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79 団欒と

夕飯は大人数だった。

ライトの家族、リータ父娘、ヨーク、ケリー、オカリナの9人。

寝る前に渡した肉のブロックはタイラーが切っておいてくれたようだ。


ライトもお腹が空いていたので、急いで肉を焼こうとすると、隣に父親が立つ。


料理はいつも母親のエレナがしていたので、父子で料理をするのは初めてかもしれない。


ただ、消費者が多かったので2人でドンドンと肉を焼く。


ライトはフライパンに油を引き、砕いたガニッシュを入れて、色付き始めたらスパイスした肉を乗せる。

裏返して少し焼いたら出来上がり。


数枚焼き上げて余裕ができたので、ふと隣に目を移すと、

タイラーの焼き方は熱したフライパンに肉を乗せ塩をふり、焼き色が付いたらひっくり返し、火からおろして余熱で裏を焼きながら焼けた面にガニッシュとリークの微塵切りをのせていた。


見たことのない料理をする父の姿に一瞬目を奪われる。

すると、

「ぼさっとしてないでドンドン焼け!みんな待ってるぞ」


と父から一括が入る。


「そうだね」


ライトはまた肉を焼き始める。


大皿にして4枚。

肉が積みあがっている。


待っている間にティファとヨークが協力して切るだけでできるサラダをテーブルで作ってくれていた。

葉野菜とトメーの色どりサラダが付け合わせに丁度いい。


女性陣が椅子に座り、男たちは立食。


タイラーが目を閉じ手を組む。


皆が自然とそれを真似て目を閉じる。


「・・・感謝します。よし食べよう!」


そうしてライト家の肉祭りが始まった。


「おいし~い、これ何のお肉?」

ティファがライトに尋ねる。


「それは赤いサイクロプスの腿肉」

「「「ぶっ」」」

大人の数人が吹き出した。


「じゃあ、こっちのは?」

「ミノタウロスのヒレ肉だよ」

「そ、これも美味しいね」

ティファは素直な感想を口にするが、

「たしか、ラルシーカの最下層・・・踏破したって言ってたわね」

エレナが口ずさむように言う。


「うちの子たちより美味しいなぁ・・・」

「でも、子豚ちゃんたち、可愛かったヨ」

「ありがとう、ヨー姉、でももっと美味しくしたいなぁ~」

ティファはそう言いながら肉にかぶりつく。


「餌を工夫してみると良い」

オカリナが赤い瞳でティファを見ながら教えてくれる。


「餌?」

ティファが水色の瞳で見つめ返すと

「うむ、家畜の味は餌で決まる」

「そうなんだ、やってみます。ありがとう!」

「良き子だ」

そう言ってオカリナがティファの頭を撫でる。


「誰が赤いサイクロプスを倒したんだ?」

アルマンドの質問にライトが答える。

「・・・みんなで」

ただ、メンバーの視線は赤くなったヨークに注がれ、

肉に強めにフォークが付きたてられた。


大人たちは何かを察する。


流れでラルシーカのダンジョンのボス戦の話をみんなでする。


「お兄ちゃん、何にもしてないじゃん!」

「そうなんだよ」

「弱~い!」


兄妹の会話に割り込むように

「それは違うわ、ティファ

ライトに倒される前にってみんな、必死になって戦っていたのよ」

リータが諭すように言う。

「ダンジョンの6階から10階の敵はライトがほとんど1人でやっつけちゃったんだヨ」

ヨークも追随する。

「え!それって何匹くらい?」

「4~500はいたと思うヨ」

「魔法の練習してただけだよ」


「「「「ぶっ!!」」」」

大人が全員吹き出していた。


「主は1人で倒せたらD級と言われるオークを何頭でも同時に倒せる、それも上位種でも楽に

そして、C級の自分よりも全然強い」

ケリーはそう言って自分のC級と記されたギルドカードをみんなに見せる。


「お兄ちゃん、すごい!」

「うん、ライトは凄いヨ」


タイラーとエレナが顔を見合わせている。

ライトは皿を置いて2人の前に歩み寄り、改めて両親の目を見る。


「師匠との約束で冒険者になるまでは内緒にしていたんだけど、

ムーに初めて会った日にサンダーボルトっていう魔法を貰った

それから森に行くたびに魔法の練習ばかりしていたんだ」


そこまで言うとリータが隣に並んでいた。


「シオユデのお母さんのデカブツを倒したのはライトのサンダーボルトよ

ライトが倒していなかったら私は多分、死んでいたわ」


「リータは僕に協力してくれていただけ、

父さん、母さん、内緒にしていてごめんなさい」


深々とライトは頭を下げる。


両親は黙ってその様子を見ているが


やがて、タイラーがフーっと息を吐き

「知ってたよ、アルから聞いてな」


今度はライトとリータが口を開けたまま顔を見合わせる。


「あれだけ派手に音を立てていればわからない狩人はいない」

アルマンドが両手を広げおどけて見せる。


「娘を助けてくれてありがとう、ライト・・・やっと言えたぜ」

アルマンドがライトの両肩を掴みながらそう言った。


ライトは首をフルフルと振りながら

「リータが自分を犠牲にして僕を助けようとしてくれたから、僕は必死で・・・」

「魔法でデカブツを倒したのよね」

今度はリータが両手を広げおどけて見せた。


それを見てアルマンドが笑いだし、皆も緊張がほぐれたのか笑い出した。


「それで、娘の好きにさせてやったんだが、お前さんはどうにも・・・」

そう言ってアルマンドがヨークやケリーの方に視線を送る。


「全くよ」

リータが顔を背けて腕を組む。


「お兄ちゃんのスケベ!」

ティファがライトを指さしながら言い。


「違うよ!僕は女を守れって言う、父さんの言葉に従って」

そう言って今度はライトが父親を指さす。


「ライト!そういうとこだヨ!」

「まあ、主だしな」

そう言う2人も笑顔だ。



ガヂャ


フォークが床に落ち、音の方に皆の視線が向く



そこにはお腹を押さえ、うずくまるエレナの姿があった。

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