プロローグ〜仲間たちの影〜
何もない、ただ真っ暗な洞窟であれは誰かを侵入者を待ち続ける。
なぜ待つのかさえ彼は知らない。
そこにはまだ誰も訪れたことはなく、あれだけがいる。
いつ生まれたのかも知らない、ここがどこかも知らない、己のことさえ分からないなかあれは侵入者を待ち続ける。
誰が為に何のために自党自問しながらあれは待つ。
息することなくあれは待つ。
1人逸れた精霊は森に林に歩いては、また後ろへと引き返す。
1人技を磨き続け、また無意味に獣を殺す。
自身のために人を殺す。
この技ずっと磨き続け、そしてまた獣を殺す。
自身の欲に駆られて殺す、異端と罵られても殺す。
殺して殺して魔も殺す。
異端者はここに師を求める。
己の技を超えてくれる師を求む。
人っ子1人も来ない森で。
空飛ぶ獣は生まれたばかり、無意味に無価値に地を襲う。
自身の生まれた意味は分からんが、だけどまだまだ地を襲う。
されど、何かに襲われて痛くて立ち待ち逃げていく。
自慢の速度も追いつかれ、殺されそうになりはしたが、大きな何かが自分を助けた。
すごいと喜び強いと喜び、自分もそんなのになりたくて下にいるものに叫んだら、口から何かが飛び出たよ。
驚き飛び退き落ちていく、あれは何かと考えて、自分を助けたものを思い出す。
似てる似てると大喜び、動くものにそれ浴びせ、倒れりゃ次のやつ狙い、上からどんどん襲ってく。
・・・体も心も成長しあれが何かを知ってしまった。
己が何か知ってしまった。
超えれないと頭が訴えて超えてみせると心が訴え。
今でも人は襲わない、あれは危ないと知ったから、きっかけ作って感謝はするがいつかは倒すと心に決めた。
一月も立たない間に子供は大人になっている。
自身の本当の姿を知らないまま。
親から学んだ世界のこと、知っておそれた人という種。
自分で覚えた人の技、親に自慢して怒られた。
なぜか分からぬまま努力し続けその技いつか凡人超える。
されど人には畏怖し続け、しかし超えたこと知らず。
親が人に襲われた。
人が自分を狙ってる逃げて逃げて逃げないと。
羽を靡かせ飛んでいく、親より速く動くため。
命を絶対守るため。
身を潜めて、息を殺して、獲物の後ろに忍び寄る。
そして獲物を飲み込む。
証拠が絶対に残らないよう。
獣も魔物も人も亜人も関係ない。
ただ本能に従い理性で遂行する。
友どころ同種にすら会ったことない彼は本能のまま理性を振るう。
彼女はうっとりと自分の手を眺めた。
久しぶりに見るその色を、噛み締めるように眺めている。
上手に汚したその手を舐めてその味と歓喜を味合う。
落ちたものさえ舐め回し、無くなったと落胆し、移動しないとと動き出す。
彼女はずっと生きている。
生き残り方を知っているから、死なないために努力するから、彼女は今だに生き続ける。
いつか楽しく生きるため、いつかの希望を心の支えにまた彼女は動き出す。
お国の外で生まれた彼は生まれたばかりで環境を恨んだ、親を恨んだ。
こんなところで生まれた自分を呪った。
だけどいつしか諦めがついて魔獣を殺して生きる糧とし、魚を食い命を保つ。
親は強くなった時に殺した。
怒りのままに殺したけれど、今となっては後悔しかない。
誰にも会えない寂しい世界で彼は生きるために殺す。
ダメだと知った殺生を行い自身の命を繋ぎ止める。
いろんなものに勝てるように自身の技を積み重ねる。
次こそは守るために、殺すのではなく守るために自身の刃を鍛え上げ、そしてまた彼は命を奪う。
生まれた時から体はなく、ただじっと世界を眺めていた。
ずっとずっと眺めていたら邪魔だとその場所から捨てられた。
悲しむどころか歓喜を心に、体を転がし世界を見る。
回って回って回り続けて、見て見て見つめてそれを覚えて、なぜかあそこに送ってる。
回っているとついたその場は自身に似て非なるものが捨てられていた。
その部分を少しずつ体にトンカン結合し、見続けた者に似せていく。
できた体で這い上がり、世界をまた観察する。
何度も逃げて、何度も見つめて、最初で最後に与えられた仕事を全うするため。
笑って笑っていい気分、俺は今だに健在だ。
もはや種族は変わったけども、元々あれはいらなかった。
むしろ肩書きは不要だった。
変わった体で洞窟へ、自分の楽園築くため、魔力練り上げ文系通り楽園せっせと作ってく。
歪んだ心は治らぬまま、種族変わっても変わらぬまま、さらに歪んだその心で笑って奪って作ってく。
バレないように作ってく。
自分の楽園作ってく。
誰かを思ってまた作る、俺は今でも楽しいぞと自分の楽園作ってる。




