52【般若】
今日は特に何も無いです笑
お手洗いを終えリビングに行く。
「あれ?
カエデ、今日のお弁当は?」
「今日も沙耶さんが作って来てくれたって」
洗面台の所からカエデの声がする。
沙耶の方を見てみると二つの弁当箱をカバンから出す。
「ありがとう。
貰うよ」
俺がそう言って弁当箱を一つ取ろうとすると、沙耶がスっと二つの弁当箱をカバンの中にしまった。
「え?」
「私が持ってるよ。
今日もお昼は一緒に食べる予定だし」
さも当然のように沙耶が言う。
「予定だしって俺なにも聞いてないんだけど?
まあいいけどさ」
「じゃあ、行こっか」
「ああ」
そう言って俺と沙耶は玄関に向かって歩く。
「カエデー俺らはもう行くぞ?
一緒に行くか?」
「いや、沙耶ちゃんに悪いから一人で行くよ。
先行ってて」
「カエデちゃんごめんね」
「大丈夫だよ。
その代わりしっかりお兄ちゃんを仕留めてね」
「わかった。
まかせて!」
俺達は家を出て、通学路を歩く。
「ねえ」
「なんだ?」
「昨日、奈緒ちゃんと何かあった?」
ほら聞かれた。
良かったーちゃんと昨日のうちに相談しといて。
「昨日は色々あったんだけど、沙耶には奈緒が自分で話したいらしいからそれまで待ってくれ。
俺に対しての質問もその後にしてくれ」
「うん。
わかったよ」
やけに素直だなと思い沙耶の顔を見る。
その顔は真剣そのもので、今から戦争にでも行くのではないかと思わせるほど目が据わっていた。
いや、怖すぎだろ!
「沙耶!
そんな怖い顔するなよ。
大丈夫だって、お前が怒ることなんてないから!」
「本当?」
その据わった目で俺を見る。
やべ、マジで怖い。
チビりそう。
「うん!
大丈夫だって!
だからそんな怖い顔するなよ!
そんな怖い顔より笑顔の方が俺は好きだぞ!」
「そ、そう。
えへへっ」
沙耶の般若のような顔がいつもの美人て可愛らしい顔に戻った。
ふぅ〜、一安心か。
「あ、そろそろ学校の近くだね」
そう言って沙耶は二回ほど深呼吸をしたとたん沙耶の雰囲気が変わった。
「ああ、学校モードね」
「はい。
私は学校では優等生なので」
「それいつまで続けるつもりなんだ?」
「そうですね〜?
前にも言った通り別にもうこのモードをする意味はないんですけど、学校の皆さんはこっちが普通と思い込んでるところがあるので戻すに戻せないんですよ。
だから何かきっかけがない限りこのままかと」
「そうか。
俺はいつもの方がいいと思うんだけどな」
「そ、それは」
お、沙耶が動揺している。
「少し考える時間をください」
まあ、今日はここまでにしとくか。
「わかった」
それからもたわいない話しをしながら学校に向かった。
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