登場団体、人物紹介
これも第一部同様に明らかになったところから順次、開いていこうかと思います。
登場団体及び登場人物
~リバティベル(通称名 鐘、褐色の幽霊等)~
ヨッドヴァフ首都グロウリィドーンの片隅にある冒険者の集まる店。
熟練の冒険者の集まる酒場だが、夜は別の顔を持つ。
不条理に挽きつぶされる愛が慟哭を上げるとき、金貨5枚と引き替えに『褐色の幽霊』が自由の鐘をヨッドヴァフの空に響かせ人を殺す。
褐色の幽霊とは彼等が好んで纏う血が乾き、褐色となった外套が所以。
◇スタイア・イグイット
リバティベルの店主で、第七騎士団の準騎士。
教会やアカデミアにも在籍していたこともあり博識だが、やる気の無い態度が特徴。
鉄鎖解放戦役で奴隷側の先鋒となって戦った経歴を持つ。
リョウンという師から教わったアマガッツォの剣という剣理を使う。
現在の『褐色の幽霊』
保有魔導具
グロウリィ・ウィングヘルム
鉄鎖解放戦役の際にウィルヘミナ卿に下賜された銀翼の兜
◇ラザラナット・ニザ(ラナ)
リバティベルの女将。
銀髪と赤い瞳のどこか疲れた表情が印象的な美女。
力ある魔物、フィダーイーの意志決定権者であるニザの称号を持つ。
出自については不明だが、魔物と人との間で人に寄ったかつての『褐色の幽霊』
保有魔導具
ラグラ・ディンゴ
古くは退魔の鐘、今は自由の鐘と呼ばれる。
ニザルトゥースの斧
身体の一部のマンフを変質させ、巨大な斧とする。
ブレイズメアリアの戦車
炎の魔獣ブレイズメアリアの曳く戦車。
◇タマ
天真爛漫、明朗快活なリバティベルの看板娘。
第一話『最も弱き者』でリバティベルの給仕奴隷となる。
多くのことを学び、スタイア、ラナらの生き方から自らもまた多くの不条理を許さぬことを決める。
◇パーヴァリア・キル
ハイ・フェアリアンの暗殺者。
可愛らしい容姿とは裏腹に、冷酷な思考、態度を取る。
何千年もの時を生き、多くの魔物や人間を殺める。
フィダーイーにて『漆黒の仕手』と呼ばれ『最強』の称号を得る。
史跡国家ニヴァリスタにも関わりがあり、魔術、魔法について精通している。
冷酷な態度とは裏腹に、過去、弱かった自分のように弱者に手を差し伸べる。
◇ユーロ
教会の墓掘り。
結論から喋る彼の物言いは多くの人の誤解を招く。
死者の王ユラフロアルガンの環から外れた彼は不死者として死ぬことが、ない。
~フィダーイー~
古き盟約の元、ヨッドヴァフの力の均衡を守ってきたアサシンギルド。
その構成の多くは魔物や魔物と人の混血であるフィッダ、フィッダ・エレと呼ばれるものたち。
ニザという力の強い魔物を意志の決定権者として置く。
ヨッドヴァフではアサシンギルドと言えばフィダーイーであるというくらいに浸透した彼等の力は古き盟約が破棄されても未だ強力な影響力を持つ。
『セトメント』とは魔物の言葉で『約束、誓い』の意味を持つがフィダーイーが『人を殺す』という意味に転じて使われる。
◇白鯨イシュメイル(イシュメイル・スタークラック)
フィダーイーの力あるニザの一人。
空を漕ぐ白鯨の化身で、人となったラザラナットを見守ってきた。
アカデミアにおいてスタイアの同期であった経歴も持ち、スターガランスの魔術演算を人に伝えた。
大きくなりすぎたフィダーイーを全てを掌握しきることはできないが、それでも全てを畏怖させるだけの強大な力を持つ。
◇輪岩ググングルルフ
フィダーイーの力あるニザの一人。
アルバレア平原の戦の前にラナに決断を迫った『三永霊』のひとつ。
人の姿を取るときは老爺の姿を、好む。
~ヨッドメント~
ヨッドヴァフ王国が新たに擁した暴力機関。
フィダーイーが担っていた暴力による力の均衡を担う。
その構成員の多くが、かつてのフィダーイーや外国の者など急造感が拭えないが、その暴力は人の力をあまねく暴力達に示す。
◇ヨッドヴァフ四世
幼名アルテッツァ・ヨッドヴァフ。
幼くして王の資質を持つが、未だ至らぬ器量に動乱の兆しを見せる国を治めるためヨッドメントを編成する。
◇アーリッシュ・カーマイン
アルバレア平原の戦いで近衛騎士となった第7騎士団の騎士団長。
長い黒髪と鋭い瞳を持つ、誠実な騎士。
リバティベル店主スタイア、現第7騎士団ダッツの友人で新たに即位したヨッドヴァフ四世に重用され、聖剣グロウクラッセを賜る。
保有魔導具
聖剣グロウクラッセ
ヨッドヴァフ開国のおりにフィダーイーから伝えられた聖剣。
高濃度の環石がその本体で剣は名槌ハイングの一人娘、メリーメイヴが鍛え上げたバステッドブレイド。
◇マチュア
勇者と呼ばれる女傭兵。
多くの魔導具を扱い、強大なニザすら屠る。
だが人格的にはだらしがなく、大雑把でその言動と行動で周囲をかき乱す。
鉄鎖解放戦役の最中に奴隷側の捕虜となり、拷問の末、グウェンという子を一人設けている。
保有魔導具
聖剣ドーンブレイズ
赤銅色の魔導剣。環石のマンフを放出し、一時的に光剣を形成し相手を断つ。
指輪(弾劾の理等)
様々な魔術効果を持つ指輪を所持する。
◇シルヴィア・ラパット
銀髪鬼、ヨッドメントの殺戮人形と呼ばれる少女。
かつてはスタイアの元で戦役に従事した経歴もあり、現在は勇者マチュアに師事する。
◇アルヴィーテ・レラハム
元フィダーイーの少女。
主に調略活動に従事しており、アーリッシュの元でヨッドメントとして働く。
しかし、その実態はフィダーイーにヨッドメントの活動情報を流すことを重きとしている。
◇ディスケス・ダリド
ヨッドメントの指揮を預かるニヴァリスタから流れてきた冒険者。
四〇くらいの男でどこか疲れた顔が印象的な男。
冷酷で残忍な作戦指揮を執り、味方が死ぬことに何の痛痒も示さないのはだが暴力の中で生きてきたが故か。
◇グレン・シュナイダー
どこか茫洋としたはっきりしない青年で丸い眼鏡と濃緑のローブが特徴。
ニヴァリスタ王から『栄光の礎』と呼ばれる魔法の探索の命を受けヨッドヴァフへ訪れる。
パーヴァと過去に因縁があり、『灰色の魔術師』として恐れられる。
~ヴァフレジアン~
鉄鎖解放戦役から力を伸ばし始めた組織。
商会や組合が構成し金銭を得ることを主目的とした組織で合法、非合法を問わずあらゆる手段を使い、自らもまた暴力組織を擁する。
ヨッドヴァフ四世が即位し動乱を迎えたヨッドヴァフでさらなる力の拡充を求め、暗躍する。
~オーロード~
海洋都市オーロード。
プリフニッカの大樹のふもとに広がる海洋要塞の史跡を元に広がった都市でかつてのヨッドヴァフの首都。
一度、他国の侵略を受け魔物のはびこる現ヨッドヴァフに流民したことがヨッドヴァフの起こりで、ヨッドヴァフ四世の即位の動乱に正当ヨッドヴァフを謳う。
~無所属~
◇ダッツ・ストレイル
第7騎士団騎士団長。
冒険者あがりの豪放な性格で戦場では常に一番槍をつけ、アルバレア平原の戦いで魔物の大群を相手にその勇壮さを知らしめ勇者と称えられる。
スタイアとアーリッシュの友人。
◇ダグザ・ウィンブルグ
第7騎士団に出向した聖堂騎士。
騎士長としてスタイアの上司、ダッツの部下となる。
活発な性格だが、フレジア教会襲撃の折りから臆病になる。
ヨッドメントのシルヴィア・ラパットとは聖堂騎士団の同期で修道院時代からの友人。
◇フィルローラ・ティンジェル
聖フレジア教会の大司祭。
アルバレア平原の戦いでは乱心したヨッドヴァフ三世を勇者アーリッシュとともに打ち倒し、ヨッドヴァフ四世の右腕として外交を任される。