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タイトル未定2025/06/28 12:23

最終話 屋敷で暮らそう


シェルが旅を始めて20年後。

5年前にクゥが亡くなったり、それぞれが年齢とともに体が疲れやすくなってきたりなど色々なことがあり

大きな屋敷を買って皆んなで暮らすことになった。







部屋の椅子に座り、書き物をしているフローナにシェルが声を掛けた。


シェル「また小説書いてるのか?」

フローナ「うん」

シェル「今度はどんな話なんだ?」

フローナ「皆んなが旅をする話だよ」

シェル「それってもしかして俺ら?」

フローナ「うん」

シェル「何てタイトル?」

 


フローナは窓の外を眺めて言った。

フローナ「僕らの物語」



ピンポーン。

屋敷のチャイムが鳴る。



シェル「あ、来たな」

フローナ「みたいね」

フローナはノートをパタンと畳むと机の上に置き、シェルと一緒に玄関に向かった。






ガチャ。

シェル「久しぶりだなリト」

フローナ「久しぶりリトく・・・」


リトは会った瞬間、フローナの手をぎゅっと握った。

リト「フローナさん!久しぶりです!パーティー、招いてくれてありがとうございます、また会えて嬉しいです」

シェル「リト!手握るの禁止だって言ってるだろ!」

リト「べーだ!」

フローナ「まぁまぁ、やっと会えたんだから」

シェル「むぅ・・・」


 

水龍「玄関先で賑やかな声がするなと思ったら君は初めて見る子だね」


フローナ「水龍君!フーライさんとユーエンさんも!」

水龍「やぁ、久しぶりフローナちゃん」

フーライ「お久しぶりです」

ユーエン「お久しぶりです」

 


水龍「ところでフローナちゃん、彼氏の前で堂々と浮気するなんて君もなかなか罪な人だね」

フローナ「え?あ、いや、これは・・・」

シェル「だーもう!いつまで手握ってんだリトは!」

シェルがフローナからリトを引き剥がす。


リト「ちっ」

シェル「今ちって言っだろ」

リト「いえ、言ってません」


 

水龍「フローナちゃん、この子は?」

フローナ「リト君だよ」

水龍「どうも、リト君、俺は水龍だ」

リト「どーも」

水龍とリトが握手をするがバチバチと火花が散っている。

 


シェル「あ、そろそろキリュウを起こしてくるか」

フローナ「キリュウ君、まだ木の下で寝てるのかな」

シェル「だと思う・・・お、その必要なくなったな」



メリサ「キリュウ君とコキア君連れて来たよー」

コキア「んー?」

コキアが目をコシコシと掻く。

キリュウ「ふあ・・・何だ、もう朝か?」

フローナ「キリュウ君、今お昼だよ」

キリュウ「ん?そうか」

(まだ寝ぼけている)

メリサ「二人とも庭の木の下で寝てたんだよ」

フローナ「そうだったんですね」


レン「皆さん、ご飯できましたよ」

 

シェル「おー!さんきゅレン!」





屋敷の中に入り、大きなテーブルをみんなで囲む。

人数が多い分いつもより賑やかだ。


水龍「おぉ!凄い豪華だな、レン君一人で作ったの?」

レン「ええ、そうですよ」

フーライ「言って下されば手伝いましたのに」

ユーエン「大変でしたでしょう」

レン「お気遣いありがとうございます、実はフローナさんとメリサさんも手伝いを申し出てくれたのですが

俺が皆さんを驚かせたくてあえて断ったんです」

フーライ「まぁ・・・そうだったんですか」

ユーエン「素晴らしいお心遣いですね」



そのとき、屋敷の外から風の音とプロペラが回る音が聞こえてきた。

メリサ「あ!ローズも来たみたいだね!僕、呼んでくるよ」

シェル「おー、頼むよ」




メリサが玄関を出るとちょうどローズがヘリコプターから降りてくる最中だった。

ローズはタンっと身軽に着地をする。

メリサ「久しぶりローズ」

ローズ「お久しぶりですわねメリサ、ごめんなさい、遅れてしまったかしら」

メリサ「いや、ちょうど今から始まるところだよ」

ローズ「それなら良かったですわ」


メリサ「ハリラ、ベルベル、ケフタも久しぶりだね」

ハリラ「お久しぶりです、メリサ様」

ベルベル「お久しぶりです」

ケフタ「お久しぶりです」

メリサ「もっとリラックスしとくれよ、これからパーティーなんだからさ」

ハリラ「はっ!お心遣い感謝致します」

 

メリサ「もう・・・ま、とにかく皆んな入って!レン君が飛び切り美味しいご飯作ってくれたからさ」

ローズ「ありがたく頂きますわ」




 

シェル「よし!皆んな揃ったな!

まずは集まってくれてありがとう!皆んな元気そうで良かった、じゃあ乾杯しよう」


「「乾杯〜!!」」


皆んなの乾杯の声とともにグラスの鳴る音が聞こえる。




水龍「しっかし、まさか屋敷に住むことになったとはねぇ・・・あの自由奔放で旅好きのシェル君がさ」

シェル「まぁな、充分旅は楽しんだし、俺は皆んなといられればそれでいいんだ」

水龍「へぇ、人は変わるもんだね」

シェル「まぁな」




リト「そう言えばフローナさん」

フローナ「なーに?」

リト「フローナさんって何か書き物してます?」

フローナ「え、何で分かったの?」

リト「さっき手を握った時に気付いたんです、ペンだこができてたのでもしかしたらと思って」

フローナ「うん、そうなの、ちょっと小説書いてて」

リト「え!?凄いですね!フローナさんにはそんな才能まであるんですか!」

フローナ「ないない!ただの老後の趣味だよ!」

リト「老後ってまだ37歳じゃないですか」

フローナ「いやいや、平均寿命が55歳なんだからもう立派な老後だよ」

リト「こんなにお美しいのに?」

フローナ「やだなぁもうリト君ったら」

リト「それはそうと小説見せて下さい!見たい見たい!」

フローナ「でも、まだ書き途中だから・・・」



水龍「なになに、フローナちゃん小説書いてるの?」

フローナ「うん」

シェル「出来上がったやつ見せてもらってるけど、結構凄いぞ」

水龍「さすが俺の妹だね、俺も是非とも読んでみたいなぁ」

リト「え!?水龍さんとフローナさんって兄弟だったんですか!?」

フローナ「血は繋がってないんだけどね」

水龍「血の繋がりなんて些細なことさ」




ローズ「今日はいつにも増して賑やかですわね」

メリサ「うん、何てったって全員集合だからね」

ローズ「メリサ、楽しそうですわね」

メリサ「うん、凄いよね、あの子たちとは20年一緒にいるのに僕は一度も退屈したことがないんだ」

ローズ「あの隊長さんがいたら退屈している暇はありませんものね」

メリサ「ほんと、世話の焼ける人だからね、あの人は」





シェル「なーなーキリュウ、そろそろ一緒に住もうよ」

キリュウ「冗談じゃねえ、お前らと同じ家になんか住めるか」

シェル「フローナがいるから?」

キリュウ「ゲホゲホッ、別にそういうんじゃねー」

シェル「まぁ、お前がどうしても嫌だって言うなら無理強いはしないけどさー、ぶーぶー」

キリュウ「あのなぁ・・・」

リト「え!キリュウさんもフローナさんのこと好きなんですか!?じゃあ僕ら四確関係ですね」

シェル「勝手に決めるな!」





レン「モテる女性は辛いですね」

フローナ「モテるとゆーかあれはチヤホヤしてくれるだけですよ」

レン「本当にそうでしょうか?」

フローナ「え?」

レン「フローナさん、お継ぎしますよ」

フローナ「あ、ありがとうございます??」

レン「ふふ、乾杯」

レンが不敵な笑みを向ける。

フローナ「か、乾杯です・・・ぷしゅ〜」


 

シェル「あ!レン!何俺を差し置いてフローナとイチャついてんだ!」

レン「何言ってんですかあんた」

水龍「レン君はなかなか策士だね」

フローナ「これはそういうんじゃな」

リト「そうですよ!意外と隅に置けない人ですねレンさんって!」


 

フローナ「あーも〜!皆んなまとめてかんぱ〜い!」



こうして時々パーティーに皆んなを招待しつつ、

五人の屋敷での生活はこれからも続いていくのでした。

お終い。


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