15/116
戦場の殺人鬼11
「ここまで聞いて
まだ、
真実を話せませんか
イーダ嬢。」
レント王子が、
イーダに
話しかけた。
「私は、被害者よ。」
「エンニ王子殿下が
婚約者である
私を
冷遇し続けるのが
悪いのよ。」
からだを震わせ、
自分の無実を訴える
イーダ。
「それに、
私は
エンニ王子殿下に
短剣の刃で脅され、
傷付けられたのよ。」
顔を両手で覆い、
下を向く
イーダ。
「分かりました。」
「では、
次の証拠品を
お見せしましょう。」
そう言うと、レント王子は
エンニ王子から借りてきた
短剣を
3人に見せた。
四つ目は、エンニ王子の寝室の短剣。
「この短剣は、
エンニ王子の
寝室にあったものです。」
イーダが、
青ざめた顔で言う。
「その短剣が、
私を傷付けたのよ。」




