁なセリフ言うんじゃない。この子はまだ15歳ぐらいのウブな子なの。」


はぁと花はため息をつく。


「ま、強制的にTシャツ着せられたわけ。」


「な、なるほど!」


ラブラブな2人が羨ましい友香であった。


「私みたいな体型で、あんな格好できないよ。」


「もう!また友香は自分を卑下する!あんたは、可愛いんだってば!」


「…だって…泣。」


炎天下。ジュースはすぐなくなってしまった。


周りでは、あちこちで、海で泳いだり、ビーチバレーをしている人々もいる。


「そーや、翔太くんは?」


「…あっち…。」


友香が指差す方をみれば、翔太はビーチバレーに参加していた。


女子の野次馬が黄色い声援をおくっている。


「…花ちゃん。俊明くん。今日私、誰と泊まればいいかな?あの調子じゃ、翔太は今日違う子とホテル泊まると思うの。」


「友香ちゃん。多分、翔太くんは、友香ちゃんと寝ると思うよ。」


俊明はぼそっと口にした。


「それは、ないよ。翔太モテるから。私みたいな奴より、あの中の綺麗な女の人と泊まるよ。」


このキャンプのルール。

"夜は男1×女1でホテルに泊まること"


「私、結局、男の子ともあんまり話せなかったし…。私、余りものになるんだね。知らない人と一緒に寝るの、怖いよ…。」


「その心配はないね。」


友香達が声の主の方を見た。


「…矢島センパイ!」


そこには、昨日の夜、話をした矢島学がいた。


「友香、矢島センパイって?」


花は驚いて聞いた。


「昨日の夜、少しお話したの。」


矢島は万人受けするようなニコニコした笑顔を向ける。


「友香ちゃん。俺と少し泳がない?」


「え?でも、私、金づちで…。」


「大丈夫、大丈夫。俺、水泳得意だから教えてあげる。溺れさせたりしないからさ!せっかく海があるんだから、泳がなくちゃ勿体無いよ!」


確かに今日はずっと花と俊明とパラソルの下にいた。


(2人も、私がいたら邪魔だよ、ね…。)


少しぐらい2人で満喫したいはずだ。


「…はい。じゃ、お願いします。」


花は友香が男と上手くいきそうなのを心から喜んだ。


「友香、ついでに、そのジャケット脱いでいきなよ。海に入るんだから、邪魔よ。海の中に入るんだから、誰も見やしないわ。」


花に言われて、友香はこくっと頷いた。






※※


翔太は、サッカーの先輩に誘われ、ビーチバレーに参加していた。


途中で、ボールが遠くに飛び、海に少し流された。


メンバーの1人が取りにいく間、ゲームは中断になった。



ふと男子が騒いでいる声を、翔太は聞いた。


"やべー、あの子、足長げー。肌白!"


"あの子、すっげー可愛いよな。"


男子の視線の向こうには…友香がいた。…しかも、男と!!!


ピンクのビキニは友香によく似合っている。


昨日の友香の裸が蘇るのを、頭を振って消す。


友香は男の手をひかれ、海に入っていった。


(あいつ、金づちじゃッ!)


案の定、友香はへっぴり腰で海に入る。


隣の男はくすくす笑い、手を差し出した。


友香は両手で男の腕をつかんでいる。


ーーこれ以降、ビーチバレーの試合では1人負のオーラを放ちまくっていた。


試合後。

「翔太くーん。今晩は私と泊まりましょ?」


「いーえ、私と!」


「いや、私が!」


と、翔太を囲んで女子の争いが始まった。


「…俺、昨日ほとんど寝てないんで、部屋で寝てきます。」


えー!?と女子の不満が飛び交う。


「なら、寝た後で、夜は私の部屋に…!」


「…いえ。」


翔太は、それはそれは美しい微笑を浮かべた。


「俺は、大変気弱なので、あなた方の同居人の男性から恨まれたくありません。なので、部屋は変わらないつもりです。」


言うやいなや、そのままスタスタとホテルへ戻っていった。






※※


友香と矢島はしばらく海で泳いだ後は、矢島のおごりでかき氷をもらった。


「今日はありがとうございました。おかけで、少し、水が怖くなくなりました。」


「いえいえ。それは光栄です。」


ところで、と矢島は友香を見つめて言った。



「友香ちゃん。俺と今晩一緒に寝ない?」







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