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34 成長するヨ!

3人は別の個室で待たされている。


「どういうことヨ!」

困惑気味のライトより怒りが籠るヨークがトゥトに詰め寄る。


「まあ、落ち着けヨーク」

本当に落ち着いているトゥトがヨークを宥めるように言う。


「ギルマスの差し金?」

ヨークの怒りが収まらない。


「アレは居ても居なくても変わらねーよ」

トゥトが少し肩をすくめ話す。


「まず、大広間で得たものは全てライトのものだ、もちろんパーティーだからヨークも報酬を主張する権利はある」

「トゥトは?」

ライトが問う。

「俺はお前らの付き添いだハナから放棄している、それに、めんどくせーからな」

「面倒くさいって・・・」

ヨークもあきれている。


「なので、装備はライトのもんだ、ボスのホブゴブリンを倒したのもライトだ

ついでに言えば、使ったポーションもお前たちのもんだ」

「どういうこと?」

ライトが聞く

「ギルドから支給さらたもんだ、俺が金を出して買ったもんじゃない」

「・・・ギルマス」

「まあ、実際はお前たちには一本も使ってないけどな」

「じゃあ、ギルド所属じゃダメなの?」

「それが一般的なんだがお前らのパーティーにちょうどいいからなケリーは」

「ちょうどいい??」

「あのトゥーハンデッドソードは元々ケリーの物で装備の大半はその値段だ

前衛がいないお前らとパーティー組むのに向いてるのさ

それにお前らと組むのが一番早く借金返せるからな

そして、何より当人の希望だ」

「こっちは望んでないヨ」

「ヨークはそうだろうな、だが、俺もいつまでも付き合ってやれない

ライト、ずっとヨークと2人っきりで冒険者を続けるのか?」


ライトはおとがいに手を当てて考える。


そんなライトの姿を見て

「・・・ライト」

言葉を漏らし、自分と意見が違うことに気づく。


「ヨーク、聞いて」

ライトは座りなおしてヨークを真正面から見る。

「うん」

ヨークも座りなおして正対する。


「こないだのダンジョンに2人で入っていたらダイナアサルトと同じ目にあっていたかもしれないんだ」

「ライトは強いヨ」

ライトは首を振り否定する。

「2人だけだったらトゥトが言う安全マージンにはかなり足りないと思う」


それから、ダンジョンから洞窟での出来事と自分の状況をヨークに話した。


「僕は焦るばっかりで自分の状況も周りの状況もよく分かってなかった

トゥトの助言やフォローがあったから帰ってこれたんだ」


ヨークもライトの言っていることは頭では理解できる。

ただ、気持ちが嫌がっている。


「僕が一番嫌だと思ったのは、ヨークがゴブリンに捕まること。

そうなるくらいなら、危険性があるなら2人でダンジョンに入りたくない」


「ライト、私のこと嫌いになった?私、足手まとい?だから置いて行ったの?」

「違う、そうじゃないよ、ヨーク」


パンっとトゥトが手を叩き場を収める。


そして、わざと大きく息を吸い、ゆっくり吐く。


「一度しか言わないから良く聞きな」

トゥトが2人の顔をゆっくり見回す。


「ライトが経験不足なのは否めないがもしコイツが動くものなんでもぶっ壊す破壊王みたいな性格なら大広間も簡単だ、何の問題もなく生還できるだろう」

トゥトが2人の目を見て続ける。


「だが、コイツは全部ぶっ壊していい破壊王じゃない、女を守ろうとする教えに従うのもそうだが、

ライトは根が優しいんだよ」


ヨークがゆっくり深く頷く。


「その優しさは人として大事なもんだ、時には非情にならなきゃダメなときもあるんだが、コイツはそうはならない」


トゥトはもうヨークの目しか見ていない。


「そして、その優しさが一番向けられているのがヨークお前だ」


ヨークはガツンっと頭の中を殴られたような衝撃を受けライトを見る。


ライトは泣き出しそうな恥ずかしそうな顔をしてヨークをみていたが、トゥトに顔を向け


「ありがとう。わかってくれて」


「アホ、お前はもっと幅を付けろ」

トゥトは素っ気ない。


「・・・わたしも・・・・なんとなく・・頭ではわかってるんだヨ

でも、気持ちが素直になれない・・・なんでだろう」


「急に世界が広がったからな」


「世界・・・そっか・・ちょっと前まで、わたしの世界、家とお母さんとホークしかなかった

でも、ライトと出会って広がったヨ

それからギルドのみなさんやトゥトと出会って・・・なんかモヤモヤして

ケリーさんが入ってくるのが嫌。

嫌・・何が・・・そっか

ライトとわたしの2人の世界が邪魔されるのが嫌なんだね・・・・

小さいね、狭いね、わたし・・・子供みたいだヨ」


「子供だ」


「ブー!トゥト嫌いだヨ」

ヨークが頬を膨らませそっぽを向く。


そのやり取りを笑ってライトが見ている。


「ライトと一緒に同じ目線で成長するっていったのに、これじゃあ置いていかれちゃうね

嫌だヨ、嫌だ・・・小さいわたし、お姉さんなのに・・子供みたいなわたし・・・

でも、一番嫌なのは、ライトの可能性を狭めてるヨークが嫌だヨ」


2人は黙ってヨークを見ている。


「成長したいなぁ、大きくなりたーい、ヨーク。うん、成長するヨ!」


それだけでライトからみてもヨークが成長したのがなんとなくわかった気がした。



「でも、ライト、一つだけお願いがあるヨ」

「なに?」


「たまにでいいからわたしと・・2人だけの世界の時間を作って欲しいヨ」

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