Trip.21
お久しぶりです。
エタったわけではないことを証明すべく、今年のセミラスト投稿です。
夢の中での体調は現実とリンクするのではないだろうかと思うほど、目覚めたあとの現実で、葵や李は強い体調不良に襲われていた。
「…あー…だるい…」
「葵も具合が良くないの?」
「あれ、李も?」
「ええ…何だか、今朝から少し…それでも金曜日だしと思って来たけれど…夢の中のことと何か関係があるのかな」
「李はどんなことがあったの?」
「私は…毒を受けたみたいなんだけど…すぐ気絶しちゃって覚えてないの。具合が良くないのは、上手く隠すことができて、夜凪にはバレないで来れたけど…」
「…私、眠気である意味昏睡状態だったよ。だるいくらいだから学校来たけどね。澄央、変な子に付きまとわれてるみたいだし」
「二人とも、何で休まなかったの…?」
弁当を食べる手も遅い二人に、永絆が心配そうな声をあげる。
「学校一回くらい休んだところで大丈夫だと思うんだけどなぁ…」
「そうだよ。自分の体が一番大事だと思うんだけど」
杏子と椿が苦い顔をする。
「おー、そりゃ正論だな」
礼原がいつもの調子で椿に近づいてきた。
「…今日はどのおかずですか。また卵焼きですか」
「何だ、今日はいつもみたいに怒らねぇのか?」
「もー諦めました。どうぞ好きなおかず食べてってください」
憮然とした声の椿。
「じゃ、遠慮なく卵焼き貰うか」
「はいはいどーぞ」
「何かイライラしてんなぁ、ほら、チョコやるよ」
「…また朝ご飯のあまり、ですか」
「今日はおやつ。昼休みのうちに食えよ?」
「まぁ、美味しいっちゃ美味しいんで、没収されるのは惜しいですし」
「そっか、お前も気に入ったんだ?」
礼原は嬉しそうな表情を浮かべる。
が、椿の首を見ると、その表情を崩した。
「先生?」
「いーや。お前、その首どした?」
「首…?」
「円形に赤くなってるけど」
「あ。蚊に刺されたのかも」
「へぇ。蚊、ねぇ…ま、気をつけろよ」
そう言うと、いつもの笑みに戻り、椿の肩を軽く叩いて去っていった。
「なんだか椿、絆されてってるね」
「何がっ?!」
椿がくすくすと笑う葵に勢いよく振り返る。
「あはは…」
「杏子ちゃん!」
椿の様子を見て苦笑していた杏子に志苑が近寄ってきた。
「…ん、志苑?」
「明日さ、中学の時に一回だけ行ったあの公園で待ち合わせしよ?」
「あー…休みの日に遊ぶって約束だっけ。いいよ。何時?」
「んー…十時くらいがいいかな?あんまり早いと大変じゃん?」
「そう、だね。うん。それくらいで」
杏子が頷いて少しすると、昼休み終了のチャイムが鳴る。
結局、葵や李の弁当は、空にならないままだった。
まずは間隔をあけすぎてすみませんでした。
色々新しいネタが思いついてそれを書きなぐってたらこんな結果に…。
亀より遅い更新とはなりますが、必ず完結させますので、気長にお待ちください。




