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もう一人の俺  作者:
1/12

わけがわからない

ある晴れた日曜の午後だった。

前日に明け方までゲームをしてきた

高校3年生のサトシは

何度も鳴るケータイで目を覚ました。


サトシはパッとしない地味な男の子だ。

趣味はゲーム、友達は少なく、

人付き合いが嫌いだ。

ファッションとかもほとんど興味がない。

今日も起きたらゲームをやるつもりだった。


ケータイの着メロは聞き覚えのない

音だった。


うるせーな…


そう思いながら電話に出た。

「はい」

「ちょっと、今どこにいんの?

 ずっと待ってるんだけど!」


知らない女の声は怒っていた。


なんだよ間違いか…

「人違いじゃないですか?」

「は?サチコなに言ってんの?」


サチコって誰だよ…


ピッ


サトシは電話を切った。

すぐにまたかかってきたので

電源を切った。


人の睡眠の邪魔しやがって。

サトシは渋々起きた。


とりあえず頭をかいた。


ん?俺こんな髪長かったっけ?


触ってみると肩の下くらいまであった。

サトシは驚いて完全に眠気が覚めた。


え?え?


そこで更に違和感を感じた。

胸があるのだ。

触ってみると本物だった。


まさか?

恐る恐る股間に手をやるとなかった。


サトシは慌てて鏡を見た。

そこには女の子が映っていた。


なんだこりゃ??

まったく意味がわからずパニックになった。


落ち着け、落ち着け…

状況を一つずつ確認しよう。


部屋を見回した。

レイアウトや置いてあるものは

女物ばっかりだった。

しかし可愛らしいものというよりは

ヒョウ柄とかそんなもんばっかりだ。


次に机を漁ると生徒手帳が出てきた。

名前を見てびっくりした。


苗字が同じなのだ。

名前だけがサトシではなく

サチコになってる。

生年月日も同じだった。


どういうことなんだ?


いろいろ調べるとアルバムが出てきた。

今の自分の姿の女が写っているが

中には自分の両親が一緒に写ってたり

知ってる同級生が写ってるのもあった。


サトシは頭を働かせた。


ひょっとして俺が女だったらという世界?

それしか考えられなかった。


まじまじと鏡を見た。

どことなく自分の面影がある。

自分を女にしたらこんな感じかもしれない。

それにしても眉毛ほとんどないな…。


洋服ダンスを開けた。

もちろん全て女物。

しかも派手な服ばっかりだった。

そのうち一枚を取る。

背中が思いっきり開いていた。

こんなのどうやって着るんだよ…


下着を見た。

やはり派手なのばかりだった。

ヒョウ柄や黒をベースにした

ストライプなど。

Tバックも多かった。


女の俺はこんなの着てるのか?


ケータイの電源を入れてみた。

たくさんのメールがきた。


開いてみると、ミホと書いてある。

文章は「マジでどうしたの?」

「帰るからね!」

「もうサチコなんて知らない」

など怒りのメールだった。

おそらくさっき掛けてきた女だろう。

きっとサチコはミホと約束してたんだな。


他のを見てみると男からも多かった。

シュウジ、タイチ、ケンタ…

他にもいくつも男の名前があるが

サトシは知らない。


内容は「暇なら遊ぼう」とか

「カラオケ行こう」、「今日は楽しかった」

みたいなのばかりだった。


もちろん女の名前のメールもたくさんある。

しかも1日に何十件もきていた。


電話帳を見るとたくさん入っていた。

比率的には女6男4だった。


どうやらサチコはサトシと間逆で

交友関係が活発らしい。


画像を見てみた。

サチコはとにかく派手な女だった。

露出の多い服ばかり着ていて

ハッキリ言えばギャルだった。

友達もそんな感じのばかりだった。

何枚か見ていると目を疑うようなものが

出てきた。


ベッドで男とピースしている画像だった。

布団をかけてるが雰囲気的に裸だろう。

他の男との似たような画像も何枚かあった。


サチコは一体どんな女なんだ?

遊び人なのか、バカなのか…


サトシは頭が痛くなってきた。


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