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90 エルフの森

オカリナの後をルーベントと近衛の2人が続き、冒険者パーティーDKのメンバーがその後ろを付いていく。


ライトの左手をヨーク、右手をリータが握って歩いている。


転移魔法陣の部屋を出ると通路になっており、

土の部屋は地下にあるようで、他にいくつもの部屋があり、通路の先に外の光が見える。


ひかりの場所まで来ると格子状の土で入り口が閉ざされていたが、

オカリナがなにか呪文を詠唱すると、格子がスルリと無くなった。


皆を通した後にオカリナがまた呪文を唱え、格子を復活させていた。


ライト達は階段を上がり外に出ると、見たこともない木々が生い茂り、高く聳え立っていて、一番上は見えない。

深い森は鬱蒼と生い茂り、木もそれに絡まる蔦も人の何倍も太かった。

空気が瑞々しく、吸い込んだ肺が洗浄されていく感じがする。

木々の隙間から降りてくる光が森をより幻想的にする。


「深い森・・・」

リータが感想を漏らす。


「ここがハイドランドの森・・・」

「そうだ、我らの森、我らの生命の源」


「これからどうする?」

ルーベントがオカリナに問う

「皆と合流し、状況を合わせる」

そう言って、オカリナが歩き出し、一行はそれに続く。


森の中を道なき道を進んでいるようだが、オカリナの歩みには淀みがない。


「もう、帰り道がわからないヨ」

マッピングしようとしていたヨークが言うと、

「我は精霊との契約があるが、人の子等では森を歩くこともままなるまい」

「だからオカリナの前には道ができるんだね!」

ライトが嬉しそうに言う。

「そうだ、我らエルフは長年に渡り、森と共存してきたのでな」

オカリナが頷き応える。



しばらく歩いていると、


ピュー!

高い笛の音のようなものが聞こえ、


ピュー!

オカリナが唇に小指を当て同じ音を返す。


「オカリナ様!」

木の上から声が下りてきて、数人の気配が木々から発せられる。

そのうちの一つがオカリナの眼前に着地する。


「出迎えご苦労」

「ご無事でなにより・・・・この者たちは?」

銀髪をオールバックにしたブラウンの瞳を持つ男のエルフがオカリナと話している。


「人族の王と我の盟友たちだ」

「盟友?とは」


「ハイドランドが攻められる、皆を集めてくれ」

「な!・・・わかりました」


ピューピ!

男エルフが指笛を吹くと、木の上にあった気配が方々に散っていくのがわかった。


オカリナは再び歩を進め、男エルフと会話を続ける。

「皆に変わりはないか?」

「ヴィオラが森を出奔しました」

「そうか・・・他には」

「セェヘ・ニューベーメンに向かった者たちとの連絡が途絶えました」

「・・・無事に戻れば良いが」

「して、攻められるとは?」

「ゴルドヴェルナ聖教国の奴らが3万だ」

「3万・・・何故にハイドランドへ?」

「狂信者の考えはわからん」



会話の途中にオカリナの肩に光る羽が止まる。

「「妖精だヨ(わ)!」」

ヨークとリータが驚いたように指さす。


「オカリナ!お帰り!心配したんだよ!」

「イヴよ、それはすまなんだ」

「ポポは?」

「アレは翼を怪我したのでアカマット村で養生している」

「無事なんだね!良かった・・・アロスに教えてくる」

そう言って光る羽は飛び去っていく。


「オカリナ、妖精と話ができるんだー!」

ライトが目を輝かせてオカリナを見る。

「ああ、我が友のイヴという。ポポと妹のアロスと仲良うしている。

リータとヨークは妖精が見えるのか?」

「わたしは目に魔力を纏わせていたから」

「わたしは鑑定眼鏡を使ってたからだヨ」

「フフ、2人は隙がないな」

オカリナが笑って褒めている。


そんな話をしていると開けた場所へと出た。


そこには美しい街が広がっていた。

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