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転生特典があまりにもすご過ぎて転生のワクワク感を返せと思う今日この頃  作者: nekorovin2501


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10/10

第10話:魔王戦? チートで終わるけど、俺の冒険心、ちょっとだけ見つかったかも!

冒険者ギルドは戦場のような熱気。最終クエスト「魔王城総攻撃、魔王ゼノスを討伐せよ」が貼り出され、冒険者たちが士気を上げる。カズマはギルドの片隅で干しイカをかじりながら、セレナとメルルに囲まれてため息。

「カズマ! 魔王だよ! 最終決戦! めっちゃ燃えるよね!」 メルルが杖をブン回す。

「燃える? どうせ俺のスキルで一瞬終了だよ。冒険魂、完全にデリート済み…」

セレナが鎧をガチャリと鳴らし、ニヤリ。

「カズマ、今回は私が魔王をブッた斬る! チートは控えめで頼むぞ!」

「控えめ? 俺のスキル、いつも全クリモードなんだけど…」

クエスト情報によると、魔王ゼノスは無限の魔力と破壊魔法の使い手。魔王城の最深部で待ち構える。カズマ、一瞬「ラスボス戦、RPGの頂点じゃん」と期待するが、すぐ現実に戻る。

「いや、どうせチートでワンパンだろ。俺の冒険心、もうサーバーダウン…」


魔王城の最深部、黒曜石の玉座に魔王ゼノスが鎮座。炎と闇のオーラが渦巻き、城全体が揺れる。カズマ、セレナ、メルルは広間の中央に立つ。メルルが風魔法の嵐を放つが、ゼノスの結界で弾かれる。セレナが剣で突進するも、闇の波動で吹き飛ばされそうに。

「おい、カズマ! さっさと何かやれ!」 セレナが叫ぶ。

「はいはい、了解。スキル名:『無限エネルギーコア』! 俺たちに無限のスタミナと魔力を供給する、RPGの裏技チート!」

カズマの周囲に光の球体が浮かび、セレナとメルルの動きが爆速に。セレナの剣が炎をまとい、結界にヒビを入れる。メルルの風魔法が竜巻になり、ゼノスの玉座を揺さぶる。だが、ゼノスが咆哮し、全方位に破壊魔法を放つ。カズマ、ため息をつきつつ次のスキル。

「スキル名:『時空逆転クロック』! 戦闘を5分前に巻き戻し、敵の行動を無効化する、セーブデータハック!」

時間がグニャリと巻き戻り、ゼノスの魔法が消滅。セレナとメルルが再び攻撃を叩き込むが、ゼノスはまだ倒れない。カズマ、最後のスキルを発動。

「スキル名:『最終決着ブレイカー』! 敵を一撃で消滅させる、ラスボス専用チート!」

光の槍がゼノスを貫き、魔王が爆発四散。魔王城が崩れ始め、3人は急いで脱出。戦闘終了、所要時間6分。

「…はい、クリア。セレナ、メルル、楽しかった?」

セレナ、汗だくで剣を振り回しながら叫ぶ。

「カズマ! 私の剣、活躍したけど…お前のチートが全部持ってくじゃねえか!」

メルルも帽子をパタパタ振って笑う。

「カズマ、すごいけど…なんか、戦うドキドキが薄いよ! でも、楽しかった!」

「楽しかった? 俺、ただスキル連打しただけだぞ。女神、このクソゲー仕様なんとかしろ!」


ギルドに帰還。魔王の冠を証拠に提出し、報酬の山のような金貨と伝説の装備をゲット。ギルド中が「魔王を倒した!?」と大騒ぎ。カズマは疲れ果ててベンチに突っ伏す。

「こんなん、ただのノーダメクリアだろ。俺の冒険魂、完全にアンインストール…」

夜、宿屋の屋上でカズマは星空を見上げる。無限エネルギーも時空逆転も、確かに最強。でも、ピンチも駆け引きもゼロ。セレナとメルルは村人たちと祝賀会で盛り上がってるけど、俺の心は虚無…いや、ちょっと待て。

カズマ、ふと思い出す。セレナの剣が結界を割った瞬間、メルルの魔法がゼノスを怯ませた瞬間。あの時、仲間と一緒に戦ってる感じ…ちょっとだけ、RPGっぽかった?

セレナとメルルが屋上に上がってくる。

「カズマ! ぼーっとしてんなよ! 魔王倒したんだ、祝おうぜ!」 セレナがビール瓶を掲げる。

「祝う? 俺、ただチートボタン押しただけじゃん…」

メルルがニコニコで飛びつく。

「カズマ、でもさ、私たち一緒だったから勝てたよね! パーティって、こういうのじゃん!」

カズマ、苦笑い。

「パーティか…。まあ、確かに、お前らとバカやってるのは…ちょっとだけ、冒険っぽいかもな」

セレナがカズマの頭をバシッと叩く。

「ちょっとだけじゃねえ! 次はお前も剣持てよ。チートなしでな!」

「剣!? 俺、ステータスゴミなのに!? 即死エンドだろ!」

3人で笑い合う中、カズマ、初めて思う。チートで全部解決しても、セレナとメルルの熱量、この騒がしさ…これが、俺の探してた「冒険」だったのかも。

「女神、ちょっとだけ感謝するわ…。でもさ、チートの制限、なんとかしてくれよ!」


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