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  作者: 羚羊
第一章 宵の明星
4/8

歓びの色

カラフルで騒がしい


充実したスケジュールを


効率よく消費することに


ようやっと慣れてきた




最早あいまいでしかない


記憶からこぼれ落ちていく


愛おしかった空を見上げたら


そこには宵の明星がある




不思議なことに


金星の自転は


地球と逆になる




情熱的でひねくれものの


魅惑的なヴィーナスの涙は


硫酸でできているに違いない




見上げた空の色こそが


あなたの願った歓びの色


耳に馴染んだ音楽が


脳の中でリフレインしている




宵の明星は何も示さない




誰も彼もが望んだ未来を


勝手に投影して願うだけさ






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