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77 父と娘
「伴侶はどうされた?」
「娘が産まれた時に・・・難産でな」
「そうか」
オカリナはカップを手に取り、お茶の匂いを嗅ぎ、口に含む。
「娘はそのことでどこか自分を責めるところがある」
「故にか・・・我から見れば、人は生き急ぎ、死に急ぐが、アルマンド殿の娘はそれが段上かもしれん」
「そう思って冒険に出したが、腕前はまだしも内はまだまだ子供だ」
2人が走り去ったあと、リータの家に入り、帰りを待つ間、アルマンドがお茶を出していた。
「人の子は成長も早い、次会う時は孫がいるかもしれんぞ」
「それも・・・・あるな」
そう言えばリーファも生き急いでいた・・・
言葉に出さない追憶がアルマンドの口元をほころばせる。
大きな木の下で、
「ライト・・・」
「うん?」
「お父さん・・・」
「うん」
「寂しいよね・・・」
「わからない」
「何よ!少しは考えなさいよ」
「ごめん」
「お父さん・・・」
「一つだけわかる」
「何?」
「リータがいる」
「・・・・・・・・ライトのくせに生意気よ!」
「なんで~!」
「帰ろ!」
リータはライトの手を引いて来た道を戻るように駆け出した。




