2:学校なんて
「お母さんこっち!ほら!ここにあった!
ここにすわるの!」
…うるさい。
私は子供が嫌いだ。
耳元で金切り声でわめき、無駄な動きを目の前で繰り広げる。
かつてもそうだったって?
なんの話やら。
私は小さい頃から友達がいない上に親からも見放されていたから楽しめることなんてなかった。
「お母さん!
ほら
あのおねーさんのとなりも!
ここも!そこもあいてる!」
わかったから…良い加減うるさい…
私は電車を降りた。
駅からすぐそこの学校に通う私。
横断歩道渡ればすぐだ。
そして私の一番嫌いな校門を通り過ぎる。
校門では、「おっはよー!○○ちゃん!」だの、「○○くん!おはよ!」だの、子供の次に嫌いなグループがそこを歩いている。
後者は消滅しろとでも思う。
そのなかでもバカップルとか呼ばれるものが特に…。
「ホズミ、おはよ」
クラスの目立ちたがり屋系男子の潮田ケンジ。
下の名前の漢字など覚える暇も無い。
「どーっしったの??
ホズミ! 」
「とりあえず視界からきえろ」
「それだから氷の女なんて言われるんだよ★」
言われるんだよ★
とか言われてもどうしようもないので無視。
下駄箱には薄汚れた上履き、それから今から入るローファーがある。
上履きには呼びやすいようにホズミと書かれている。
校舎の階段を登り、1-Dに着く。
部屋の隅で円になって雑談する女子たちが私の姿を見て、引きつり笑顔で「おはよ」と言って来る。
それに対して私は真顔で通り過ぎる。
偽りの挨拶くらいなら無視された方がまだましだ。
「どうしてホズミさんってあんな顔なんだろうね…」
「それなりに可愛いのにね…」
「男子に嫌われるのがもったいないのにね…」
男子に好かれてどうする。
なんだ?リア充になりたいのか?
リア充になってどうするのさ。
周りに言いふらすは自己満足と挑発。
もちろん、いちゃいちゃなんてもってのほかだ。
今日も、全く楽しくない学校生活が始まるのだと思うと吐き気もする。