Episode1 オペラスオーンゲルスカ(女性オペラ歌手)
初めまして。私は1995年生まれの男性です。今は(2025/03/17 20:39:16)。今月、30歳になりました。27歳から「自分の本が世の中にあったらすごいなー」という動機で小説を書きたいと思い、脚本を試行錯誤している間に3年が経っていました。社会に出てから何者かになることが私の夢でした。「提唱者、転生。」を最後まで書き終えて、何者かになれたらと思います。
私は、女性オペラ歌手のような甲高い鶏の鳴き声に起こされた。
――アラームなんてかけて寝なかったのに..それに、私のアラームは犬の鳴き声のはず..
この異常に美しい鶏の鳴き声は何なんだ?そして、なんでこんなに臭いんだ?私は思わず顔をしかめた。強烈な糞尿の臭いが鼻腔を貫く。私は昨日の夜、ちゃんと自分のベッドで眠ったはずだ..
目を開く。すると、目の前にぶら下がるのは――牛の乳。
牛の乳!?
え、いやいやいやいや。状況が理解できない。私は混乱しながら辺りを見回した。暗くて広い空間。耳を澄ませば、牛や羊の鳴き声が聞こえる。
……牧場!?
でも、なんで? どうして私はこんなところで寝ているんだ? いや、それ以前に――
「……え?」
私は起き上がろうとした。しかし、できなかった。力が入らない。手足がやけに短くて動かしづらい。そして、体全体がやけに小さい。
恐る恐る、自分の手を見た。ぷにぷにの小さな指。しっとりとした赤ん坊の肌。
「……赤ん坊になってる?」
理解が追いつかない。ここは何処だ? まさか、生まれ変わった? 転生? いやいや、そんなことあるはず――
これは悪い夢だ。そうに違いない。そう思い、私は再び目を閉じた。目覚めれば、いつもの寝室に戻っているはず。
・・・ - - - ・・・。
だが、どれだけ待っても夢は終わらなかった。吹き抜ける冷たい風が、現実を突きつけるように肌を刺す。
助けを呼ぼうにも声が出なかった。私は頭の中で「誰か助けてくれ」と救いを求めた。そのときだった。突然、頭の中に直接語りかけるような声が響いた。
『キミが、助けてって言ったのかい?』
私は、希望の声の主を目で探した。