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63 ラルシーカのダンジョン12階

ヨークの左目に映っていたのは、光。


目の前のライトの胸が光輝いている。


更に、凝視すると、ライトの頭の上に名前と赤いゲージが見えた。


周りを見回すとリータやケリーの胸も光っていたが、ライトほどの輝きではなかった。


「凄い!魔力が見えるヨ」

ヨークが驚いて、辺りをキョロキョロしている。


「あ、トゥトがいるヨ」

そう言ってヨークは近くの木を指さす。


木に寄りかかるようにしてハインディングしていたトゥトの魔力が見えたようだ。

魔力の色が黒っぽいのは闇魔法が得意だからだろうか・・・


「魔力鑑定だな」

トゥトが姿を現し、教えてくれる。


「あと、名前が見えるみたいだヨ」

「簡易鑑定も付いてるのかもな」

「ライト、これ、私が付けてていいの?」

「ヨークがいいよ」

ライトが頷き。

「そだね」

ヨークも周りの面々を見て頷き返す。





ラルシーカのダンジョン12階の山岳地帯の森の中でリータの翠色の目は空中を見ている。


「いるわ」

リータが呟く、仲間に伝えるためではなく、自分に言う確認のような呟き。

と同時に右手を上げて、後方のパーティーに異常ありのサインを出す。


2列目のケリーとナーラが得物を構え、警戒態勢を取る。


「ギギー」


「ギギー」


「ギギー」


山びこのように響くそれは一瞬、鳥の鳴き声に聞こえるが、

リータの警戒心が早鐘を打つ。


「発見された!こちらからは視認できず、敵は5~8、距離80~!」

リータの叫び声がパーティー全体に行き届く、その声色には危険な感じが孕んでいる。


今までの戦いはほとんどリータが先に発見して、機先を制することができ、余裕を持って戦うことができたが、今回は敵に先手を取られている。


「多分、手長ザルだず!動きがはえぇー!」

ナーラが予想を共有する。


「8体、ゴルサコルだヨ、右2」

ヨークが名前を言い、場所を特定すし、MM(マジックミサイル)の詠唱を始める。


鳥ではない空中の敵と戦うのは初めてなので、前衛組の動きが難しい。


「ケリーとナーラは僕たちの近くへ、リータは無理しないで!」


「了解、主」「オゲ」「わかったわ、任せて!」


ライトからはまだゴルサコルが視認できない。

ヨークの詠唱が終わり、MMが2発放たれる。


白い光の玉が木々の間を抜け、凄い勢いで葉で見えない先のモンスターに迫る。


「ギーィィ」「ギィギアー」


2体のゴルサコルが悲鳴を上げて落下してくる。


「ケリー、止めを」「承知!」

ケリーが既に落下地点に向け駆けている。


「次、右2」

ヨークがそう言って次の詠唱を始める。


「そこーぉ!」

リータの怒声と共に矢が放たれる。

振るえた枝の少し上を狙うように放たれた矢が葉っぱの茂る先に消えていく。


「ギギギッ」


悲鳴が聞こえてから少ししてゴルサコルが落ちてくる。


「オデがいぐ」

指示の前にナーラが走っていた。


落ちてきたゴルサコルを追うようにもう一頭が木から降りてくる。

既に、リータの弓に矢が番えられ、狙いを定めている。


「・・・我が敵を撃てMM」

ヨークの2度目の詠唱が終わり、MMが2発放たれる。


先ほどよりも奥の木々に向かいMMが飛ぶ。


先の2体を片付けたケリーがMMを追うように動く。


シュッ


リータの弓から矢が放たれ、落ちたゴルサコルの近くにいたもう一頭の頭部に矢が刺さる。


それに気を取られた落ちたコルサコフの頭にバトルアックスが振り下ろされる。

頭の左半分が吹き飛び、脳漿が飛び散るがすぐに魔石に変わる。


走るケリーの先に2頭のコルサコフが落ちてくるが、止めを刺す必要もない。


4発のMMは全て、コルサコフの胸の中心を捉えていた。


「キキキーッ」

鳴き声が遠ざかる。


「2頭は逃げたみたいだヨ」

ヨークが肩の力を抜き、戦いが終わったことを告げる。


「ヨーク、凄い!」

「ああ、奥方が大活躍だな」

「魔力を目掛けて撃つと外れないんだヨ」

「手長ザルは難敵だず」

「そうね、姿を現さないのがやっかいよね」

「僕・・・何もしてない」


「普通なら、もっと苦戦するんだがな」

ヨークに見つかってからはハインディングを使わずに離れて付いて来ていたトゥトが近づいて来て言う。

「姿を見せず、立体的に動けるから、遠距離攻撃でも狙いづらい、降りてこなければ剣も意味ないしな」


「普通ならどうするの?」

「逃げる。森の中で戦うのは不利過ぎるからな、逆に森じゃない所で戦闘になれば簡単に倒せる」

「MMがよく当たるんだヨ」

「他の魔法と違ってMMは魔力に向かって飛ぶからな、魔力を狙うと仕損じない魔法なんだ」

普通、魔法は矢と同じで狙った場所に飛ぶ。


トゥトが色々と教えてくれる。


「じゃあ、この眼鏡はMMと相性がいいんだね、戦う武器が増えて嬉しいヨ」



冒険するごとに、戦うごとに、どんどん強くなっていくDKをトゥトが懐かしそうに眺めていた。

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