革命2
あ、純真先輩! 捜したんですよ!」
静かなムードをぶち壊すには十分な背後からの騒がしい声に岡水の顔があからさまに歪む。俺は岡水の様子を尻目に声の方へ目を向けた。すると、夕陽に照らされた岡水の後輩、金本が走り込んで来た。
「純真先輩なんでこんなとこにいるんですか? 今日は一緒に帰ろうと思って、教室行ったら居ないし、色々捜したのに居ないから、帰ったのかと思いましたよ。でも、ここで会えたのは運命ですね!! ちょー感激っす!!」
「うざい」
「え、酷いですよ! 壮ちゃん泣いちゃう」
「勝手に泣いてろ」
そんな2人の漫才のような会話に戸惑いつつ、俺は2人を観察する。一見、何時もの2人の会話だが、なんだか、雰囲気が違う気がした。いや、馬鹿馬鹿しいのに変わりは無いのだが。
「あっ、そうだ琉皇。改めて、僕の後輩で仲間の金本壮吾だよ。壮吾、彼が例の月城琉皇だ」
「琉皇先輩。これからよろしくお願いします」
2人の先ほどのふざけた雰囲気がガラリと変わり、真面目になった事に俺は早くも、順応するべきだと感じた。こいつらに多分常識は通用しない。いちいち驚いていてはこちらの方が保たないだろう。
こうして、俺は、この不思議な転校生と共に、学校という、1つの組織の中に、革命を起こしていくことになる、、、、、、。