107【完璧な土下座】
「申し訳ございませんでした!」
四限の授業が終わり昼休みに入るチャイムが鳴って約3分後、俺の教室の俺の席の前で一人の女の子が完璧な土下座を決めてきた。
そのフォームはとても綺麗でついつい何でも許してしまいそうな土下座だ。
これが実の妹のカエデでなければ許していただろう。
「おもてをあげい」
俺は自分の椅子に座った状態で腕と足を組んでる状態でカエデに指示を出す。
「ははー」
カエデは俺の声を聞きゆっくりと頭を上げる。
「はぁ、はぁ、ちょっとカエデちゃん速いよ」
走って来たのか、息を切らした状態で琴音ちゃんが教室に入ってくる。
「あ、琴音、遅かったじゃん」
カエデが完璧だった姿勢を崩しながら言う。
「誰が喋っていいと言った?」
「申し訳ございません」
俺の一度でカエデはまた綺麗な土下座を決めた。
「琴音ちゃん、いらっしゃい。
いつもカエデが迷惑をかけてごめんね」
「いえ、大丈夫ですよ」
「ちょっとカエデと話しがあるから、向こうにいる沙耶達と待っててくれる?」
俺はそう言って沙耶の席で話しているいつものメンバーの方を指さした。
「はい、わかりました。
カエデちゃんもちゃんと反省してると思うので程々にしてあげて下さいね。
お兄さんからメッセージが来てからずっと沈んだ表情で「やばいやばいやばいやばい」ってずっと呟いていてクラスの皆に怖がられてましたから」
「お前まじかー。
ちゃんと教室戻ったらクラスの皆に謝っとけよ」
「あはははっ」
カエデは頭を掻きながら苦笑する。
「「あはははっ」じゃないんだよ。
てか、そんなにあのクマのぬいぐるみが大事か?」
「大事に決まってるよ!」
「おぉ」
カエデが勢いよく立ち上がって言った。
「あれは超絶ブラコンである私に、大好きなお兄ちゃんが誕生日にわざわざ買ってきてくれた大切なクマのぬいぐるみなんだよ!」
「お、おう」
「私からしたら世界で二番目に大切なものなんだよ!」
「じゃあ、一番は何になるの?」
自分の席にいる沙耶がカエデに聞く。
「お兄ちゃんに決まってるじゃない!」
「あー、うん。
そうだろうね」
もうクラスの皆は苦笑いである。
「はぁー。
もういいよ。
クマのぬいぐるみには何もしないから、ちゃんと今日の予定とか話せよ」
「了解しました!」
俺が呆れながら言うとカエデはピシッと敬礼をする。
「じゃあ、みんな飯食うか」
俺がそう言うと、やっと話が終わったかといつものメンバーが俺の席に近づいてきて座り弁当などを広げる。
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