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防衛最強のチーム異世界行っても負けること無し  作者: 本倉庫
第一章 〜防衛最強チーム手始めに情報を集める〜
17/31

ゴースたった1人で戦うが仲間の支えあり

西門に集まる兵士たちを人々を何かと見つめていた。

戦神の国だけ合って人が戦いに行くことをよく思い、軍人を慕い、戦争自体を自国の誇りと思っている者が多い。

実際、攻める戦いにおいて戦神の中でも屈指の力を誇っており、内戦がよくおきているとはいえ長安を一国で壊滅まで追いこんだことがある。

その後同盟国などの援軍により撤退することになったが、実際他の戦歴も数々の国を壊滅させてきた。

だが、負けることも多いようで防衛に回ると一気に弱くなる。

昔十字路同盟と呼ばれる5つの国による同盟があった時は、戦争での主力として活躍して付近の国を殆ど壊滅させた。

こと壁壊しに掛けては、現在する国どころか滅んだ国と比べてもトップクラスだ。

十指でさえもその力を恐れていると噂されるほどだ。

そんな国が軍を出すのだ。

何事かと人が集まるのも当然だ。


「よっ兄ちゃん、今日は見回りじゃないのかい」

「そうですよ。今日は久しぶりの任務なんですよ」


オッサンやおばさんはたまた若い女の子からカリムは人気だ。

人当たりの良さとその顔によって大抵の人間は好意的な印象を受ける。


「おなえちゃんたち、ないしてるの?」

「今からお姉ちゃん達ね、怖ーい獣人さん達をやっつけに行くんだよ」

「おねえちゃんすご〜い。けがしないようにきおつけてね」

「うん分かってるよ」


幼女達に対応するのはいつものキャピキャピのお洒落服ではなく、きっちりとした制服(多少改造している)を着たメナだ。

楽しそうに子供達と喋るその姿を見てほっこりしても仕方ない。

だって可愛いんだから。


「はいはい、皆さん遠足じゃないんですから集まってください、行きますよ」


この部隊の指揮官である中隊長のマルコが声を発した。

そこまで大きい声ではないはずのその声を、彼らは聞き分けそしてすぐに配置についた。

あれだけぺちゃくちゃ喋っていても彼ら彼女ら皆軍人だ。

けじめはしっかりつけれる。

マルコがウンウンと頷くと自分の位置に移動した。


戦闘はジャンケンに勝利したメイル隊長率いる第3小隊だ。

第3小隊の者全員の目が少し殺気立っていて、それでいて子供のように無邪気に喜んでいた。




軍は静かに行軍していく。

できるだけ音を立てずに、というよりも誰かが隠蔽系統の魔法を使っているようだ。

まあ、素の隠蔽能力も一般人とわ比べものにならないのだが。

メイルが手で部隊を静止させた。

テーペのスキル情報循環と思念伝達によって小隊長と中隊長が繋げられた。


「もう少しで目的の地点です」

「今回はケーテが主力だからな〜、せっかくの当たりの日に勝てないなんて俺の運もダメだな〜」

「ケーテは当たりの時に勝つ確率牙高い」

「まあ、これはばっかりは運だから仕方ないわよ〜」

「無駄な喋りをしてないで行きますよ。隠密の魔法を使ってるとはいえ、獣人は敏感ですのでできるだけ静かに行軍しましょう」


さらに慎重になった行軍はさっき以上に燃えていた。


そして目的地に着いた。

だがそこには標的はいなかった。

たった1人もそこにはおらずもぬけの殻だ。


「おいおい、誰もいないぜ隊長」

「そのようだな。・・村の中を探索しろ、いつ頃逃げたのか、どこに逃げたのかを確認できるようにくまなく探せ」

「「「「はい」」」」


そう命令してからメイルはマルコの方に向かった。

そこには他の小隊長も集まっていた。


「中隊長、この村も抜けの殻でしたね」

「そのようですね」

「まあ、逃げ隠れするのなんていつものことだろ」

「そうよね〜、多少面倒になるけど、獲物は分散しやすいわ」

「おいら達の運もまだ尽きてなかったってことだな」

「はいはい、無駄話してる間に情報が来ましたよ、ふむふむ、ここから10時の方角に足跡が多数あったそうです。まあいつも通りの感じでどうぞ」


マルコがいつも通りと言いかけた瞬間にはもうすでに小隊長全員いなかった。

よくあることだ。

彼らは自身の小隊を連れて10時の方角に向かった。

確かに彼らは訓練された軍隊だが、地球の兵ほど統率されているわけではない。

ではなぜ指揮官がいるのか?

それは大まかな目標を伝え、指揮の能力で味方を強化して情報を全体に滞りなく伝えるためだ。

そして、今の状況の目標は獣人の討伐であり、相手は今逃げている。

ならば追うのは自由という者だろう。




メイルがその場所についた時には、他の部隊全員が付いていた。

なぜその場所にいるかって、それは獣人の足跡が消えておりあるものがあるからだ。


「やっと来たかケーテ」

「ケーテさん、遅いっすよ」

「まあ、ギウレスちゅう情報伝達に特化した人がいるからしゃあないといえばしゃあないんでしょうけどね」


小隊長の三者三様の出迎え?を聞きながらメイルは隊長達が、集まっている場所に来た。


「悪いな、それでなんでここで止まっているんだ?」

「ダンジョンの入り口が見付かりました」

「ダンジョンの入り口が見つかったのか」


メイルは長年の経験からか、今の状況をすぐに理解した。

このダンジョンに獣人が入ったのだろう。

そして、このダンジョンの情報はきていないことから、このダンジョンは最近できたもの。

ならば、このダンジョンの制圧は50人でこと足りる。

ということはこのダンジョンに挑戦するのは必然的にジャンケンで勝利したメイルの小隊になる。


「はい。・・さすがメイルさん、もう理解できたようですね」

「ああ、俺たちがこのダンジョンに入るのだろう」

「はい、もう一小隊投入してもいいのですがそこまでの危険度は彼女も感じないらしいので」

「彼女がいるのなら安心だな」


2人に彼女と言われているのはマルコの右腕とも呼べる危機感知などに特化した、悪く言えば憶病な、よく言えば慎重で感がきく女性だ。

今のマルコの片腕を掴み隠れている。


「でも気をつけてください、彼女の危機感知も絶対じゃありませんから」

「わかっている。我々が突入したらこの後はどうするんですか?」

「まあ、町に戻っていつもの仕事に戻りますよ」

「では、我々は突入させてもらいます」

「大丈夫でしょうけど、ご武運を」


マルコや他の小隊長達は帰還して行った。

メイルは自分の小隊に向かった。


「あのダンジョンに突入するぞ」

「やっぱりですか、それで中隊長は僕たちだけで十分と判断したんですね?」

「そういうことだ」

「ダンジョンか〜、久しぶりに攻略するな〜」

「私も魔法学校以来だわ」

「私は初めてだわ〜」

「はあ、強い敵がいないといいな」

「ほらお前ら駄弁ってないで行くぞ」


彼らは歩いて、そこには確定した死しかないことを知らずに。

希望もなにもない絶望が待ち受けていることを知らずに。




「はあ憂鬱だ」


俺は誰もいないダンジョンの中で1人呟いた。

当初の予定では俺だけではなくフクロウとストームも一緒にいるはずだったのだが、俺1人で十分じゃないかという意見が出てその後にレムルを倒したことを知られてしまい、俺が1人で撃退することになった。

持久戦にさえ持ち込めばフィールド的に余裕なのだが、それでもやっぱり憂鬱なのだ。


「ていうか、誰か来るまで待っとかないといけないのかよ。さっさと来てくれた侵入者ー!」


俺がそう叫ぶとすぐそこから足音が聞こえた。

え、嘘だろ。

こんなに早くここに来るってことある?

・・・そういえば来たらこの階層のこの付近に出すって言ってたなダンジョンコアが。

すっかり忘れてたしここまで近いとは思ってもいなかったぜ。

普通に考えてある程度ずれるだろ場所。

まあこの世界のダンジョンコアが結構優秀で嬉しい限りだ。

てか、近くにいるならボス感出しとくか。


「早く来い侵入者よ。俺が直々に相手をしてやるぞ」


おそらくこれを見ている他の奴らは楽しいんだろうな。

ダンジョン内とはいえ殆ど他人事みたいなもんだし。

俺も見る側だったら楽しむだろうしな。

お、入って来たな。

そこまで人は多くない・・・いややっぱり50人いますよね。

それにしても、あいつら一言も発して無いけど意思疎通できてんのか?

思念伝達をしてるのか?

まああれはそこまで高度な技術じゃないしな。


「獣人達をどこにやった?」

「それを俺がいう必要ある?」

「命が惜しくないなら言わなくても構わんぞ」

「俺を弱いと思っているのか?」

「ああ、実際弱いからな」

「ハア、まずはその認識を改めさせてやるよ」


そう言って俺は魔石を装備した。

そして先にイメージを固めておいた魔法を発動する。


「ソウル・シールド」


俺はすぐに魔石を外した。

一瞬だったといえど、一瞬だけ超強化されたのだ。

相手さん達は驚いている。

そして魔力を混ぜ込ませたソウル・シールドを破れるような相手はおそらくいないだろう。


「どうやった?」

「教える馬鹿がいるかよソウル・スナイプ」


俺は威嚇と挑発の意味を兼ねて相手の顔の横すれすれにソウル・スナイプを撃った。


「ウッ・・」


当てないつもりだったのだが、思いっきり当ててしまった。

しかも、効果は膝をついただけ。

予想以上に相手が強くて危険な状況だな。

まあすでにギミックは発動してるし大丈夫だろう。

やばい、無言で攻撃仕掛けて来た。

思念伝達使うのはいいけどせめて喋れよ。

なんかこっちが恥ずかしいだろ。

ていうかムチってすごいな。

ムチ使って戦うやつとかいんの。

俺はソウル・ショットを撃ちながら、相手の武器の衝撃を受けていた。

ムチってすごいな、ゲーム時代でもそんな使いずらい装備使ってるやつ・・・うん結構いたな。

案外ムチって強いのか?

どうなんだ?

まあでも今回に置いてはラッキーか、ムチだけじゃこのシールドは破れねえからな、たぶん。


おっ、剣士と槍使いも来たな。

流石にムチ使いの灰髪くんだけじゃ無理と悟ったか、剣持ったオッサンと赤髪の槍使いが来たな。

いや、他のやつらもわらわわと来たな。

これで作戦はほぼ成功確実だな。




監視局にて他のメンバーはゴースの防戦一方の戦いを見ていた。

せっかくなので最初から見てみよう。


「早く来いよ侵入者、俺が直々に相手してやるよ」


少しカッコつけてゴースが言った。


「ゴースさん、カッコつけてますね。ゴーストだから透明感抜群なのに」

「・・荒唐・・」

「カッコつけても野次を飛ばされるだけと思わないのかしら?」

「いや、せっかくの戦闘で野次を飛ばしてやるなよ」


ポチの言っていることがあっているはずなのにそれに賛同する者はいなかった。

まあ、こういう関係を作ったのはゴース自身でもあるから仕方ないのだろう。


「一瞬で建物ないに入れられたと思ったら、向こうに弱目のゴーストがいますよ隊長」

「あ、ああそうだな。なぜあんなにイキがっているのか分からないがものすごく弱いな」

「あの弱さで俺たちに勝とうと思ってるのかあいつ?」

「ゴーストって言ってもやっぱり所詮は魔物だよね〜」

「ていうか、あれがダンジョンマスター?私もっと強そうなモンスターばかりだと思っていたわ」

「いや普通のダンジョンはダンジョンマスターが相当強力なはずなのだが・・まあこのダンジョンはできたばかりだから仕方ないのだろう」


酷い言われようだ。

少しゴースが見栄を張ったのも悪いが、それでもなんて言われようだ。

ボコボコにされて、相手のリーダー格に少し庇われるという。

あきらかに普通じゃないほど言葉でボコボコにされた。

その光景にポチ以外は爆笑、ポチも半笑いだ。

そうそう、なぜ彼らの思念伝達が聞こえるかというとそれはこの城の特殊ギミックによるものだ。

この城は数数のトラップを付けられているがその殆どが後付けだ。

そして、最初から仕込んだ雄一のギミックは思念伝達の漏洩させるものだ。

流石に個人同士で使うプライベートチャットという強力なものや、隠蔽に特化した思念伝達は漏洩させれないが広範囲に発せられるものや、スキルではなく技術として覚えた思念伝達は筒抜けだ。

このシステムはある科学者チームが開発した技術を買った。

そんな防犯技術を開発するやつらのところから盗めそうになかった為だ。

金は基本的に使わないから買うことに何の問題も無かった。

それを設置するのは結構大変だったがそれでも効果は覿面だ。

まあ、基本的に浸入されたことがないため敵に使うのは初めてだろう。



「獣人達をどこにやった?」

「それを俺がいう必要ある?」

「命が惜しくないなら言わなくても構わんぞ」

「俺を弱いと思っているのか?」

「ああ、実際弱いからな」

「ハア、まずはその認識を改めさせてやるよ」


ゴースが魔石を装備した。

映像だろうと一瞬だろうと、その圧倒的な力は伝わったのだろう。

獣人から静かな畏怖と大きな歓声が起こった。


「やっぱり、一瞬なら問題ないみたいね」

「これからもっとアレを利用できそうですね」

「我々が弱い間はお世話になりそうだな」

「お前ら・・ゴースがかわいそうになってくるな」


チームのよく言えば合理的な悪く言えばゲスい三人が意見を合致させていた。

ポチが何か言おうとしたが無駄だと感じたのか辞めたようだ。

やんのやんのと言っている間にも戦いは続いている。


「あのゴースト一瞬ありえないほど強い力を発しましたね」

「あれってうちの国の英雄さんぐらい強くね?」

「やはりダンジョンマスターということだな」

「さっき使った魔法も第一位階の魔法のはずなのにあのシールド。どれだけの強度か検討もつかないわ」

「あっ仕掛けて来たよ」


思念伝達で会話しつつメイルが質問するとゴースからは魔法という返礼が返って来た。

だがそれに当たった相手は案外平気そうにしている。


「あ〜、やっぱり今のゴースの攻撃力じゃダメね」

「ああ、攻撃に重みが乗ってない」

「あれが全力だというのか?墜ちたな」

「着地に失敗した奴が言えることか〜」

「それはそれ、これはこれだ」

「・・ギミックが、発動し切る前に負ける?・・」

「ゴースならそんなヘマしないって!」

「そうだといいですけどね」

「それは完全に死亡フラグだろ」

「・・・」


珍しくラムが黙っているが、他のメンバーはいつも通り、ぺちゃくちゃ喋っている。

ラムはジーと画面に目を向けたままだ。


「ハーグ一人じゃ無理そうか?」

「ダメージが入ってる気がしませんね。これ相当パワーないと壊せませんよ」

「なら、全員で行くしかないんじゃない?」

「そうなりそうだな、テーペ全員に繋げてくれ」

「わかりました・・繋げれました」

「総員あの壁は予想以上に硬いようだ。だが気にするなハーグとカリムという50人長もいるこのチームの総力であの壁を壊す!総員全員で攻撃せよ!」


うおおおという雄叫びが思念の中で鳴り響いた。

ギミックは発動しているため後数分で行けるだろうが、実はこの魔法来るまでに練ろうと思っていたのに相手がすぐ来たから予定よりも何段も下の性能なのだ。

魔石を使ったとわいえこの性能では破られてもおかしくないとゴースは感じていた。

しかも相手は総力戦に打って出た。

ゴースにとってこれは災厄な選択だった。


戦いは激化しゴースは今や壁の維持に力を使っていた。

まだ1分ほどしか経っていないのにも関わらずゴースは防戦一方であった。

しかし変化は訪れ始めた。

急に倒れ出すものが現れたのだ。

なぜか?

それはこの部屋の酸素が少しずつなくなって行っているからだ。

最初から酸素を抜いておくと、最初に入った者たち以外は警戒して入らないと考えたためだ。

一網打尽にするにはこの方法を取るべきなのだ。

だが、誤算もあった。

トラップ自体試したことが無かったため、回復魔法で酸素まで回復できたことを知らなかったのだ。

ヒールではなくリフレッシュなどの状態異常を治す魔法で回復した。

回復魔法を使う者も少しずつ倒れているが。

それも他の人の回復魔法で回復させられる。

だが絶え間なくNPを使っていたら当たり前だが限界がくる。

5人しかいない回復魔法を使える者が魔力切れを訴え出した。

残ったのはメナ1人。

だが実際問題もうメナも限界で魔力欠乏症が起こり始めていた。

魔力欠乏症とわ、魔法を短期間で使い過ぎたため体内の魔力が著しく減ることによる体調不良のことをいう。

この状況になったまま魔法を使い続けると最悪の場合死ぬ。

そんな状態に彼女はかかっている。

しかもこの場は酸素も薄い。

メナはもうすでに限界だった。


「ウオオオ!!螺旋風槍撃」


カリムがこんな状況に関わらず叫びながら発動した戦技によって鉄壁と思われた壁に小さな穴とひびができた。

少しだけだけど、傷さえなかった壁に穴とひびができたのだ。

全員の顔が苦しそうながらも笑顔になった。


「バロン・アイス・パイル」


魔法は氷の杭のようなものが突撃したのだが、その杭はひび割れた部分にピンポイントでぶつかり壁を破壊した。

メグセリナが使える最高位の魔法である第四位回の魔法だ。

これを使ったメグセリナはそのまま気絶してしまった。

ゴースは驚きの表情をしつつ今の状況をどうするか考えていた。

メイルとハーグとカリムが突撃してくる。

バタ後ろで何かが倒れる音がした。

倒れたのはメナだ。

血を口から垂らし鼻血を出して倒れるその姿は限界を超えて回復を施していたことが容易に分かる。

だが彼らは振り向かなかった。

ただゴースだけを見据えていた。

そしてカリムの槍が届こうとしたとき、カリムも倒れたの。

血走った目のまま倒れていくその姿は狂気的だ。

だが、それは結果的にメイルやハーグにプラスになった。

槍の攻撃に構えていたゴースが、急にカリムが倒れたことで一瞬次の動作にタイムロスできたのだ。

その隙を見逃さまいとメイルが魔力を込めた剣を突き刺すその時!甲高い金属音が鳴り響いた。

そしてメイルは腹を突き刺され倒れた。

何が起こったのかゴースは一瞬わからなかった。

だが、その突き刺したものを見てゴースは悟った。

何がメイルを突き刺したのか、それは空中に浮いた二本の剣だった。

ラムがずっと黙っていたのはこれがあったからだ。

ずっと集中して剣二本を動かしていたのだ。

ゴースがピンチになった時のため。

映像局内でもラムに視線が集まった。

けれども声をかける者はいない。

なぜなら倒れる一瞬前に回復魔法をかけられたハーグがいるからだ。

ハーグはすぐに攻撃を始めた。

ムチを使った変幻自在の攻撃は容易くゴースの体に届いた。

ゴースも負けじとそれを掴もうとするがそれは叶わず連撃を食らう。

ラムの剣がハーグを突き刺そうと迫るが、その速度の遅さと直線的な動きのため攻撃は届かない。

防戦一方になったその状況で助けに行っても間に合わないと分かっているポチ達は、じっと画面を見つめた。

ゴースの体力が削られていくなか、少しずつハーグの息も荒くなってきた。

もはや両者に残ったすべは一つずつしかない。

耐え切るか押し切るか。

ゴースも耐えじとソウル・シールドを張っているが、それを掻い潜り攻撃はゴースに届く。

一撃の無駄も作れないことを分かっているのだ。

両者先の先を読み合う中で、さっきまで攻めていた剣がゴースを守るように動き始めた。

回避に割くリソースがなくなり集中力は上がったが、当てる範囲は狭まった。

なのに、止まらぬ攻撃の中、ついにゴースのシールドが相手のムチを遮った。

そこが勝負の分け目だっただろう。

リズムが狂った攻撃はゴースのシールドに阻まれていき、遂にハーグが倒れた。

短い短い攻防の中で長い長い時を過ごしたゴースはそこに死んだように倒れ込んだ。


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