95 ゴルドヴェルナの兵隊
「これが・・・・ゴルドヴェルナの兵隊」
「強そうには見えないわね」
「何かに操られておるようにも見えるが・・・」
アロスが兵隊の上空を飛び、3人が感想を漏らしている。
「これでは、例え我等に勝ったとしても、半分も生きて帰れまい」
「っ」「・・・・」
リータが息を飲み、ライトは漫然と前進する兵たちを見ている。
「話せる人、いないかな?」
ライトが独り言のように零す。
「進め、アロス」
オカリナはライトの意を察し、アロスに敵集団の更に奥へと進む指示をだす。
アロスが人の波の上空を掛ける。
荒れ果てた大地にその列は延々と続くかと思われるほど長く、
どこの兵たちも生気を失い、ただ、前進を続ける屍のように見えてきた。
「来るわ!」
突然、リータが叫ぶ!
ライトもリータの肩越しに視線を追い、前方から魔法が放たれそうな光を確認する。
「防御する!」
ライトはそう言って、アロスの前に魔法障壁を展開し、
アロスも回避運動を取る様に右上方へと急上昇をする。
その瞬間、元のアロスの飛行ラインにウォーターランスが飛来する。
「これは・・・・」
その魔法を見て、オカリナが驚愕している。
アロスは攻撃地点を迂回するように進路を取る。
これにより、攻撃地点を左前方に捉えることができた。
「あれは・・・エルフの男の子?」
リータが魔力を纏わせた視力で確認する。
「やはりか・・・一旦引くぞ」
オカリナがそう言ってアロスに指示を出し、攻撃地点から離れるように離脱していく。
その間もリータは偵察を続け、攻撃地点にいた人物像を記憶していく。
ゴルドヴェルナの兵が見えなくなった場所で一度着地をして、休息とアロスに水分補給をする。
ライトは桶を出して、そこに魔法で水を注ぎ、アロスの前に置く。
アロスはオカリナの顔を見て、オカリナが頷くと、ガブガブと水を飲み始めた。
「知り合いがいた?」
唐突にライトがオカリナに問う。
「ああ。おそらくフォルテであろう」
「ランスの形?」
「そうだ、アレは我が教えたものだからな」
「フォルテって?」
「リュートの息子だ」
ライトが目を見開いて、
「何で攻撃してきたんだろう?」
「わからぬが・・・ただ、兵たちにも何かしらの術が掛けられている雰囲気があったが・・・」
ここまで、目を閉じていたリータが話だす。
「もう一人、エルフがいたわ女の子、それと、男の子に命令しているローブを纏った人とごつい斧みたいな武器を持った人がいたわね」
「我も目は良いが、リータは凄いな」
「狩人は目が良くて一人前よ」
「いや、良すぎると思うけど・・・」
ライトの意見にキッと一睨みでリータが応じる。
「一度戻るぞ」
オカリナはそう言って、アロスに2人を乗せる。




