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第5話:魔王の右腕? チートで瞬殺だけど、俺の冒険魂はもう限界だ!

朝、冒険者ギルドは戦場のような騒ぎ。緊急クエスト:「魔王の右腕、暗黒騎士ガルドが街近くの廃墟に出現」。カズマはギルドの椅子にふんぞり返り、朝のスープをすすりながらぼやく。

「魔王の右腕とか、RPGのクライマックスっぽいけど…どうせ俺のスキルで一発終了だろ。マジで冒険感ゼロ…」

メルルがテーブルにバンッと両手をつく。

「カズマ、今回は私が風魔法でガルドをボコボコにするから! チート控えてよね!」

セレナも剣を肩に担いでニヤリ。

「私があの暗黒騎士の首を取る! カズマ、今回は援護に徹しろよ!」

「援護? 俺のスキル、援護とかじゃなく全解決するタイプなんだけど…」

クエスト情報によると、ガルドは魔王軍のNo.2で、呪いの剣と闇魔法の使い手。カズマ、ちょっとだけワクワクしかけるが、すぐ現実に戻る。

「いや、チートスキルで即終了だろ。俺の冒険心、もう死に体なんだけど…」


廃墟の城、黒い霧が立ち込める中、カズマ、セレナ、メルルは潜入。石柱が崩れた広間には、黒い鎧のガルドが仁王立ち。剣から紫のオーラが漏れ、めっちゃ強そう。メルルが風の刃を放つが、ガルドの結界に弾かれる。セレナが突撃するも、闇魔法で吹き飛ばされそうに。

「おい、カズマ! 何かやれよ!」 セレナが叫ぶ。

「はいはい、分かったよ。スキル名:『無敵ステルスモード』! 俺たちを完全に透明化&無敵化する、対戦ゲーのチートコード!」

カズマが指を鳴らすと、3人の姿がスッと消え、ガルドの攻撃が空を切る。メルルが「今だ!」と叫び、風魔法の竜巻をガルドに直撃。セレナも透明のまま剣で斬りかかり、ガルドの鎧に傷をつける。だが、ガルドは咆哮を上げ、広範囲の闇魔法をぶっ放す。

「チッ、しぶといな! カズマ、もう一発!」 セレナが吠える。

「ったく、俺のスキル頼りかよ…。スキル名:『全ステータスブースト』! 仲間全員の能力を10倍にするバフチート!」

セレナとメルルの動きが爆速に。セレナの剣が炎をまとい、ガルドの結界をぶち破る。メルルの風魔法は嵐になり、廃墟の屋根を吹き飛ばす。ガルド、たまらず膝をつく。カズマ、最後にトドメのスキル発動。

「スキル名:『即死アロー』! 敵を一撃で葬る、シンプルイズベストなチート!」

光の矢がガルドの胸を貫き、暗黒騎士はド派手に爆散。戦闘終了、所要時間5分。

「…ねえ、これ、俺いなくてもお前らで勝てたんじゃね?」

セレナ、汗だくで肩を上下させながら叫ぶ。

「バカ! 最後、お前のスキルなかったらヤバかっただろ! でも…私の剣、活躍したよな!?」

メルルもニコニコで飛び跳ねる。

「カズマのバフ、めっちゃ気持ちよかった! でも、なんか…カズマのチート、全部持ってくよね!」

「それな! 俺だって苦戦したいんだよ! このチート、強すぎて冒険がただのRTAじゃん!」


ギルドに帰還。ガルドの剣を証拠に報酬ゲット。受付嬢が「魔王の右腕を!?」と絶叫する中、カズマはげっそり。

「こんなん、ただの作業だろ。俺の冒険魂、完全にログアウト状態…」

夜、宿屋の屋上でカズマは星を見ながら考える。無敵ステルスもバフも、確かに最強。でも、戦闘がワンパターンすぎて、心が動かない。セレナとメルルは楽しそうだったけど、俺は?

そこへ、セレナがビール瓶持って登場。

「カズマ、ぼーっとしてんなよ。今日、ちょっとだけ冒険っぽかっただろ?」

「っぽかった? 全部俺のチートで終わったじゃん。どこが冒険だよ…」

メルルも屋上に駆け上がってくる。

「カズマ! 次のクエスト、魔王城の偵察だって! 超ヤバそう!」

「魔王城? どうせ俺のスキルで即クリアだろ。女神、俺のドキドキ返してくれよ…」

セレナが肩を叩く。

「まあ、愚痴るなよ。次はお前も戦ってみろよ。チートなしでな!」

「チートなし? 俺、ステータスゴミだぞ? 即死するわ!」

3人で笑い合う中、カズマ、ほんの少し思う。仲間とバカやってるこの感じ…ちょっとだけ、RPGっぽい? いや、違う! 俺のチートが全部ぶち壊すんだ!

「女神、マジで普通の冒険くれよ…。このままじゃ、俺、ただのチートNPCだぞ…」

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