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戦場の殺人鬼 7
侍女が2人いたが、
イーダと
二人きりになるのは
危険だと判断した
レント王子は
侍女たちに
そのまま部屋に
居てもらうことにした。
レント王子は、
あの夜の状況を
イーダから
尋ねるふりをして
部屋の中を
ゆっくり見て回った。
化粧台の香水瓶が
目に入った。
多々ある香水瓶を
手に取り
イーダと侍女たちに
不審に思われないよう
注意深く
香水瓶から
香りを探った。
『見つけた。』
例の香りの香水瓶が
イーダの
化粧台にあった。
それから、
レント王子は
話題をさりげなく
《エンニ王子からの手紙》
に移した。
今、手紙の存在の有無を
イーダに聞いた。
もう処分し、手紙はない。
そう
答えが帰ってきた。
『予想通りの言い分だな。』
レント王子は思った。
そして、
イーダに
協力を感謝して、
部屋を後にした。
次は合鍵の件だが、
これは既に
王都警備隊に
調査を依頼しておいた。
レント王子は
報告書を受け取り、
ドミバレロ伯爵家の使用人が
合鍵を作り
イーダに
渡していたことを
知った。




