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シロツメクサの花冠

作者: 純白米

 むかし、むかしのお話をしよう。あるところに、小さな小さな男の子と、小さな小さな女の子がいましたとさ。

2人のお母さんはとても仲が良く、毎日2人のことを公園の野原で遊ばせていました。

あんまり大きな公園ではなかったけれど、小さな小さな2人にとっては、大きな大きな野原に見えました。その野原には、たくさんのシロツメクサが咲いていました。


ふんわり ふわふわ シロツメクサ


どこの公園にもよく咲いている花です。シロツメクサの葉っぱが4枚のものを見つけては、四つ葉のクローバー見ぃつけた!と2人で喜んでいました。

「わたし、このお花大好きなの!ふんわりしていて、とってもかわいい!」


ふんわり ふわふわ シロツメクサ


仲良しこよしの2人にも、現実というのは残酷でした。

ある日突然、2人の別れが告げられたのです。

女の子は遠く遠くの町へと引っ越すことになりました。


男の子は悲しみました。女の子も悲しみました。

少しでも、たくさん思い出が出来るように、引っ越す日までの間も2人は毎日遊びました。

そしていよいよお別れの日。

男の子から、お別れのプレゼント。

「これ、あげる。」


ふんわり ふわふわ シロツメクサ


それは、シロツメクサで作られた可愛い可愛い花冠でした。

女の子は大喜び。


「ママと一緒に作ったの。ボクのこと、忘れないでね。いつか、結婚しようね。」


女の子は小さく小さくうなずきました。

男の子のその言葉には、深い意味などありません。

結婚というのがどういうものか、本当のところはよく分からない。

知ってる言葉を言っただけ。けれども、気持ちは本物でした。


大きく大きく手を振って 2人はとうとう離れ離れ。

「2人の約束、覚えていてね。いつかいつかまた会おう。」


……


「どうだい?パパのお話は。」

「えー、ここで終わりなの?この後、2人はどうなったの?」

「さあね。もしもこの先が気になるのなら、続きはママに聞いてごらん。」



ふんわり ふわふわ シロツメクサ

2人が交わした『約束』は、シロツメクサの花言葉。


挿絵(By みてみん)


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