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35 借金奴隷ケリー

(あるじ)!」

「まだ契約してないヨ」

「奥方!」

「そ、それもまだだヨ」

白い顔を赤くしてことごとくヨークが否定する。


「そうでしたか、失礼しました」

ケリーが頭を下げる。


「自己紹介でもしたらどうだ?」


「わかりました。トゥト殿

自分はダイナアサルトのリーダーをしていたケリーと申します

この度はパーティーメンバーの命を救っていただきありがとうございます

自分はD級冒険者のファイターで得物はトゥーハンデッドソードです

これからはライト様を主とし契約奴隷として勤しんでいく所存であります」



(((声がでかい)))

3人ともそう思った。


「なんでライトの奴隷を希望したの?」


「ハ!恐怖と混乱のどん底の自分を一発で目を覚まさせ

自分に恐怖を植え付けたボスを一撃で撃破した戦闘力

穢れた自分たちを一瞬で綺麗な出で立ちに戻していただいた魔法

装備や金銭も無償で返却してくれようとなさる心根

借金の利子も2倍まで掛けられるところ無利子でよろしいとのこと

心も体も金銭的にも救われました

奴隷契約をするならライト様以外いないと思っております」


「トゥトは?」

「ハ!トゥト殿の戦闘も見事でしたが元々お2人の付き添いで

ライト様がおられなかったらとっとと退却したそうであります

ライト様は困った女性を助ける性分であるからそれを手伝っただけだそうであります」


「・・・」

ヨークはあんぐり口を開けている。


「僕はそんなに大したことしてないけどなぁ」


「そんなことはありません!

ライト様がお助けくださらなかったら、この命とうに散らしたか

もしくは生き地獄を味わい続けていました」


「まあ、そういう訳でライト、諦めて契約しろ

順調なら1年もかからずに借金完済できるだろう」


「自分といたしましては一生涯、ライト様を主とし

着き従わせて頂く所存であります」

「それはダメ!」


「うーん、でもなぁ」


「ライト、何事も経験だ、俺やヨーク以外ともパーティーを組んで初めてわかることもある

ドラゴン倒すんだろ、パーティーぐらいで悩んでてどうする」


「うん、わかった、でも、一つだけ条件があります」


「ハ!ドラゴンですか!いつでも身命を賭して突撃させていただきます」


「違うよ、ドラゴンはまだ先だよ、条件は普通に話てください」


「んなもん、契約してから命令すればいいだろ」

「そんな命令したくないよ、ダイナアサルトの仲間と話すように僕やヨーク、トゥトと話してくれる?」


「わかりました。もとい、わかったよ、ただ、呼び方だけは主と呼ばせてくれ」


「・・・うん、じゃあ契約しよう」


「それじゃあ、呼んでくる」

そう言ってトゥトが部屋を出ていった。



トゥトが戻ってきて一緒に入ってきたのはフェイとギルマスのマルディローズだった。


フェイが羊皮紙に契約魔法を書いてギルマスが立会人をしてくれるそうだ。


「お前と立会人が血判を押したら、余程の人間じゃなきゃ解除や変更はできないからな」

とトゥトが教えてくれた。


今回は借金奴隷なので簡易な契約魔法で行われるらしい、

それでも強制的に解除や変更されるのを防ぐためにギルマスが協力してくれたようだ。

契約書に込められた魔力によって強制力の強度が変わるらしいので

ライトとマルディローズの魔力の同等か越える2人が揃わないとこの契約は破棄できない。


そして、もっと重大な従属や隷属は奴隷商にいかないとできないらしい。


「できたっス」

フェイが契約書を書き終えてギルマスに渡す。


「ん」

サラッと見てライトに渡される。


「これは・・・?」

ライトが妙な一文を指さし顔を上げる、隣からヨークがそれを覗き込む。


「持主ライトが死亡した場合、奴隷ケリーは冒険者ギルドにて生涯隷属契約とする、なにこれ?」

ヨークが声を出して読む。


「普通、ここまで付けないんスけど、本人の希望なんスよ」

フェイが説明してくれた。


「身命を賭してライトを守るってことだろ」

つまらなそうにマルディローズがそう言って自身の指にニードルを差し血判を押す。


ケリーは嬉しそうに何回も頷いている。


それを見てライトも考えるのを止めて血判を押した。


「ケリーが血判を押すと契約の効力が発揮されこの首輪が完済されるまで外れなくなります」

そう言ってフェイがケリーに首輪を着ける。


それをなぜか嬉しそうにしているケリーのことをヨークは見逃さない。


「ちょっと待って、なんか変だヨ」


その言葉を聞かず、ケリーが血判を押した。


ガシャン、首輪がロックされた音がして、ケリーは恍惚とした表情をしている。


「な、な、なんで奴隷になったのに嬉しそうなの?」

ヨークがケリーを指さしながら言う。


「そりゃ~嬉しいよ、主と四六時中一緒にいられるんだからね」


「ラ、ラ、ライトはそれでいいの?」

ライトの方を振り向いて言ったその先には、


考えることを放棄して窓の外を見ているライトがいた。

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