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プロローグ
「会長のくせに何なんだよ?!」
「やっぱりクズだな」
どうしてこうなったんだろう。
ほんの数ヶ月前までは、廊下を歩くだけでみんながにこやかに挨拶をしてくれた。誰もが尊敬の眼差しを向けてくれていたのに。
今では、廊下を歩くどころか、教室にいるだけで、罵声を浴びせられ、冷たく鋭い視線だけが刺さって痛い。
「そうだ、その顔が見たかったんだよ。やっぱり君は最高だ、琉皇」
笑顔で見下ろしてくるこいつは誰だ?
あぁ、こいつは、俺の、、、、
あれ、こいつはこんな顔で笑うやつだったっけ?
何か変な感じがする。
「俺を恨んで? もっと! もっと、、、!!」
狂ってる。
目の前で笑う男に対して、素直にそう思った。
こいつはもう、俺の知ってる仲間じゃない。
遠くへ行ってしまったのだ、仲間の由貴は、、、、。
だから、俺も封印しよう。
由貴と同じ様に、琉皇という人間を。
これは俺が、俺という存在を封印してから約2年後の話。