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交界記 ―二つの世界の物語―  作者: なぎゃなぎ
第一章~地上界の剣士~
15/74

14話~時代錯誤の神隠し子~

挿絵(By みてみん)

関所を抜けてから、すでに十日が経った。


優人も絵里も野宿には慣れたが、男所帯の旅は細かいところに気が回らない。

なかでも辛いのは――食事。


毎回の食事はすべて保存食の丸かじり。

最初こそ絵里は喜んで食べていたが、一度で飽きてしまい、それ以降は食事を抜くこともあった。

ときどき立ち寄る村の食堂での食事が、唯一の楽しみという切ない旅路だった。


エシリアが毎回調理してくれていた頃が、本当に懐かしい。


道中、たまに山賊などに襲われたが、デュークの顔を見るなり逃げ出す者がほとんど。

戦闘になることもあったが、優人を相手に敵うはずもなく、すべて瞬殺された。


優人はすでにかなり戦闘慣れしており、峰打ちで骨をへし折って無力化させる余裕すら出てきた。

もともと戦闘技術を持っていたこともあり、素人に毛が生えた程度の敵など、もはや相手にならない。


今の優人にとって、山賊は挑発でもなんでもなく、本当に「三万ダームの的」にしか見えなくなっていた。

それでも次々と現れる山賊には、さすがに辟易としていた。


そんななか、ヘファイストスは肝の据わった馬で、襲撃を受けても落ち着いた態度で動き、敵の攻撃をうまくかわしてくれる。

そのおかげで、優人は絵里を安心して馬車に残しておけた。


そして今、優人たちは王都から一日ほど離れた森の中でキャンプを張っていた。


「ちぇえええええええええええすとぉおおおおおおーーーっ!!」


ドカッ!


バサササッ!!


すさまじい掛け声とともに、何かを叩き斬る音と、木が倒れる音が響き渡った。


「な……何?」

絵里が優人のすぐ横まで駆け寄り、怯えた様子で尋ねる。


「見てくる」

デュークがすっと立ち上がった。


優人も刀を差し、戦闘の準備を整える。

ヘストスは「鎧を着るのは面倒だから」と、絵里と共に待機することにした。

……まあ、なんというか、ヘストスは色々と役に立たない。


優人がデュークに追いつくと、彼は木陰から何やら人影をじっと見つめていた。


「山賊か?」

優人が小声で尋ねる。


「いや……剣の稽古をしているようだ」

と、デューク。


「稽古? こんな時間に? こんな場所で?」

明らかに不審者である。


優人は隠れるのをやめ、堂々と稽古中の男の方へ近づいていった。

するとその男も稽古の手を止め、優人たちへと視線を向けてきた。


男の姿は、優人と同じく和装の侍だった。

手には日本刀……それも、優人の居合刀よりさらに長い――野太刀を持っている。


今どき現役で野太刀を使う人間を見るのは、初めてだった。


「お? こんな時間に誰じゃ?」

男は刀を納め、優人に声をかけてきた。


顔立ちは若く、利発そうな雰囲気。

細身に見えるが、あの野太刀を振るうには相当な筋力が必要だろう。

しかも、一刀で直径十センチほどの木を真っ二つにしていた。


剣の腕も、かなりのものと見える。


「俺は水口優人。あなたは?」

優人は無用な戦闘を避けるため、声のトーンを柔らかくして名乗った。


「わしは、鈴木虎太郎。

……で、こんなところで何をしとるがじゃ?」


虎太郎と名乗った男は、なおも警戒を解かずに問いかけてくる。


……いや、不審者はどう考えてもお前のほうだろ……。

心の中でツッコミながらも、優人は落ち着いて状況を説明した。


旅の途中で、たまたまこのあたりでキャンプしていたところ、声を聞いて様子を見に来たのだと話すと、虎太郎は納得し、ようやく警戒を解いてくれた。


「ふむ……それは驚かせてしもうたの。

許してくれ。して、おんしはどこの藩じゃ? わしと同じ“神隠し子”か?」


この訛り――土佐……いや、高知あたりか?


だが、日本に藩など存在していたのはとっくの昔。今の時代にはない。

優人は虎太郎の素性がわからず、内心困惑した。


「ああ……俺は千葉県。

虎太郎は、どこの藩出身なんだ?」


優人が尋ねると、虎太郎は少しきょとんとした表情を見せた。


「千葉県? なんじゃそれは?

……わしは、薩摩でごわす」


……いや、違和感がすごすぎるだろ!?


優人は内心でツッコミを入れながらも、冷静に虎太郎を観察する。


虎太郎の方言はどう考えても土佐のもの。

だが、剣術は薩摩示現流のようだ。

掛け声や、木を一刀両断した動きを見れば、それは明らかだった。


わざわざ藩をごまかす理由は何だ?

それに、藩制度は明治維新後に廃止されている。

ということは、この男――もしかして、時代そのものが違う神隠し子なのか?


優人は考えを巡らせた末、とりあえずこう答える。


「俺は佐倉藩だよ。……下総の国って言ったほうが分かりやすいかな?」


とは言ったものの、優人も廃藩置県前の千葉の詳細な藩構成までは覚えていない。

そこは適当に流すしかなかった。


「ふむ……佐倉か。

……開国か? 討幕か?」


虎太郎の目が鋭くなる。

普通なら聞きにくい政治的な思想の話を、唐突に問いかけてきた。


――いやな質問だった。


幕末の日本では、この思想の違いが戦争にまで発展したほどだ。

今の優人にとっては、正直どうでもいいことだが、虎太郎が本当に幕末の侍なら、この問いは敵味方を見極める判断材料になる。


しかも、土佐藩は状況によって主義を変えたことでも有名で、どちらに合わせるのが正解か分かりづらい。


そこで優人は、最初に虎太郎が名乗った“薩摩”に話を合わせることにした。


「俺は開国派だな。……あんたは?」


「俺は……」

虎太郎が言葉を詰まらせる。


その様子で、優人は彼の正体にある程度見当がついた。


「土佐勤王党だな。……なぜ薩摩の剣を使う?」


その問いに、虎太郎の表情がピクリと動く。


「……わしは、土佐の下級郷士じゃ。

剣の修行で薩摩へ出かけているうちに、薩摩藩の仕事を手伝うことになったんじゃ。

その仕事が……長州討伐じゃった。

けんど、長州は土佐勤王党とつながっちょる。

どうしたらええかわからんなって、京で逃げようと思うたんじゃ。

そしたら……気づけばここにおった。

……土佐勤王党は、どうなったがじゃ!?」


虎太郎の説明を聞いても、優人の中にはどうしても腑に落ちない部分があった。


まず、剣術修行で他藩に行くには、藩主の許可が必要だ。

しかも、当時の土佐藩主・山内容堂は、薩摩を毛嫌いしていたはず。

そんな相手に下級郷士を修行に出すとは考えにくい。


さらに土佐藩では、「郷士は侍にあらず」と揶揄されるほど差別があった。

そんな扱いの者が、他藩の軍事任務に参加するなど、まずあり得ない。


つまり、虎太郎の話は明らかに矛盾している。

おそらく、彼の言葉で真実なのは――「土佐勤王党にいた」ということだけだろう。


優人は、あえて史実をそのまま伝えることにした。


「……解散したよ。

竹内瑞山は切腹を命じられた」


「なんじゃと!? 切腹!? なぜじゃ!?

先生は土佐のためにやったがじゃ!!

誰が、誰が切腹を命じたんじゃ!?」


虎太郎が優人に詰め寄ってくる。


その激しい反応からも、彼が本当に土佐勤王党にいたことは間違いないと確信できた。


土佐勤王党の党首・竹内瑞山は、白札郷士のまとめ役であり、土佐藩の下級士族から絶大な信頼を集めていた人物だ。

彼のおかげで差別されていた郷士たちの待遇は大きく改善された。

そのため、彼を「先生」と慕う者も多かった。


「……お殿さんだよ。

岡田以蔵を使って、吉田東洋を討っただろ?

あれで恨みを買ってたんだ」

優人は淡々と答える。


「……そ、そんな……。

わしが、こんなことしとる間に……

くそ……なんでじゃ……なんでじゃ……」


虎太郎は地面に座り込み、震える手で顔を覆った。


この時代、特に土佐藩においては、藩主と下級武士との間に厳しい身分の壁があった。

切腹を命じられた竹内瑞山のような人物は、下級武士にとっては神にも等しい存在だったのだ。


だが、命を奪ったのは、その“神”である藩主自身。

本来であれば恨んでもいいはずだが、土佐の郷士たちは、それすら許されない。

――君主は神聖不可侵であり、恨むなどあり得ないのだ。


「おい……なんなんだ?」

デュークがそっと近づいてきて、優人に小声で問いかけた。


「二百年前の、俺の国の人間だ」

優人も小声で返す。


「二百年前? ……でも、まだ若いよな。

絵里と同じくらいの年に見えるが」


「……タイムトラベルってのも、神隠しにはあるのかな?」

優人が首を傾げる。


「そんな話、聞いたことねぇぞ。

地上界から天上界に来る――それだけだと思ってたが」

デュークが渋い顔で答える。


「ねぇ、大丈夫?」

今度は絵里がやってきた。


「ああ……」

優人がうなずく。


「あれ? お侍さん? 泣いてるの?」

絵里が虎太郎に気づいて小声で尋ねてくる。


「ああ……」と優人。


「ご飯、冷えちゃうから行こうよ。

君も、おいで」

事情を知らない絵里が、虎太郎に優しく声をかける。


「わしは……いらん!」

虎太郎は感情的に言い返した。


だが、それで「はい、そうですか」と素直に引き下がる絵里ではない。


案の定、絵里はずかずかと虎太郎のもとへ歩み寄り、服をぐいっと引っ張って立たせようとする。


「優人さん、こいつが剣を抜いたらぶっ飛ばしてね」


「お、おう……」


絵里は虎太郎をキャンプ地まで引き連れ、保存食を一枚手渡した。


……あれ? さっき「ご飯が冷える」って言ってたような……?

優人は内心で絵里にツッコミを入れる。


「おんしは、男心っちゅうもんを知らんのか?」


保存食を受け取りながら、虎太郎が絵里に絡む。


「なにそれ、おいしいの?」

絵里は涼しい顔で返す。


「知るかーっ!!」

虎太郎が思わず怒鳴る。


「ふーん、じゃあこれはおいしいから食べてみて」

そう言って、絵里は虎太郎の口に保存食をぐいっと詰め込む。


「……お、おう……」


虚勢を張ってはいるが、虎太郎はまだ若い。

絵里相手ではまったく歯が立たず、完全にペースを握られていた。


優人がデュークと目を合わせると、デュークもどこかほのぼのとした顔でその様子を見ていた。


その後、虎太郎は「王都へ向かう途中だった」と語るが、別に用事があるらしく、ここで別れることになった。


夜が明け、優人たちは王都へ向けて旅を再開する。


王都は高い塀に囲まれており、出入り口はひとつしかないという。

もともと海賊のアジトだった場所のため、治安維持のために人の出入りが厳しく制限されていた。

……もっとも、現在も“亜人狩り”を巡る内乱により、治安はかなり悪化しているらしい。


そして、予想通り、入口で一行は呼び止められた。


現れたのは、上半身に美しい鎧をまとい、下半身にはロングスカートのような装備をした女性。

整った顔立ちに潮風に揺れる長い髪。

腰にはショートソードが提げられており、鎧の右胸と剣の柄には同じ紋章が刻まれている。


……ファンタジーの女剣士にしては、露出少なくないか?


などと心の中で軽くセクハラ気味のことを考えながらも、優人は素直に立ち止まった。


「はじめまして。

私はエナ・レンスターと申します。

現在、王都は厳戒態勢を敷いております。

申し訳ありませんが、皆さまのご用向きをお伺いしてもよろしいでしょうか?」


海賊の国の騎士とは思えない、丁寧すぎるほどの言い回しに、優人は少し面食らいながら答える。


「俺は水口優人。

神隠し子で……えーと、用って……なんだろ?

地上界に戻れたらいいな、と思ってます?」


優人の間の抜けた返答に、デューク、ヘストス、絵里――そしてエナまでもが吹き出した。


……くそ、じゃあなんて言えばよかったんだよ!!


優人は内心で愚痴をこぼした。

その後、エナは笑ったことを詫び、彼らを無事に通してくれた。


「……あれが噂のジールド・ルーンの女聖騎士だ」


王都の大通りを歩きながら、デュークが優人に小声で告げた。


「噂の?」

優人が聞き返すと、デュークはゆっくりと説明を始めた。


元々、この国――フォーランドは、国ではなかった。

ジークフリート海賊団という世界的に悪名高い海賊たちの隠れアジトだったのだ。


彼らは世界中をまたにかけ、旅船を襲い、金品の強奪から殺人まで、あらゆる犯罪を犯してきた。

それに業を煮やした世界政府は、ついに討伐令を発令する。


立ち上がったのは、天上界における四国同盟――グリンクス、ジールド・ルーン、エルン、レトナード。

だが、神出鬼没のジークフリート海賊団を相手に、四国同盟はことごとく翻弄され、成果をあげられずにいた。


そんな中、ジールド・ルーンの軍師・エアルがアジトの特定に成功。

その情報をもとに、同じくジールド・ルーンの剣士・シンがジークフリートを討ち取った。


この一件で、アジトがあった大陸は「功績を上げたジールド・ルーンの領土」として四国同盟で決定された。

だが、ジールド・ルーンは「本土から離れた土地には興味がない」としてこれを辞退。


代わりに、ジークフリートの娘にその地の管理を任せ、フォーランドという国が建国された。


もっとも、また同じような犯罪国家になる可能性があったため、ジールド・ルーンの属国という立場にし、

監視役として聖騎士を派遣する体制が整えられた。


――そして、現在派遣されているのが、聖騎士エナ・レンスターである。


「エナは、面倒ごとに自分から首を突っ込むタイプらしい。

そのおかげで、フォーランド建国後の国民評価はうなぎ登りだとか」

デュークが締めくくった。


「そりゃそうだろ。美人で働き者の聖騎士様なんて、そりゃ憧れるよな」

優人が肩をすくめると――


「神聖魔法を使って、怪我人や病人の治療もほぼ無償でやってるらしいぜ」

ヘストスがニヤけ顔で情報を補足してきた。


「剣士なのに魔法も使えるのか? ……元素魔法以外の?」


「この世界で言う“聖騎士”ってのは、神の加護を受けた存在のことだ。

剣の腕も尋常じゃない。……どう戦う?」

デュークが意味深に尋ねる。


「戦わないよ。意味のない戦闘はしない」

優人の即答に、デュークは満足げな笑みを浮かべた。


優人たちは王都の大通り沿いにある、馬車小屋付きの酒場をしばらくの拠点とすることにした。


ヘストスは「ここで一旗挙げる」と言い残し、街の雑踏へと消えていった。


酒場で彼を見送った後、優人たちはカウンターに座り、食事を取りながらマスターに情報を尋ねることにした。


「マスター、何か軽食を三人分、お願いします」


「おう、少々待ってな」

そう言ってマスターは奥の台所へ向かい、すぐに料理を運んできた。


「見ねぇ顔だな。さっき馬車小屋を借りてた一行か?」


「はい。実は“神隠し子”でして。

地上界に戻る方法を探して、旅をしているところなんです」


「神隠し子か……それは大変だな。

よくここまで来られたもんだ。

……今の王都の状況でも聞きたいか?」


「はい。ぜひ、お願いします」


流石は都会の酒場のマスターといったところか。

一言で、相手の意図をしっかり汲んでくれる。


マスターは名前を“ガラント”と名乗った。

この酒場の名前『ヘルガラント』は、彼の名前に由来するという。


元冒険者でもある彼は、各国に仲間を持ち、裏事情にも詳しいらしい。

そのため、かつて入手した武具や貴重なアイテムの販売も行っているという。


そして、ガラントから聞かされた王都の現状は以下の通りだった。


現在、最大の問題はやはり「政府軍と亜人狩り集団との内戦状態」である。

フォーランドには明文化された法律が存在せず、以前は亜人の捕縛と売却は冒険者やハンターにとって当たり前の仕事だった。


しかし、ジールド・ルーンが倫理的観点から「亜人狩りの禁止令」を発令した。

それによって生活手段を奪われたハンターや冒険者たちが団結し、テロ行為に走っているのが今の状況だ。


さらに、フォーランドがジールド・ルーンの属国になってから二十年が経過し、国としての発言力も徐々に高まってきている。

しかし、その一方で、かつて海賊のアジトだったことを活かし、裏ルートによる物資の流通は未だ健在。


結果、現在の闇市は、犯罪国家ルクネークに匹敵するほどの規模と充実ぶりを誇るまでになっていた。

希少品を求めて、外国の要人たちまでもが“お忍び”で訪れるほどなのだという。


ただし、犯罪が多様化しすぎており、騎士団でもすべてに対応しきれなくなっているという小さな問題も抱えているらしい。


「その闇市で、“世界樹の枝”を買いたいのですが……売ってますかね?」


優人は、修理を急いでいる槍の柄についてガラントに相談してみた。


「世界樹の柄は、やめとけ。

確かに硬くて軽いが、加工ができねぇ」

ガラントは顔をしかめながら答える。


「加工ができない?……なぜですか?」


「特殊な魔法を使わねぇと、切ることすらできねぇ。

で、その魔法を使えるやつを俺は一人しか知らねぇ。

魔法大国エルンに住んでる魔法使いさ。

少なくともこの国には一人もいねぇ」


そう言ってガラントは奥の倉庫へと向かい、しばらくして一本の棒を持って戻ってきた。


「これだ。持ってけ」


優人はそれを受け取り、手に取った瞬間、驚きの声を上げた。


「……軽い! そして……よく滑るのに、ピタッと止まる」


握った感覚から、これは理想通りの槍の柄になると感じた。


「それは“メシュール銀”って素材だ。

フォーランドの山岳地帯でしか採れねぇ、特殊な金属だな。

気に入ったなら、くれてやる。俺には使い道がねぇからよ」


「本当ですか!? ありがとうございます!!」


優人は立ち上がって深々と頭を下げた。


「ただし、そいつを加工できるのは、闇市の受付にいる“フーガ”って男くらいだ。

今夜、闇市でそいつに頼んでみな。俺の名前を出せば話が早いはずだ」


「ありがとうございます。助かります」


「私も何か見たい!!」

絵里が、嬉々として声を上げる。


「珍しいものがたくさん出回ってるなんて、楽しみだな」

デュークも思わず口元をほころばせた。


優人たちは、夜を待ちながら――

闇市へと向かう準備を整えていく。

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