小説講座をやめたメモ
今日、通っていた小説講座を正式にやめた。出会いから数えて十年以上の付き合いだったから、自分からやめることにしたのが未だに不思議だったりする。
本題に入る前に、まず先生との出会いから説明する。
出会いは大学の講義だった。先生は共通科目の教授だった。
一言で表すなら好みが分かれるタイプの先生だった。講義そのものの内容より余談に逸れがち。
しかし、余談を含め語りが面白いため気に入る学生と嫌になった学生の割合が半々という変な先生だった。
言うまでもなく、わたしは気に入った側だった。本当に気に入ったので在学中に取れる単位は全部取った。必修でも何でもないので取らなくていいのに取った。
その何個かめの講義の始めに「課外ゼミとして小説講座をやるから、興味がある学生は講義のあと残れ」と言われた。当時、二次創作の小説を書いていたこともあり、面白がって残った。それが小説講座の始まりだった。
課外ゼミと聞いたが、実際には生涯学習講座として学外者も受けられる講座だった。
当初は提出したA4の紙が赤入れで真っ赤、というかピンクのペンだったため、真っピンクになるくらい酷かったが、指摘に沿って直していくうちにマシになっていった。
大学を卒業してからも生涯学習講座として通い続けていた。だが、いつの間にか生涯学習講座が開講しなくなった。もう通えないのかと思っていたら、年明けに年賀状が届いた。
名古屋駅のカルチャーセンターで小説講座をやっているから見に来いという旨の内容だった。
さっそくカルチャーセンターに見学に行き、即受講を申し込んだ。
そこからカルチャーセンターの運営が変わったりしながら名古屋駅で受けていたが、栄に講座が引っ越すことになった。最初の栄の会場は仮の場所だった。後に新築のビルに移った。
新築のビルに移ったら大幅に受講生が増えた。しかし、わたし含めた永らく受講している受講者と初心者でレベル差が大きくなり、先生がやりづらくなったそうで、永らく受講している数人を引き抜いて、別のカルチャーセンターに移転することになった。
ここからが本題になる。
小説講座をやめた理由①は他の受講者との人間関係だ。
まず、わたしと同じくらい永らく受講していた女性。仮にAさんとしておく。彼女はおもしれー女だった。小説講座以外にも遺跡巡りなどを趣味にしている変な人だった。そして、かなり好き嫌いが激しかった。
引き抜かれる前の栄のカルチャーセンターは他の受講生の一部が嫌だったらしく、引き抜かれて良かったと言っていた。当初は。
しかし、月日が進むにつれ彼女はカルチャーセンターの事務員に不満を持つようになってきたらしい。
そして、わたしは開講前の時間に彼女と話していて負担に感じるようになってきた。
フレネミーというか、老害化というか。今まで許容出来ていた発言がしんどくなってきた。
とくにキツかったのは、ラッコを見に鳥羽水族館に行ったと話せば「カナダの沿岸にうじゃうじゃいる」と言われたり、同人アンソロジーの案を考えていると話しただけなのに、参加する気満々の返事をして、翌週に冒頭を提出してきたりした。
耐えられなくなって、以後はこちらから話さなくなった。そうしたらわたし以外の引き抜かれた人々と共に受講を休むようになった。そして年末に、先生にかなり失礼な要望を出して断られて退会した。Aさん一人が退会していくならともかく、他の人々も辞めていったことは解せないが。
とはいえ、これで静かに受講できるようになるかなと思った矢先に、今度は引き抜きと関係なく新しいカルチャーセンターに入ったおじさん受講者が幅を利かせるようになってしまった。具体的には小説講座なのに政治の話を先生に振り、先生もそれに乗ってしまって、受講時間の半分が政治の話に消えた。まだ全員分の添削が終わったあとなら良かったが、添削を待たされていたので内心ブチ切れだった。
さすがにこれは割に合わんと思ったので講座中に政治の話を長々と語るのはやめて欲しいと先生に手紙を書いた。長々とは語らなくなったが、とくに止めた感じはなく、おじさんは元気にのさばっている。これではダメだ。
そして、今までずっと聞いているだけだったもう一人のおじさんも書き始めた。これではおっさん向けの幼児教室だ。まったくもって上級コースではない。
小説講座をやめた理由②は、わたしが電子書籍ながらプロデビューをして、書くことに対する意識が変わったからだ。
こちらについて、ご興味がある方は各種電子書籍サイトで新棚のいと検索して欲しい。別名義で書いていたSFっぽいBL小説を加筆修正したものだ。
今春に、わたしと同じようにデビューなさった他の作家さんたちとお会いする機会に恵まれた。とても楽しかったのと同時に、とても大きな危機感を抱いた。
他の作家さんたちの環境は分からないが、わたしは地方在住だし、本職はライターでも何でもない。頼みの綱が小説講座だけだ。プロとして永く書き続けるための教えが欲しくなった。
しかし、グループ講座では深い部分まで聞けない。というか、聞いても全体に対する回答しか返ってこない。そこに不満が生じてしまった。
この段階にもなると個別指導が必要なのだと思う。しかし、個別指導を受けるだけのお金がない。
個別指導を受けている他の人は月額数万円払って指導を受けている。わたしは同じ額を用意できるほど裕福ではない。だから、やめる以外の選択が選べない。
せめて引き抜かれる前の講座に戻れたらいいが、詮索されたり聞かれて隠すのも難しい。
そういう訳で、小説講座を辞めた。未だに辞めたくなかったのにと思っている。
先生は変なおっさんだったが、一つだけ他の先生と完全に違う部分があった。個人的な好き嫌いと出来の良し悪しを分けて評価出来る人だった。そういう人だったから一生ついていきたかった。




