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71 オカリナとポポ

「マンティコアー!」

ライトが叫び声をあげて近づいていく。


「ガァ、ガァ」

マンティコアは口を大きく開けて威嚇の意を示すがライトは無遠慮に近づいて行き、マンティコアの周囲を回りながら色々確認している。


肩口に矢が3本、背中に2本、右後ろ脚の付け根に槍の刺し傷、右の羽の飛膜もボロボロに傷ついている。

「ひどい怪我」


「ポポは魔獣だ、体の傷は大したことは無い

ただ、国境を越える時に羽がやられてしまってな、無理してここまで飛んでくれたのだが・・・」

オカリナがケリーに降ろしてもらい、ポポの首筋を撫でるとポポは嬉しそうに目を閉じている。

「オカリナさんはどこに向かっていたの?」

ヨークの問に

「我はこの国の王都、王に謁見するために来た」

オカリナが応える。

「王様に謁見!大丈夫なの?」

「危険は百も承知。だが、いかねばならない」


「水と餌をあげてもいい?」

ライトがポポの顔の前でオカリナに聞く

「ああ、ライト、ありがとう」

ライトはマジックバックから桶を出してポポの鼻面に置き、魔法で水を出す。

「わたしは矢傷を治療するわ」

「じゃあ、私は刺し傷を治すヨ」

リータとヨークも動き出す。

ケリーはライトの餌やりを手伝うようだ。


「感謝する、人の子らよ」

オカリナは目を閉じ両手は開いたまま親指以外の指の第1,2関節を曲げ右手の上に左手を置くポーズをする。


「良い鏃だわ」

それでも矢は外皮を抜けたものは1本だけだった。

「こっちの傷も大丈夫そうだヨ」

ヨークのヒールの効果がでたようだ。


喉が渇いていたのか、ポポは桶から大きな舌でガブガブと水を巻き上げるように飲んでいる。

「ポポは何が好き?」

「何でもよく食べるが特にキノコ類が好きだな」

「それなら・・・・」

ライトはそう言ってマジックバック内に死蔵していたアカマット村で採ったキノコ達を桶に並べていく。

その中のキノコにオカリナが反応する。

「人の子よそれは!」

ライトはおもむろに桶に並べていたが、オカリナが急いで拾い上げ、ポポの目もそのキノコを追っている。

赤魔茸とマジックプルチーニ茸。

ムーが探していたキノコ達だ。

「ライト、このキノコはどこで得たのだ?」

「アカマットの森だよ」

「これがあらば我らの秘薬が作れる」

「ひゃ!それってエルフの飲み薬?」

「ヨーク、博識だの、いかにもその通りだ」

「エルフの飲み薬って?」

「伝説の万病に効く薬って言われてるヨ・・・・・1本・・・き、金貨10万枚以上だヨ~~!」

「だからムーが探してたのか~まだあるからポポに食べさせてあげてもいい?」

「え、餌ぁ~~~!」

ヨークが変な恰好で両手を上げている。

「ポポは賢いからその価値を理解しているが・・・羽の回復にはいいかもしれないな」

「じゃあ、一株ずつね」

そう言ってマジックバックから赤魔茸とマジックプルチーニ茸を一株出して山積みのキノコの上に乗せる。

ポポは待ての姿勢でオカリナの顔色を窺っている。

「良いぞポポ、頂きなさい」

その言葉を待ってましたとばかりに桶に顔を突っ込みガツガツとキノコ達を食べている。

ヨークはその姿を見てその場にへたり込んで、

「ハァ・・ハァ・・・し、心臓によくないヨ」

独り言ちていた。


その後、ライトはポポに肉のブロックとチジャクなどのフルーツを与えてポポのご飯は終了となった。

ポポは満足そうに前足を舐め、顔を洗って毛繕いをしている。


ライトもそれを嬉しそうに見ている。


その姿を見てオカリナが心配になり、ライトに声を掛ける。

「ライト、もし我が悪のエルフだったらどうするのだ?」

「悪いエルフっているの?」

「ああ、いるな、仲間を売り我欲に走る輩が」

「そしたら、その時考えるよ」

「ヨーク、ライトは無垢過ぎるのではないか?」

「そうなんだヨ、良いとこでもあり、心配なとこなんだヨ」

「ライトには其方が必要だな」

ヨークはボッと赤くなり、

「最近、よく言われるヨ。大事なのはお互いの成長なんだけど・・・」

「ああ、成長は必要だが変わって欲しくないものだ。

現実を知るほどにライトは傷つく、その時は一緒にいてやって欲しい」

オカリナもマルディローズと同じことを言う。

その言葉が深いものとなってヨークの心に刻まれる。

自分の知らない現実はヨークにもわからない。

ただ、ライトが冒険をし、成長するにつれて必ず直面するのだと年長者たちは言っているのだろう。

すでにいくつかの場面に遭遇している。

この先も何回もその場面があるのだろう。

その時には・・・いや、違う。

常に傍に、隣にいたい。



「ライト達はどうするのだ?」

「この先のアカマット村に帰る途中なんです」

ライト達は普段は冒険者をしていて、今は帰省途中だということを説明する。

「オカリナはどうするの?」

「我は王都に向かいたいのだが、ポポを連れて行くのは難しい」

「一緒に行こう」

ライトが提案する。


アカマット村まで一緒に行き、アカマットの森でポポに休養してもらい、

村での滞在を終えたらみんなで王都リンカーまで一緒に行く。


「エルフの一人旅よりも安全だよ」

「我は助かるが・・・」

「やっぱり増えたヨ」「主だしな」「わかってたわ」


こうして女エルフのオカリナがしばらくDKに同行することになった。

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