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129【頑張るじゃなくて、やるの!】

「はい、出来ましたよ。

凄くかっこよく出来ました」


それからカットが終わり髪を夏らしくアップバンクにセットしてもらった。


「おー!

お兄ちゃんカッコイイよ!」


「そうか?

こんなにおでこを出したの初めてだから恥ずかしいな」


「すぐに慣れるって。

じゃあ、次行くよ」


「お、おう。

ありがとうございました」


「ありがとうございました。

またお越しください」


俺達は店員さんの見送りの声を背に店から出る。ちなみにお会計は俺がセットされてる間にカエデが払っていてくれたらしい。


「次はどこに行くんだ?」


「次は服を買いに行きます!

軍資金はたっぷりあるので有名なブランドにでも行きますか!」


そう言って連れてこられたのは俺でも知っている超有名ブランドだ。


「お客様これなんてどうですか?」


「んー。それもいいんだけどこっちなんかどう?」


「それもありですね。

でも、素材が良いのでシンプルの方がいいと思うのですがどうでしょう?」


「店員さん、わかってるね!

やっぱり、お兄ちゃんはカッコイイしそれを生かした方がいいよね!」


それから約一時間、店員さんとカエデに着せ替え人形にされた。



「やっと解放された」


Tシャツとパンツ、靴下に靴、それにプラスで服を何着か買って結局この店で40万近く買っていた。


俺はその辺にあったベンチに座り込む。


「お兄ちゃん次行くよ。

あんまり時間ないんだからゆっくりしてる時間ないよ」


「え?

まだどこか行くのか?」


「次はネックレスを買いに行きます。

首元にアクセントがあるか無いかで結構変わってくるんだよね。

とくに今は夏だしね」


「はいはい、大人しくついていきますよ」


今日のカエデに何言っても聞いてくれないのはわかっているので大人しく立ち上がりカエデについて行く。


「ねぇ、お兄ちゃん。

これとこれどっちが好み?」


「どーせ俺の意見なんて聞いてくれないんだろ?

早く選んでくれ」


「まーそーなんだけど、形式的に聞いた方がいいかなぁーって」


カエデが選んだのは五万円ぐらいの主張の少ないネックレスだった。


「よし!

これで完璧だね!

残りのお金は半分が私のお小遣いで残りの半分がお兄ちゃんの軍資金だって。

今日は、朝帰りでも私もお母さんも何も言わないよ?」


そう言って封筒から二万円ほど取って俺に渡してくる。


「ありがとう。

そーだなぁ」


「え?

お兄ちゃんが真剣に悩み出した!」


「真面目な相談なんだけど、キスすら告白した時しかしてないのってなかなかやばいかな?」


「は!?

お兄ちゃんまじなの!」


「お、おう」


「S〇Xはいいとして、キスもその時しかしてないとか考えられない!

女の子は基本的に求められたい生き物なんだよ!」


「そ、そうなのか?」


今日一のカエデの迫力に後ずさっる。


「お兄ちゃん、そんなんじゃフラれちゃうよ。

よし!

お兄ちゃんの今日は最低でもキスはしなよ。

で、沙耶ちゃんが少しでもまだ帰りたくないみたいな雰囲気を出したらヘタらずにホテルに連れていくんだよ!」


「お、おう。

が、頑張る」


「頑張るじゃなくて、やるの!」


「わ、わかりました!」


それからカエデが横で「絶対だよ。ヘタったら怒るからね」と永遠と言われながら家に帰った。

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