1:誰も知らない
私は八月一日菜々子。
フツーの女子高生だ。
今日もだるい、自称運動部に通い、2時間で練習は終了。
なにも起伏がなくてつまらないものだ。
帰りの電車でボーっと外をみて、地下に入ったころに準備して、着いた駅で降りる。
そっから徒歩で歩くだけ。
5分ほどで家に着くのだ。
夕ご飯食べて風呂に入れば、
いつも通りに眠りについた。
そこで私は変な夢をみた。
瑠璃と書かれた札を下げた子供がいた。
その子は無機質な目で辺りを見回し、人が来るとあっとした顔をするだけ。
それが終わればさっきと同じように周りも気にせずボーっとするだけだ。
「あなたは、私が鏡をみているようね」
一人つぶやいてみた。
こんなつまらなさそうな行為をするのは私くらいだもの。
似ているような気がしてね。
「実際、それに似たみたいな感じね。
私たち、顔がそっくりそのままなんだもの。」
はっとしてポケットになぜか入っていたコンパクトを取り出す。
顔が、そっくりそのままになっていることに気づく。
「あなたは…」
「ここに書いてあるでしょ?
ラピスよ。」
首から下げた札を、ラピスは指差した。
「あ、私は菜々子。
地味な名前って自負してるわ。」
私にも下がっていたらしい札をちょっと突き出す。
「そうでもないと思うけど。」
ラピスはそっぽを向きながら、でもそれでも話を聞いてくれた。
「ねえ、私たちはどんな関係があるのかな?」
「あっても知りたいとは思わない。」
「そんな…冷たいなぁ」
「あなたもでしょ?
授業に必要ないものは知りたいと思わない。」
「え、なんで…?」
私のいつものつまらなすぎる学校生活をラピスに見破かれてしまった。
というか、なんで?という疑問が湧き上がる。
「私はあなたのパラレルワールドの一番太い幹。」
「…え?」
ラピスは上を見上げていたので、ついでに私も上を見上げたけど、なにがあったというわけでもなかった。
ただ、星みたいのが見えるだけ。
「あの星たちを、守りたいと思わない?
…菜々子が、守ってくれる?」
その質問はあまりにも唐突すぎたことをこの時の私は知らない。
「うん!もちろん!
私の唯一好きなものと言ったら星ぐらいだからね。」
私は菜々子が、という言葉についてこの時は深い意味を知らなかった。
私がすかさずOKしてしまったことがどうなるかなんてもっとしらない。