戦場の殺人鬼 4
夜が明けると早々に、
イーダが騒ぎ出した。
ドミバレロ伯爵家から
連れて来た
侍女を呼び
深夜、
エンニ王子から
短剣で顔を傷を付けられた
と話した。
それから、あっと言う間に
騒ぎが広がり
ドミバレロ伯爵家の者により
エンニ王子が
婚約者イーダを
短剣で傷付けたことが
王城中に知れ渡たった。
勿論、国王にも報告が入った。
直ぐ事情を確かめるため、
エンニ王子とイーダを
国王の執務室へ来るように
命じた。
しかし国王の執務室に来たのは
イーダだけ
だった。
取り敢えず、まず
イーダの話を
聞くことにした。
顔に必要以上の包帯を巻いた
イーダが
国王に説明した。
「《深夜に寝室へ来い》という
エンニ王子様からの
手紙を受け取り、
深夜に寝室へ行きました。
すると無理やり
ベッドに誘われ
婚約の儀も終えてない身ゆえ
お断りしました。
いきなりエンニ王子は、
短剣の刃で
私を脅し
言うことをきかない
お仕置きとして
顔を傷付けたのです。
私は、怖くなり
急いで
ベッドから
逃げ帰りました。」
そう言って
イーダは涙を流し
国王に訴えた。
イーダを部屋へ帰した後
今度は
自室に篭る
エンニ王子の所へ
話を聞く為に
国王自ら出向いて行った。