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防衛最強のチーム異世界行っても負けること無し  作者: 本倉庫
第一章 〜防衛最強チーム手始めに情報を集める〜
8/31

最終日

ハッと目が覚めた。

いつのまにか椅子の上で寝ていたようだ。

・・・あれは夢なのか?

夢にしてしまっていいのだろうか?

幻影魔法か?それとも夢の中に入ってくる類の魔法か?催眠系統の可能性もあるな。

何にせよ精神生命体のゴーストに、干渉できるほど強力な魔法使いがいるってことは確かだ。

明日何かが起こるかもしれないな、気を引き締めていこう。

俺は俺の魔石を見ながらそう誓った。




寝る必要のない体のなってはいるが人だった時の名残りかまだついつい寝てしまう。

だが、今日は違った。

朝までずっと魂操作に時間をかけていた。

ただよう微小な魂をかき集めたり、逆に分散させたり、魂を固形化させたり。

夜というのは思ったよりも長くやりたいこと以上にいろいろできた。

魂系統のスキルの熟練度が結構上がった。

ていうか今更な気もするがゲーム時代やっていた動きを今反復練習してるだけだから、案外簡単に熟練度は上がるな。

あの地獄のような熟練度上げはなくて済みそうだ。

そう思って少しホッとしていると、他のやつらが起き始めた。

俺以外は睡眠が必要だからな。


「おはよう!」

「朝から元気だなぁ。ゴースは」

「幽霊なのに朝でも元気って不思議ね」

「はっ、寝坊して朝の稽古を忘れてしまった!」


ここには朝に弱いやつは別にいないのですぐに宿を出た。

今日でこの宿も終わりだ。

受付に鍵を適当な場所に置いておいた。

今日は何かが起こる、あの夢があったせいかそんな意識が高まっていた。


冒険者組合でクエストをどれにするか考えていると近くに柄の悪そうな冒険者チームが現れた。

強いか強くないかはわからないがとてもとても邪魔だ。

しかし相手はこんななりでも先輩、敬意を示して嫌がらせはやめておこう。

いい感じのクエストを見つけたのでこれを受注しようと紙を手に取り持っていこうとすると、さっきの柄の悪そうな冒険者チームと手が被ってしまった。


「すいません、このクエストですよね。どうぞ」


俺は素早く相手にクエストを譲った。

だが相手は俺の予想に反する行動をした。


「いやいや、後輩に譲られる先輩というのも悪いだろう。君たちの譲ってあげるよ」


そう言って紙を渡してきた。

さあここで譲られるかまた相手に渡すかどっちがいいだろうか?

こんなに悪者みたいな格好をしているのになかなかに性格がいい人だ。

だが、なんとなく怪しい気もする。

う〜ん、普通に譲られるか、譲るかこれで何かいろいろ変わりそうな気がするんだよな〜。

そんなことを冗談みたく考えていた俺だが、この選択によって本当に何かが変わるなんて俺は、思っていなかっただろう。


「いえいえ先輩の顔は建てておくものですよ」

「う〜むそうか?ならチームを組んで行ってみるか!」

「いい考えですねそれ」


俺は相手の出方を伺いその流れに乗った。

壮大なビックウェーブに!

というわけではなく、考えていた中で最悪なパターンに乗ってしまった。

まあ神の血の力を見るにはいい機会だな、と思うことにした。


「それじゃあ俺たちが受付してくるから先に正門まで行ってな」

「ありがとうございます、じゃあ待ってますね」


人は見た目によらないものだな。

こんなヤンキーみたいな人が、こんなにいい人だなんて。

なんか釘バットとか装備してそうだな。

あっ、あいつらに言いに行かなきゃな。

今日は本来の姿で戦えないって。

あいつら俺に文句言うだろうな〜。

まあこれも特訓だよな。

うん、そういうことにしておこう。

俺は悪い意味で報告をいいようにみえる報告に偽造してあいつらのところに行った。


「お前ら、今日はこの姿で戦う特訓だ」


あいつらに近づき俺が放った第一声がそれだった。

ポチ達は一瞬キョトンとしたがすぐに俺の言葉の意味を理解した。


「私が全力を出せないとはどういうことだゴース!」


ハイルがけっこう起こっている。

まあ知ってた。

ハイルの騎士道はどんな相手でも全力で倒す、だからな。

今のハイルの全力は竜化状態で相手を倒すことだからなぁ。


「ハイルこれも訓練だ。正体をばらさないように戦う訓練なんだ」

「訓練だとしても私の騎士道に反するのだが?」

「人の身でお前の全力を相手にぶつければいいさ。正真正銘それはお前の全力なのだから」


いいことを言っている風にして、ハイルの心を動かす作戦だ。

ハイルは名場面とかカッコいいセリフに弱いからな。

厨二病だからこういう時に便利だ。


「たしかにそうだな。私の全力で敵を破り、私の全力で相手に正体をバレないようにしよう」


たぶん正真正銘という言葉が効いたな。

ふっ、ちょろいな。


「俺もバレないようにするのか?」

「大丈夫だってポチ、お前いつもよりもちょっとバレないように気をつけたらバレないから」


ポチは押しに弱いから、押して押して押しまくればいける。


「本当に大丈夫か?」

「ああ、大丈夫だってそう簡単にバレやしないさ」


俺はそう言いながらポチの肩を叩いた。

これで終わったな。


「そうか、ゴースが言うんだしそうだよな」


ポチ陥落

やはりちょろい。

俺のメンバーはキャラが濃いがけっこうちょろい。


「まあ私は戦わないしいいのだけど、あなた本当にわたくし達のリーダーね」

「それは褒め言葉として受け取っておくぜ」


プリセスがこの話に反論しないのは、分かっていたからな。

これで文句を言うやつはいない。

伊達にこいつらと昔から付き合ってないっての。


「そんじゃあ正門まで行くぞ」


そう言えば今日は他のパーティと共闘するっていうこと言うの忘れてたな。

まあいいや。

そん時に言えば大丈夫だろう。




俺たちは今、軍犬ぐんけんというモンスターの討伐をしていた。

全員上手く自分の正体がバレないように立ち回っている。

ハイルは盾と剣でポチは素手で俺も素手で戦っている。

俺はまあ見られてみ人間みたいな見た目だから大丈夫だけどな。

ポチはけむくじゃらだし、ハイルはツノとキバと羽があるしな。

プリセスも多少目立つが問題ない。

それより今共闘してる人たちの姿の方がインパクトが強い。

全員世紀末か!っていう感じの衣装に髪型をしている。

のくせになかなか礼儀が正しかったのだ。

少しその時の回想をしようか。


正門前で待っていると異色の5人組がこっちに来ていたのだ。

ポチとハイルが口をパクパクさせてこっちを叩いてきた。

プリセスなんて目をすんごい速さでこすっている。


「あれが今日、共闘する人たちだ」

「共闘するんだと思っていたけど、まさかこんな相手を持ってくるとは思っていなかったわよ」


俺もなんとなく予想していたが、それ以上にやばい衣装してきたな。

まあでも多分みんな礼儀正しいんだろう。

近ずいてきて立ち止まると。


「こんにちは、これから少しの間だが共闘する者だ。よろしく」


花丸100点の笑顔でこちらに握手を求めてきた。

この格好じゃなく、この世界じゃなかったらいい営業マンになっただろう。

そう言わざるえないほど素晴らしい笑顔だ。


「こちらこそ今日は先輩方の胸を借りるつもりで頑張ります」


俺もローブの上の部分を外してそう返した。

流石に顔を見せないのはまずいと思ったからだ。

そうそうポチ達はというと今ものすごいで口をパクパクさせている。

プリセスなんて耳を叩き出した。


「大丈夫ですかあなたのチーム?」


少し心配したように聞いてきた。

お前のせいだよ、とはさすがに言えないんだよな。

びっくりするほど見た目とのギャップがあるわマジで。

なんでこの格好でそんな礼儀正しいのか仲良くなれたら聞いてきたいな。


「大丈夫ですよ。はじめての共闘で緊張してるだけなんで」

「まあ共闘といっても同じクエストを受けるだけですけどね」

「そうですよね〜」

「じゃあ行きましょうか!」

「はい、お前ら行くぞ〜」


俺は未だに奇行をしているポチ達に一発食らわせて進み始めた。


そして今世紀末かって衣装したチームは世紀末をしてた。


「死ね魔物が!」

「蹂躙じゃー!」

「このゴミが!」

「消毒、しょうどくー!」

「ヒャッハー!」


俺を含めてドン引きである。

さっきまであんなに礼儀正しかったのに、今じゃ頭の狂ったやつだ。

本当にどうしたんだろうこの人たち。

そんなことを思いながら俺は淡々と軍犬を倒していた。

軍犬は特別強い魔物ではない。

群れを作り時間が経った群れは確かに厄介だが、出来立てホヤホヤの群れなどちょっと大きめの野犬と一緒だ。

俺の格闘術スキルでも容易に対処できる。

まあ格闘術は現実でもアマだがいろいろやっていたからな。

ある程度の技はスキルどうこう関係なく使える。

ステータスもまあまあ上がったしな。

移動中に放置されている魂を回収しているからな。

今一番レベルが高いのは俺の自信がある。

そんなことを考えながら他のポチとハイルに目を向けてみる。

やはり本武器を使っていないポチはあまり敵を倒せてないな。

ポチの本武器は大剣というか太刀だ。

致命傷になる攻撃以外は防がずに受けて、致命傷になりそうな攻撃は太刀でそらす。

ダメージを受けつつ致命傷を避け、ステータスを上げて行くのがポチのスタイルだ。

ハイルは盾と剣といういつもの戦い肩をしているな。

といっても相手が弱すぎて剣だけで対処しているが。

熟練度がどうだろうとゲーム時代の感覚でスキルは容易に操れるな。

特殊技能じゃない限りゲーム時代の感覚が効果を発揮するからな。


それにしても先輩方は荒れ狂った戦いかたしてるな。

型なんて気にせずただ敵を駆逐している。

剣を投げ、それに刺さった軍犬ごと敵を吹き飛ばし、それを一刀両断する。

数で攻めてきたら回転斬りをしてそれを避けたら蹴りを入れる。

美しいとは言い難くむしろ醜い様にも見える戦い方だが、弱くはない。

今の俺たちよりは確実に強い

チームワークもまあまあで5人が実は背中合わせになっていて、しかも誰かが突撃したら誰かがその穴を埋める様に円を縮めている。

誰かが命令してるわけでも、誰かが見て動いているのでもない。

この背中合わせの体型が基本となって頭に入っているのだろう。

弱い魔物が大量に出てきたときの体型だ。

戦う意識を前だけに向けれて相手を倒すのに集中できるから、よくこの体型は使われた。

シンプルで強い戦い方だった。


倒し続けているといつのまにか周りに軍犬がいなくなっていた。


「軍犬がいなくなりましたけど、どうします?」

「ちょっとの間二手に分かれて探索しましょうか?」

「そうですね、じゃあ僕はこっちらへん調べておきますね」


俺はそういって移動し始めた。

さっさと帰ってクエスト完了報告してダンジョンに戻りて〜。

そのためにもさっさとクエストを終わらせよう。


「ポチ〜ここら辺に軍犬いるか?」

「ちょっと待ってくれよ。今調べるから」


ポチが地面に顔を近ずけ匂いを嗅ぎ始めた。

犬人なだけあって嗅覚は人の数倍だ。


「うん?うーん?この匂いは〜」

「どうしたポチ?」

「いや、軍犬はいないんだけどさ。俺と同じ犬人っぽい匂いがするんだよな」

「犬人っぽい匂いか?この世界でこんな町の近くで亜人がいるとは考えにくいんだけどな」

「いやでも、この匂い付いてから30分も経ってないぞ、たぶんだけどさ」

「うーん、変だなそれは」


プリセスやハイルも俺とポチの話を聞いて考え込んでいる。

きっとなぜ亜人がとか?どういう理由でとか?亜人をどっかで見たかな?とか考えてるに違いない。

まあ俺も同じことを考えているのだが。

こんなとこに亜人が来る意味が分からん。

亜人がこの世界では差別の対象だというのに。

必死で逃げ隠れたほうが絶対に生存率は上がるだろう。

メリットがあって行動か?それとも頭が悪いだけか?

考えてもらちがあかないな。


「ポチその匂い辿れるか?」

「おうともさ!」

「じゃあ辿ってくれ」


ポチもその気だったらしく返事もせずにすぐ辿りはじめた。


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