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49 4人目

「私、少しだけ強くなったわ」

ライトが目をパチクリしている。

「まだまだ、ライトにはかなわないけど」

「リータは強いよ」

「と、隣村にゴブリンが出たけど、油断して怪我したわ・・・

26匹討伐したけど」

「凄いヨ」「やるなぁ」

ヨークとケリーは賞賛するが、

「・・・・怪我?」

ライトは別の反応をする。

「これよ」

リータはスカートの左側を少しめくって太腿の傷を見せる。


傷はリータの父によって縫われ塞がってはいるが、傷跡を残している。

ライトは躊躇うことなくリータの太腿に手を伸ばして傷周辺に触れる。

「ちょ・・・」

リータが声を上げるがライトはお構いなしに傷の左右に手を置いて魔力を流す。


「ん・・・」

リータの口から声が漏れるが

「ちょっと魔力が流れづらいな・・・」

などとライトは言いつつ魔力の量を増やす。

「んんぅ・・・」

リータの口から漏れる声の量も増す。


ドゴッ

ヨークのメイスが無防備なライトの頭に落ちる。


ライトは頭を押さえながらヨークの方を見るが

「ヨーク?」

ヨークの攻撃の意味が解らない。

「ライト、場所を考えヨ、ね」

ヨークがライトの顔の至近距離で満面の笑顔でゆっくり言い聞かせるように言う。


「ハァー、ありがとう」

リータは一息つきヨークの目を見て言う。


「ライトは相変わらずね・・・

その時に隣村のメントに結婚を申し込まれたわ」

ヨークが頬をケリーが口を手で押さえている。

ライトはまたもキョトンとしている。

「・・・断ったけどね」

「なんで?」

「ライト!」「主!」

右肩をヨークに左肩をケリーに叩かれ、ライトはテーブルに頭を叩きつけられる。


リータは両手を広げ掌を上に向けて

「逆に安心するわ、こっちだけ緊張してバカみたい。

ライト、わたしもパーティーに入れなさい!」

「ええええー」



ライトがその辺の機微に疎いのはリータの影響が大きいのかもしれない、

そして、一度できた関係性はなかなか変わらない。

リータはライトと離れたことでわかったことがあるが、ライトにはまだ少し時間がかかるようだった。



結局、トマテ亭の4人部屋にみんなで泊まることになり、狭い部屋のベットを一つ、大きい部屋に運んでライトが狭い部屋に1人で寝ることとなる。


そして、もちろん、大きい部屋ではライトについてのガールズトークが大いに話し合われることになった。


3人が順番にライトに好意を寄せるきっかけになったエピソードを少し恥ずかしそうに語っていく。

「はぁー、女たらしね」

「本人に自覚がないんだヨ」

「主は強いからな」

本人は女を守ることに強い意志があるから自然なことなのだが、

女性のことはあまりわかっていないところが3人の心配の種であった。

ただ、ライトを好きなこととライトを支え一緒にいたいことが共有できたことである種の連帯感が生まれなんとなく協力体制を取ることとなった。



ライトは翌朝、目覚めると、女性陣はまだ寝ていたので、1階の裏庭に行き、井戸で水を汲んで顔を洗い上半身を拭いて身なりを整える。

薄暗い冬の早朝なので水は身体を刺すように冷たいが目が覚めてしゃっきりする。

良くなかった体調からも立ち直り、久々の良い朝であった。


井戸の周辺では他の冒険者や商人たちの中にも早く行動を開始している人たちがいる。

冒険者ともなれば男女関係なく、井戸のすぐ傍で全裸になり頭から水を浴びている人たちもいるが

周囲には一応、低い柵や生垣なのが配置してあり、

通常は桶に水を汲んで半プライベートスペースで行水などをしていた。


「「「おはよう、ライト(主)」」」

ライトが動いたことでどうやら3人も目が覚めたようだった。

「おはよう」


ヨークはちゃんと目覚めていそうだったが、後の2人、特にリータはまだ眠そうだった。

村でもガールズトークをする機会はあったが昨夜はライトの話題が中心だったのでテンションが上がってしまって寝不足だったのは仕方がない。


井戸ではヨークは少し恥ずかしそうに、全裸冒険者たちの合間を縫うようにして水を桶に汲んで人気のない方へ移動していくが、

後の二人は全裸でザバザバと水を被り、さっさと布で拭いている。

ライトはなるべく見ないように心掛けているが目が勝手にそっちの方を向いてしまう。


ライトは身支度が終わり、部屋に戻ろうとしたところ、さっさと身体を拭き終わった2人がヨークの方に近づいていって面白がって体に巻いてある布を引っ張っていた。

ヨークが必死に抵抗しているときに一瞬、ライトと目が合う。

その瞬間に布が剝ぎ取られて・・・・

ライトはなるべく見ないようにその場を離れた。


街育ちのヨークにはちょっと慣れない文化なのかもしれない。

後で2人は凄い剣幕のヨークにメイスで殴られていた。




今日はギルドでリータの登録と森で簡単なクエストを受けがてら、リータの実力を見せてもらうことになっていた。

リータは傷が治る間も矢を射ることだけは欠かさず行っていたので、前の弓よりも強いこないだ手に入れた新しい弓も充分に使いこなしていた。


冬の森は広葉樹が葉を落とし見通しが良くなっている分、獲物の活動も低下する。

「アカマットの森よりも薄いわね」

リータの所感である。

そう言いつつも、放たれた矢は全てホーンラビットに命中している。


ホーンラビットは繫殖力が旺盛で天敵もいない森では一年中良く見かける。

リータは午前中だけで10羽以上仕留めていた。

特筆すべきはリータは誰よりも早くホーンラビットを発見し麦粒のようなそれを射抜いて見せる。

そう、目の魔力による強化はリータが5年間磨き続けていた。


「ちょっと対人戦もしたいわね」

リータには対人戦の経験がない。しかし、ライト達がよく対人戦の訓練をしていると聞いたので興味があったようだ。

森で事故らないように身体強化のウォーミングアップ的な鬼ごっこをやったところ、リータはライトと互角以上の動きを見せた。

元々、基礎の身体能力はリータの方がライトよりかなり高いので身体強化の差が一番少ないリータとならばその結果も当然なのかもしれない。


「やっぱり、リータ、強いよ」

「うん、強いヨ」「わた、わたしは・・・」

ケリーが鬼ごっこは惨敗なのはしかたがない。


実戦形式をとって見てもリータの実力は高かった。

リータ曰く

ライトが倒したデカブツよりも大きい獲物を一人で倒せるようになることを目標に

走りながら矢を放って目に当てる練習や

身体強化を使い猪の突進を飛び越えて脳天や首を空中で狙い撃つ練習をしていたとか。

なので横薙ぎを後ろに躱したり、飛び越えて頭や首を狙い撃つ即死性の高い攻撃は脅威だった。

遠近問わず高い命中率の弓矢と使われることは無かったが腰に下げている手斧とナイフで戦ったとしてもケリーやヨークでは歯が立たないのはすぐにわかった。


5年以上前からライトに心身ともに誰よりも影響を受けていたのはリータなのだから、

ライトに負けじとライトを追い続けてきた実力はここに証明される。


こうしてリータは堂々とDKの4人目となったのだった。

ぽよんぐらんぷり

サイファ>ケリー≧シェーン>>リータ>>>>>ヨーク

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