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43 ダンジョンアタック

「3人いれば大丈夫だろ」

トゥトのそのあっけない一言でコルフェのダンジョンに3人で行くことが決定した。


3人とはもちろんDK(デストロイヤーキリング)ライト、ヨーク、ケリーのことである。


「ダンジョンボスは自由に戦っていい。あと、おら、ポーションだけ持ってけ!」

投げやり感のあるトゥトの言葉だがライトは快く返事をする。

「わかりました」


3人は前の事件から解決まで、4,5日、動けない日があったので、その間に連携と身体強化なしの修練と夜は魔力循環をして過ごした。

その数日だけでも、3人の動きが各段によくなり、冒頭のトゥトの言葉へと繋がった。


トゥト曰く

「嬢が吹矢のキノコ系の麻痺毒があまり効かなかったのはライトの魔力循環を受けてたから痺れに対し抗力があったからかも、その分、酩酊状態に近い感覚があったのかもしれない」

とのこと


そして・・・ヨークにだけは、あんまり酒は飲ませるな・・・。

とアドバイスをくれた。



乗合馬車でコルフェの村まで2日、村の宿屋で1泊して翌朝からダンジョンアタックするも、

近接戦闘だけで身体強化も使わずに地下8階の部屋の前までたどり着いた。


途中、ダンジョン結合していた洞窟はすっかり石壁、石畳が敷き詰められダンジョンに取り込まれているようだった。

一応、前回ホブゴブリンが居た場所まで探索したが、弱いゴブリンがいただけだった。



「じゃあ、開けるよ」

ライトの言葉にヨークとケリーが頷く。


重そうな石扉は意外なほど軽い力で開き、中には大型のコボルトが3匹いただけだった。


戦いの最中、ケリーが

「これだったら、ウチのパーティーでも・・・」

そこまで言って自分よりやや小さいコボルトをトゥーハンデッドソードで切り捨てた。


ライトは身体強化を使わず近接戦闘で戦い、躱すことを前提として、どうしても躱せない攻撃は盾でも剣でも角度を付けて受け流す戦い方をした。


ヨークは相手の攻撃を躱す時だけ身体強化を使い振り終わりを一撃で仕留める戦闘スタイルを磨いていた。


「奥方の戦い方、えぐい」

「そうかな、身体強化を使わないと、まだうまく決まらないヨ」

「私、得物が長いから振り終わり狙われるとキツイんだよ」

2人の戦い方に比べ、ライトの戦い方が決着に時間がかかるので、2人が見学しながら喋っている。

「ライトの戦い方は?」

「主は魔法を使えば言わずもがな、身体強化使えば、かすらせることもなく圧勝できるのにわざと相手の間合いで身を削るような戦いをしている。

トゥトの教えを守って近接戦闘の実戦経験をきちんと積んでる」


ライトの横薙ぎがコボルトの膝頭に入り、動きが止まる。

コボルトの最後の攻撃を躱し踏み込んで袈裟切りでとどめを刺す。


パチパチパチパチ

2人の女性がライトの勝利を讃えてくれる。


ライトは手を上げて応え、魔石を回収する。

すると、奥の台座のような場所に宝箱と魔法陣が出現した。


「宝箱だヨ、ライト!」

指を刺し、魔法陣には目もくれずヨークが宝箱に駆け寄る。

「ヨーク、宝箱好きだね」

「うん、なんか心がときめくヨ」

宝箱の近くまで来ると、前回のものよりも大きいことがわかった。

「大きいヨ、これ」

ヨークが喜びの声を上げる。


「ヨーク、開けてみる?」

「いいの?開ける開ける!」

そう言ってすぐにヨークが宝箱を開けた。

中には銀貨が数枚と小指の先ほどの小さい石が3個入っていた。


石の色は薄水色と藍色と紅紫色で3人の瞳の色を表している。

「綺麗・・・」

ヨークが石を拾って目の前で眺めている。

「これはアイズストーンと言ってダンジョンボス討伐メンバーの瞳の色の石で、これでダンジョン踏破の証明になる」

そうケリーが教えてくれる。


このダンジョンは初級なのでモンスターもE級冒険者で対応できるレベルしか出現しない。


なので魔石も一つ銅貨2~5枚程度の安値なので今回は150個魔石を集めたが実入りは大したことはない。


ただ、ダンジョン踏破の証明があると上位のダンジョンに入りやすくなり、

あと、運が良ければ宝箱やモンスタードロップでアイテムを入手できることもある。


「ダンジョンって、思ったよりも簡単だったヨ」

「クモがいなかったらね」

「もう、ライトは意地悪だヨ」

ヨークのポカポカ攻撃がライトを襲う。

「いや、DK(ウチ)だから半日で踏破できたでど、普通のE級には無理だよ、

もし、1日でダンジョンを2周回したら普通のD級の稼ぎよりも遥かに多い収入になるし」


「そうなんだ、もう一周する?」

「ライトがしたいならわたしはいいヨ」

「わたしも望むところ」

「じゃあ」

そう言ってきた道を戻ろうとするライトにケリーが引き止め

「主、あれを踏むと入り口にもどれるよ」

「なるほど」

そう言ってライトは何事もなかったのかのように魔法陣に踏み入る。

「あ、主!」

ケリーのその声が届く前にライトの姿が消えていた。

「ああ、魔法陣に乗る時・・・」

「手を繋いで分散しないようにするだね」

「流石、奥方!」

「ライトは頼りになるようでそういうところあるヨ」

笑顔でヨークが手を差し出し、ケリーと手を繋ぎ魔法陣に乗る。


一瞬の浮遊感で景色が変わり、入り口のエントランスにいた。

先に出て待っていたライトに

「コラ!ライト、魔法陣は?」

ヨークとケリーが手をつないでいるのを見て

「・・・・あ・・手を繋いで分散を防ぐ」

「だヨ!」

「ごめん」

「うん、次から気を付けて」

そう言ってヨークはライトと手を繋ぐ。

「出てから繋いでも・・・?」

「ライトの為に、練習だヨ」

ヨークが嬉しそうに笑う。


そんな2人を微笑ましく見ながら

「2周目も1周と同様ですか?」

ケリーが問うと

「2周目は身体強化ありでいってみよう」

「いいヨ」

「腕がなるぜ」

ヨークもケリーも武器を振り上げてやる気満々だ。


ダダダダダッ


3人がブーツで石畳を蹴る音が響く。


初見のモンスターがいないので、ほとんどモンスターの攻撃モーションが発生する間もなく、次々となぎ倒されていく。

時間を割かれるのは主に魔石の回収と今回は4層で出現した宝箱の為に足止めをされたくらいである。

ヨークが開けた宝箱の中身は半銀貨とポーションだった。

「ラッキー!」

ケリーが喜びの声を上げた。

ダンジョンのポーションは市販のものよりも高性能で劣化もしづらいので高値で取引されるらしい。


多少のタイムロスがあったものの1周目の半分の時間も掛からず最後の扉の前まで到達した。


「あれ・・・?」

ヨークが扉を見て違和感を覚えるも

「じゃあ、開けるねー」

とライトは先ほどと同じように扉を押し開く。


「ガァァーー」

出会いがしらに威嚇の咆哮が響き渡る。

モンスターはコボルトだが数と質が違う。


「主!」

ケリーがそう言ってトゥーハンデッドソードを構え、敵との間合いを詰める。

「ケリーは前衛で防御主体、ヨークは後衛で魔法援護!」

「おう!」「了解」

ライトは指示を出し、2人が反応する。

指示を出し終えたライトは状況を確認する。


吠えたのは他の個体よりも2~3周り大きいコボルトで、他に先ほどのコボルトが5体、取り巻いている。


ライトは右手で右端のコボルトを指さし、左手を伸ばし詠唱する。

「穿て、サンダーボルト」


ヨークはライトの指さす意味を理解し

「ザィイ ローフ スィファ・・・・・・・・我が敵を打て マジックミサイル」

マジックミサイルをフルで詠唱すると体内の魔力が引き出されメイスの先から射出される。


ライトの左手から4筋の光が伸び、3本がケリーの頭を越え、1本がケリーの右側を巻くようにカーブしながらコボルトに突き刺さり、胸や頭を貫く。


ヨークが放ったMMは白い楕円の球体となって一番右のコボルトの首の左側に着弾して弾け飛ぶ。

コボルトの左肩周辺がえぐれ、崩れ落ちる。


「グガァオォー」

ボスコボルトが怒りの咆哮を放ち自身の身長より長いバトルアックスをケリーに向け横薙ぎに振る。


ケリーは軽く床を蹴り、バックステップでそれを躱す。


バタバタバタ。

取り巻きが倒れ、魔石になっていく。


「ケリーどう?」

ライトがケリーに問いかける。

「遅い」

ケリーはそれだけ答え、2振り目の横薙ぎをギリギリで躱し、

その腕に身体強化を使ってトゥーハンデッドソードを振り下ろす。


ガギン

振り下ろされたトゥーハンデッドソードが石畳を叩き、火花を散らす。


ボスコボルトの両手首がバトルアックスを掴んだまま宙に舞う。


「ガガァー」


「うっさい!」

床から跳ね返るようにケリーのトゥーハンデッドソードが左上に向かって切り上げられる。


その軌道上にあったボスコボルトの首が跳ね飛ばされる。


パチパチパチパチ


ライトとヨークが手を叩いてケリーを賞賛する。


ケリーは少し恥ずかしそうに剣を掲げそれに応える。


ボスコボルトが消え大き目の魔石に変わってもバトルアックスは消えずに残っていた。



そして、台座には宝箱と魔法陣が2か所出現していた。

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